約 束 の 唇
(楽屋話)
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こんにちは、黒衣です。
第六話、いかがでしたでしょうか。
それでは二章も最終話ということで、一応主人公の翔君に登場して頂きましょう。




翔  「一応って…。 全然主人公の待遇じゃないよ、それ……」




……そうですね。
1日も早く立派な主人公になれるよう頑張りましょう…。




翔  「……はい」




という訳で、物語の流れについてですが。
二章は全般的に当初の構想に沿った形として描くことができました。
キスに始まり、キスで繋いで、キスにて終わる。
構成上のキーワードはそれでした。
まずは序盤の2カット、次いで中盤の1カット、そして最後の2カットと、
それぞれに物語の筋をなすシーンとして章全体の山場を担っています。




遊  「……なーにがキスだよったく。 しょっぱなのカラミからナマでナカd;y=ー( ゚д゚)・∵. ターン




……ふぅ。
最近の若い子は言葉遣いが不用意で困ります。





翔  「え…? ナマ……?」




いえいえ、こちらの話です。
下手に大人の世界に首を突っ込まれてもろくな結果にはなりません。
……翔君にしましても、今回は色々と人には言いにくい出来事がありましたでしょう?




翔  「…はい。 激しく自己嫌悪です……」




そうですね。
簡単に開き直られてはこちらとしても面白味がありません。
やはりこう、物語の主役としてはじりじりと踏み止まった上で一気に転がり落ちていって欲しいところです。




翔  「…………はい?」




共に頑張って参りましょう。
栄えある主人公ロードを美しく駆け抜けるのです!




翔  「ちょ、ちょっと待っ…。 そんな、ひとりで勝手にっ……!」    =□○__




















◇     ◇     ◇






さて、こちらの方にも少しばかりお話を。
……と思いきや、何やらお疲れのようですね。




昭乃 「zzzzzz……」




鼻など摘んでみましても…。




昭乃 「zzz……、……zzzz…」




…起きませんね。
二章を通じての激務でしたので、無理もないことかも知れません。






実質二章からの登場となった昭乃さん。
翔君や亮子さんに比べ人物形成が遅れていたこともありまして、
初舞台の序盤からしてあちらこちらと忙しく動き回る形となりました。
彼女を示すキーワードは、一言、 “オトナ” です。
亮子さんをはじめ序章を盛り上げてくれた “お子様たち” とは異なり、
“酒” と “煙草” はもちろんのこと、 “オトコ” もまた嗜む大人の人物として描く。
そんな主旨が執筆当初よりありました。


彼女にとっての酒や煙草はいずれも対価を支払って得る嗜好品の類でして、
単に酔うがために安酒を呷ることもなければ、暇潰しに煙を吐いて回ることもありません。
そしてそれは、 “オトコ” の方にしてもまた然り。
精神的・時間的余裕といった、それこそ社会人にとって最も高価な代償がそこにはあります。
月イチの逢瀬にしても、時折愉しむ “そのままの” セックスにしても、
無責任に得られてしまうような快楽にそう大したものはないということ。
大人しい容姿の割には結構おてんばなのですね……。






最後に、三章の予告を少しだけ致します。
主役の姉弟を差し置きトップバッターを務めるは同じく二章登場の奈菜さんでして、
亮子さんより引き継いだ “脇役” のバトンを手に物語の縦糸をまとめてあらぬ方向へとぶん投げて参ります。
そのあとを次ぐように1人称を語りはじめる、翔君と昭乃さん。
三つ巴の視点がそれぞれに交錯するなか、ふたりの姉弟は1度確かな形にてその影を重ね合います。
一転して退廃的、かつ官能的要素の強い展開となる予定ですが、どうぞご期待くださいませ。








昭乃 「zzzzzz……」




今はただお休みください。
これ以降もまた大変ですので……。






それでは読者の皆さん、三章にてまたお会い致しましょう。

















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