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休日の微睡み (後編) Episode2 |
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| Chapter2 |
白い、白い光。
網膜へと走る、目も眩むような鮮烈な光。
暖かい、暖かい温もり。
私の深いところを遍く満たしていく、雄々しくも切なげな精の温もり。
そんなふたりでひとつの風景の下、極まる想いを綴り尽くした悦びにこの身を震わせていた。
最後に時計を見たのは9時頃だったろうか。
今となってはもう、時間の感覚など遠く手放してしまって久しかった。
「…昭乃、俺、いま……」
「…いま、なに?」
「……ごめん。 うまく、言葉にできない…」
「んふふふ…♪」
「……何?」
「…ううん。 私も多分、同じこと考えてるから……」
◇ ◇ ◇
昨夜の晩餐は、それは満ち足りたものだった。
食卓を彩る豊かな味と香りに、グラスの奏でる音楽的な音色、そして交互に交わされゆく笑顔と言の葉。
空になったワインボトルの向こうでは、新たに注がれた琥珀のなか一欠けらの水晶がカラリと揺れていた。
ウィスキーの名は北欧語で言うところの “生命の水” に由来するそうだが、なるほどと思う。
一口すれば、心に灯が燈される。
グラスが進むにつれその火種は暖を取れるほどに育ちゆき、やがてはその熱のもと全身を当てられていく。
さしたる酒豪でもない私たちふたりは、しかし互いにペースを同じくすることで体感温度を共有していた。
私が酔えば、彼も同じく酔う。
私の頬が熱く火照れば、彼の視線もまた自然と熱を帯びてくる。
かくしてそれぞれの炎がその影を重ねる時、それは新たな揺らめきとなって暖炉の薪を白く焦がしていく。
…と、楽しげな夕食の後に続くのは、そんな深い深い夜のはずだった。
けれど。
昨晩の彼は、心身共にもう疲れ果てていた。
日頃からして立て込み続きだったうえさらに土曜出勤が重なったせいもあり、
温かな料理に眠気を誘われると食後のグラスなどはそのままナイトキャップにしかならない。
かくして夜もまだ浅いうちからブランケットを共にすると、失われていく意識のなか耳元にてこう漏らしていった。
『……ごめん』
そんなこと、言わなくてもいいのに。
翌朝の目覚めはすこぶる良かった。
枕もとの時計は8時半を回り、先日に続いての長時間睡眠に疲労の痕跡は微塵もなかった。
とはいえ、待ちぼうけのうえに置いてけぼりまで食ってしまった昨晩はさすがに鬱屈が募り、
ただ泥のように眠るばかりの彼を前にひとかたの恨めしさを隠せずにいたのもまた事実だった。
そんなこんなで一度リビングへと立ち戻りひとりグラスを傾けていたのだけれど、
常温では何かとぼやける水割りが一方では生の口当たりと濃厚な風味とを醸し出し、
舌でゆっくりと転がし心を溶かしていけば体の方も無理なく打ち解けてくるのがわかる。
かくして再び寝室へと戻る頃には、もう彼のその寝顔に気持ちがささくれ立つことはなくなっていた。
『ふふ、疲れちゃったね、恭一……』
無邪気に眠るその姿が、ただいとおしかった。
『……おやすみなさい』
そう囁くように一度唇を重ねると。
すぐにも彼の背中を追って、同じ夢の中へと落ちていったのだった。
何もかもが、少しだけ久しぶりな気がした。
この部屋の空気も、ベッドの匂いも、毛布のなかの温もりも。
わずか数年前までは、そう、自分がまだ学生だった頃にはそれこそ頻繁に訪れていて、
あのテーブルで惣菜をつつき、あのソファでチューハイの缶を並べ、そしてこのベッドにて2人抱き合っていた。
異性とのそうした関係は初めてだったこともあり、いま思えば悶絶してしまうほどにのめり込んでいたのを覚えている。
もっともそのすぐ以前には奈菜との関係があった訳で、普段大人しい割には結構な不良娘だったような気もするけれど、
そんな自由で自堕落な生活とは社会に出て別れを告げ、恭一との関係も月毎に落ち着いたものとなっていった。
いや、そうしていかざるを得なかった。
逢いたいのは山々でも、互いの時間がどうにも合わない。
痺れを切らして無茶をしようにも、翌日にはまた仕事が待っている。
逢いたいほどに逢えなくて、逢えないほどに逢いたくて。
そんな日々の繰り返しに2人の熱は自然と収まり、しかし微妙な距離感にて安定するようになった。
かつてのように、何をも差し置いてそこにある関係ではない。
全てが自由だった頃とは違う、それぞれの持つ社会と立場の上にこそ成り立つ、そんな相対的な関係。
……何が、 『そんな関係』 、よ。
土曜出勤なのを承知の上で、半ば一方的に夕方からの予定を組ませておいて。
案の定ろくに構ってくれないと見るや、ひとりへそを曲げたり、勝手に立ち直ったりなどしていたくせに……。
…でもね、恭一くん。
最近の私たちって、少し離れすぎているような気もするの。
貴方は何も知らないかもしれないけど、私いま、色んな人に狙われちゃってるんだよ?
斎藤君だけじゃないよ?
一昨日なんて、ほんとにもう大変だったんだから……。
「……ん」
「……う……ん」
「……あ…きの……?」
そろそろ、かな。
「おはよう、恭一くん」
「うん……おはよう……」
「んふふ、もう一眠りする?」
「…いや、大丈夫、……起きるよ」
「そう。 じゃぁ、コーヒー淹れるね?」
寝起きの素顔に微笑みかけると、身をよじってブランケットを抜け出ようとする。
けれど、それは叶わなかった。
彼のしなやかな手が、私の背中をしっかりと包み込んでいたから。
シャツ1枚を通じて背筋へと伝わる、下顎のコリコリした感触。
「……昭乃」
来た、と思った。
「もう少し…」
「ちょっとなに? ふふ…♪」
「もう少し、だけ……」
「うん?」
「……昭乃」
首筋にて囁かれる、眠気を多分に含んだ吐息。
思わずクラリと来てしまうけれど、ゆっくりと向き直ってはその瞳を静かに見詰める。
「…………いいよ」
とろりとした薄目が無邪気に微笑む。
まるで子供のような笑顔で、普段抑え気味な彼にしては珍しいほど。
そう、この時間は。
寝起き直後のこの瞬間は、いつになく彼の理性が弱まる時。
「ちょっとちょっと、恭一くん?」
行動もストレートだ。
シャツのボタンを上から順に外されていく。
眠る時には下着を付けないので、すぐにも胸元が不安になってしまう。
「昭乃……」
心音を、聞かれる。
胸の高鳴りをそのままに感じ取られていく。
「…昨日は、ごめん」
「来てくれて、本当に嬉しかった…」
「玄関で顔見たら、もう舞い上がってた……」
微睡みに理性を薄められた彼は、
こうした感情も素直に紡ぎ出してくれる。
「ここ最近、大きな商談があって……」
「あちこち飛んだり、泊り込んだりもしてて……」
「せっかく来てくれてたのに、ろくに話もできなくて……」
こうして弱音を吐いてくれるのも、
ふたり温もりを伝え合うこのひと時だけ。
「…ううん。 私こそ無理言っちゃって、ごめんね」
「うん、わかってる…。 わかってるから……」
「あとでゆっくり、話そう……?」
頭の後ろを抱えるように撫でてやると、さも居心地よさそげに咽を鳴らしてくる。
繰り返し繰り返し私の名前を呼びながら、まるで子猫か何かのように。
こうした時間を共有することは、私自身にもまた深い安らぎとなる。
誰かに求められ、甘えられる存在であること。
それは私にとって、半ば生き甲斐のようなものなのだから。
「……昭乃」
「今日は、ずっと一緒に……」
……うん。
どこにも出かけなくていいから。
ドライブもショッピングも、いらないから。
だから今日は、ふたり一緒に。
ずっと一緒に、いて。
脳髄も溶け出すような感覚に必死で抗いながら、その赤く灼かれた鉄の棒へと指を絡めて口付けをする。
かと思えば寸前のところで腰を引かれてしまい、直後にはまた仕置きさながらの責め苦に全身を苛まれていく。
柔らかな包みより露にされた、剥き出しの性感。
その芯の部分を生々しい唇に含まれ、絶え間なく流される高圧の電流には神経回路がショートして視界が明滅する。
悲鳴でも上げていないと、頭の方が壊れてしまいそうだ。
内股へとうずめられた彼の頭を毛髪をつかんで引き剥がそうとするも、意に反して両腕にはろくに力が入らない。
そのうちにも次第に電圧を上げられていき、釣られたばかりの魚類さながらにシーツの上をのた打ち回る羽目となる。
それが一体何なのか、明確な形は自分にもよくわからない。
ただ、そのイメージは何かの弦を思わせ、そう、ある種の弓のような物に近いだろうか。
繊細な手付きにて少しずつ引き絞られていく、白く細いその弓。
濡れた唇と熱い指先とで、もういまにもへし折れてしまうかという、その時。
私の体は一瞬にして重力を失い、水の中へと沈められるようにして宙を舞う。
背筋が不規則に跳ねる。
呼吸を整えようにも胸の痙攣に息が詰まる。
意識が少し欠落していたようで、気が付けば彼の懐のなか抱きすくめられていた。
「…大丈夫?」
「え…?」
「…ビクビクしてるよ」
「や、やだ……っ」
彼の繊細な指先のもと、快楽に震える子宮の律動をそれこそ間近に感じ取られてしまう。
羞恥のあまり内股を擦り合わせるも、むしろ半身を抱き寄せられるままに膣内を撫で上げられ、
いましがたの電撃が嘘のような愛撫のさなか寝室を満たす濃厚な吐息に自らの鼓膜を揺さぶられていく。
その胎内をトロトロに煮詰められる感覚はさながら麻薬のようで、甘美な恍惚にまぶたが震え背筋が溶け落ちそうになる。
卵巣が、疼く。
「……昭乃?」
すぐ目の前を揺らぐ、しなやかな指先。
手首を伝う官能の雫に心奪われていると、ふと視線が何かを語りかけてくる。
その意図を汲み取ることは、至って容易だった。
脳髄が痺れるなか魅入られたように頷き、たっぷり潤った人差し指のもと静かに唇を寄せていく。
鼻腔に広がる甘い匂いは自身の秘めたる蜜の香りで、そっと舌を絡めては官能のおもむくままに甘噛みする。
人差し指の次は、中指。
その次は、薬指。
そうして5本の指を全て食み終えると、彼の重たげな瞳がうっとりと微笑む。
唇を求めればすぐにも応えてくれて、寝起き直後の吐息に昨夜の洋酒の残り香、
そして存分に含まれた蜜のとろみとが一緒くたになって絡み合う。
そのむせ返るような濃厚さには後頭部の辺りがジリジリと痛み、意識の焦点が朦朧と揺らいでいく。
「…ねぇ……恭一」
貴方のことが、欲しいの。
「……あぁ。 少し、待って……」
だめ。
待てない。
今日はもう、待たない。
「……昭乃?」
欲しいと言ったのは、貴方のことだけ。
貴方以外のものは、何もいらないの。
今日の貴方は、私の物なの。
「…だめだよ、昭乃……」
大丈夫だから。
今日は、私。
だから。
「……そのままで。 …して……?」
突然に押し倒される。
が、とっさの嬌声に至るまでが筋書き通り。
普段の彼ならともかく、弱まった理性を焼き切るなど何とたやすいことか。
「…昭乃、お前……」
「んっふふ…」
「……見てろよ…?」
「…………きて……はやく…」
◇ ◇ ◇
白い煙をふうっと吐くと、視界の先がわずかに曇って見える。
濃淡入り混じるそれは、ふわふわと漂ううち部屋の空気へと溶けていってしまった。
自分はいわゆる喫煙依存者ではない。
所構わず煙を吐いて回るような人種ではない。
とはいえ、こうしてセックスのあと一番に吹かす煙草の味を知らない女でもまたなかった。
ベッド脇に置かれた四角いガラス細工の方へ指先を伸ばすと、その縁を軽く叩いて白い灰を落としていく。
『…味? あんた、空気吸いながらイチイチ味なんて意識したりする?』
学生になりたての頃、同輩だった奈菜に1度だけ煙草の味とやらを訊いてみたことがある。
当時からしてすでに重度の喫煙症だった彼女は、それを 『空気のようなもの』 と端的に表現していた。
空気。
当然のようにしてそこにあるもの。
しかし、それなくしては生きていけないもの。
私の周囲で夜な夜な大酒を食らい、日に丸1箱も煙草を吸う女友達は彼女ぐらいのものだった。
ついでに言うと、こうして余韻に任せ吹かすことを俗に “食後の一服” というのだそうで、
これを男がやると女に嫌な顔をされるのもしばしばなのだそうだ。
……何よそれ。
私だって、女なのに……。
…と、少し拗ねて見せると、彼女はまたクククッと笑って深紅のオイルライターを指で鳴らす。
『あたしだって、男じゃないし』
白く濁った煙を、吐息のようにふうっと吐きながら。
「……なぁ昭乃。 今度はもう少し、手加減してくれ……」
「…あら。 久しぶりなのに、つれないこと言うじゃない?」
すぐ傍らには、うつ伏せになって横たわる恭一の姿があった。
じっとりと汗ばんだ背中にゆらゆらと虚ろな瞳はつい今しがたの情事を物語り、
そんな彼の様子に満足するといつのまに短くなっていた煙草を灰皿の底へと押し付けていく。
自分にとってのこれはあくまで嗜好品の類で、奈菜の言うように惰性や慢性で消費していくものではない。
美味しい物を、美味しい時に、十分味わって楽しむ。
それが今も昔も変わらない、私のスタイルなのだから。
「…精も根も、みんな吸い尽くされた感じ」
「んっふ、ごちそうさま。 美味しかったぞ…♪」
「…ったくお前は。 つくづくいい女だよ……」
充実したといえば、あまりにも充実した時間だった。
こうしてふたり睦み合うのは過ぎ去りしあのバレンタインの夜以来のことで、
そんな空白を埋め合わせるかのように互いの全てを余すところなく折り重ねていった。
思いのままに、抱いて、抱かれて、乱れて。
心ゆくまで、愛し合って。
ひとしきりする頃には、もう時計の針は正午を迎えようとしていた。
「ねぇ、どこか食事に行かない? 私、お腹空いちゃった」
食欲の後には性欲と言うが。
その逆もまた然り。
「…あ、昭乃。 どこにも行かなくていいって、さっき……?」
「それじゃぁずっとこうしてる? 別にイイけど……♪」
四肢を絡めるように再び寄り添うと、背筋をなぞりながら首筋の辺りを甘噛みする。
するとにわかに身を翻して逃げられてしまい、その動きのよさには思わず目をまるくしてしまった。
あら、ちょっといい感度じゃない?
すっかり降参したものとばかり思っていたのに。
…と、実を言えばもうこちらとて足腰立たないのだが、半分本気のつもりで壁際へと追い詰めていく。
四つん這いの姿勢で、悪戯な目つきをしてみせながら。
「……わ、わかった! 行く! 行こう!」
「あーら残念。 んっふふふ……♪」
節度を欠いては何事も品性を失うとはいえ、貪欲であること自体に罪は問えない。
人生薔薇色という訳にはいかないにしろ、極上の快楽というものは自ずからしてそこにあるものだ。
仕事や恋愛の中にはもちろん、慢性化した日常生活の至るところにさえも。
それら純度の高い宝石たちをこの手で探し当て、ひとつ残らず享受していくためなら。
…時にはそう、飢えた獣もさながらに。
◇ ◇ ◇
「…え? 私なら電車でもよかったのに」
「…そうじゃなくて。 俺が言いたいのは……」
……。
わかってるよ。
ちゃんとわかってるけど、揚げ足を取ってみただけ。
あれから2人して入浴を共にすると、軽くコーヒーを飲んでドライブへと繰り出した。
彼がハンドルを握るのは、学生時代よりお馴染みの白のカリーナ。
バイク乗りの友人より譲り受けて今となっては走行距離も15万キロ近く、
もともと老朽品なうえ愛着もないことから折をみて廃車にする予定なのだそうだ。
ポンコツで燃費悪いし。
マニュアルで面倒だし。
手頃な軽自動車でも新調するか、とほとんど厄介者扱い。
一方そんな彼とは正反対に、私にとっての愛着は並々ならぬものがあった。
例えば、いま何気なく腰かけているこの助手席。
身体に馴染んだシートの感触と視界の感覚とはこの席ならではのもので、
他に人を乗せたりする機会はあまりないとのことから事実上の特等席だった。
運転にしたってそう。
ステアリングやクラッチの感覚ひとつにしても実際にはこの車でのことで、
主に両親がハンドルを握る自宅のカローラに比べても親しみ深いものがあった。
もう古くてボロボロの、白のカリーナ。
はじめて乗った、恋人の車。
彼の表情には終始疲労感が漂っていた。
やはりあのままにもう一眠り、というのが偽りのない本音だったのだろう。
それでいてなお応答が鈍るようなことは一向になく、むしろテンションは高いくらいだった。
よくできた男だと思う。
貴重な休日を割いていることを、よくわかっている。
逢える時に存分に逢っておくことの意義を、よくわかっている。
……だからこそ、余計に。
『そろそろこうやって送っていくの、やめにしないか?』
俺と一緒に、あの家で住まないか?
モールの手前にて車を止めると、そこで1度唇を求められた。
長い長い、キスとなった。
帰したくない。
このままに、連れて帰りたい。
もともと舌足らずで生の感情を捉えにくい人だったけれど、
こうして口移しに伝わるものは言葉のそれより遥かに生々しかった。
疲れた顔をしていた。
川崎の自宅へと戻れば、すぐにもまた泥のように眠り落ちてしまうのだろう。
恋人の温もりがいまも残る、あのベッドで。
あのブランケットのなか、ひとり寂しく。
「それじゃ恭一くん。 また今度、電話するから」
奈菜のことは、一切話していない。
派遣のコンサルタントに彼女の姿があったことを、彼は知らない。
弟のことについても、何ひとつ話してはいない。
自明だったはずの姉弟関係がにわかに崩壊しつつあることを、彼は知らない。
……だから。
だからこそ、私は……。
いまはまだ、あの家を。
大切な物を失いかけている私自身を、逃げ出す訳にはいかないの。
次回予告:
2人街へと繰り出す、休日の昼下がり。
すれ違う想いの末に、恋する少女は1本の鍵をつかむ。
その鍵の名は、 “かつての彼の想い人” 。
次回、二章第三話、 『休日のトキメキ』 。
ご期待ください。
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