台湾、三日目。昨日と同じ時刻に起床。

昨晩、『鼎泰豊』でお持ち帰りにしてもらったチャーハンその他を食べねばならない為、「朝ごはんとしてそれを食べる元気のある人間は、朝7時半に秋芳さんとらんさんの部屋に集合。
すっぴんでいいから」と前の晩に電話で指令を出しておきました。半死半生。寝不足よりもむしろ、胃もたれの方が一大事です。が、夜にらんさんにもらって飲んだ消化剤が効いたらしい。日本を出る前に「なにか準備していった方がいい薬ってある?」と訊かれ、「何はともあれ、まず胃薬と消化剤を」と言っておいたのが役立った模様。<経験者は語る(in香港+中国)。

電子レンジはないけど、冷めてもなかなか美味しいチャーハン。スーラータンや野菜の和え物もそうですが、今朝の私たちにはもうひとつ片付けねばならない食材があるのでした。それはライチ。初日の夜、迎えに来てくれた楊さんが隊長の私にくれたのですが、何しろ食べるヒマがなかったので(あるいは胃に隙間がなかったので)、ずっと私たちの部屋の冷蔵庫にしまわれていたのでした。食べねば。

食べ始めるとなかなか旨いのですね。ライチ好き。
黙々と食べているうちに「あのさ……」と秋芳さんが言う。
「なんか暑くない?」「あ、私も」
さっきから顔が妙に火照るような気がして暑いのです。
「えー私は別に」「なんてことないですよね」とらんさんとせのおさんが言う。
「そういや、楊さんがライチくれた時、なんて言ってたっけ?『熱い食べ物』って言ってなかった?」
「あ、そんな気がする」
漢方で果実や野菜を「冷たい食べ物」「熱い食べ物」に分類する話を聞いていて、確かライチもそれに出てきた覚えが。このせいかな、暑いのって。

どうにか完食に成功し、下のロビーで待ち合わせ。何故かまた昨日のおじさんと遭遇し、卒業証書をもらう為の記念写真を全員に拝見する破目に(何故かはいまだによくわからない)。年齢の正解は73歳だそうでした……やはり中華圏で育った人間は、何か違うものを食って生きていたとしか…!

なんとかおじさんとお別れし、本日の目的地は、台湾旅行のメインイベント・故宮博物院。

そりゃイヌだって暑いよね。 ホテルを出発し、歩き出してみたものの「暑い…」「日差しが…」「湿度が…」。普段はエアコンの効いた職場で一日座りっぱなしで仕事している人間にとって、この暑さは脅威です。

軟弱な日本人だけかと思ったら、この暑さは台湾土着のイヌにも厳しい模様。隣の写真は、途中立ち寄ったATMで寝ていたイヌ(推定:ノラ)。誰も人がいないのをいいことに、悠々と涼んでいます。結構台湾ではある風景なのか、帰りの機内で見た動物投稿写真では、イヌとネコがATMで涼んでいる写真が載ってました。日本よりノライヌには寛容なのかな。

今日は大半の行動をMRTに頼る為、一日乗車券を買ってみた。台湾のMRTの切符は、パスネットみたいなやつで、回収されたあとは再利用するタイプ。なので曲げたりすると罰金取られるそうです。図柄もいろいろ。それに対して、一日乗車券はほんとに紙でできていて、裏に使用する人の名前を書かないといけない。この名前と違う人が使ってるのがバレると罰金。紙なので自動改札は使えず、駅員さんに頼んでいちいち専用ゲートを開けてもらわなければならない。便利なのか不便なのか、いまいちよくわからないところだ。

MRTの「民権西路」から淡水線に乗って「士林」駅へ。ここからタクシーで故宮博物院に向かう。8人なので、2台に分乗して行く。ちゃんと最初にメーターを倒したことを確認するのが重要だそうですが、それさえ気をつけておけば、こっちはタクシー代安いので、ヘタにバスに乗って迷うよりも交通手段としてはいいのだとか。確かに。15分くらい乗って、4人で80元ちょっと……250円くらいかな。日本での私のタクシー代を思うと感涙ものの値段です(哀愁)。<先日その
60倍くらいの金額を1人で払いました(泣)

二台ともボラれることなく、無事に故宮博物院に到着。暑い。日差しが強烈です。邪魔かなと思って日傘持ってこなかったんだけど、あったほうがよかったかしら〜。

残念ながら、折悪しく故宮博物院は現在工事中で、展示スペースは普段より格段に狭くなっているとのこと。でも主だった展示品は見られるということなので、まずは玉の特別展から。集合場所と時刻を決めて……って、そこのNARUTO萌え組、話を聞けっての!(地団駄)
「ほら、隊長殿が点呼を取ってるよ」
「はい、こっち注目ー」
「なんですかー隊長どのー」

……ほんとに新兵の訓練やってる新任少尉の気分だよ……気を取り直して、再度集合時刻の確認。はい、解散。

さて、この特別展。中国人の性格の細かさを示すような、ものすごく精緻な細工が目白押し。玉や植物の種(桃だっけ?)や象牙などを刻んだ細工ものだが、桃の種に彫りこんで作ったこの船、扉が開閉するよ!中に人がいるよ!!とか、細かい細工を拡大鏡で見る象牙かなんかでできた白い塔、この細工で1メートル以上の高さってことは、どれくらい時間がかかるのかなあ……と思っていたら、隣のツアーのガイドさんが「三代…」「九十年…」とか言ってるのが漏れ聞こえてくる。もしかしれこれ世襲制の仕事なのか!?跡継ぎが不器用だったらどうするんだこれ!(「あっ、じいちゃんの作ったとこ、ざっくり削っちゃった!」とか…)
特別展示の目玉がこれ……。
そしてこれが、この特別展の目玉。
白菜豚の角煮です。

台湾の故宮博物院にあるものというのは、北京から蒋介石が逃亡してくるときに故宮からひっさらってきたものなので、蒋介石的に逸品揃いのはずなのです。そんな故宮博物院の中で、最高傑作が白菜と豚の角煮なのか……。

きっと職人さんが、素材を見た瞬間
「この白と緑の割合、白菜しかない!」「どう見てもこの脂身は豚の角煮ーっ!」って思ってしまったんだろうなあ…(白菜は加工品だけど、豚の角煮は天然石で、人の手は加わってないらしい)。

中国人、野菜が好きなようです。類似品に、「玉を刻んで作ったにがうり」とか、「ナスのかぎ煙草入れ(しかも6個セット)」とか。いや、ほんとにいい出来だよ。いい出来だと思うんだけどね、しかしだね……。
もちろんお土産コーナーでは「白菜キーホルダー」「白菜ストラップ」「白菜マグネット」「白菜と角煮写真付きスプーンとフォークセット」と目白押し。脱力。中でも傑作なのは、角度によって白菜と豚の角煮の写真が入れ替わるマウスパッドです。私は絶対会社で使いたくないけどね!<昼御飯30分前に豚の角煮写真見ながら仕事したいですか?…でも人の土産にはする(悪)。

特別展から今度は本館に移動。ちょっと離れてます。日差しが暑いです。焦げそう。
ふらふら見て歩いてる間にらんさんと一緒になったので、二人で見学してまわる。故宮の中はとにかくエアコンの効きすぎで寒いから絶対上着を持ってこい!とどのガイドを見ても書いてあったのだが、確かに正解……冷える。と思っていたら、らんさんが「意外に寒くない」「ライチのおかげかな」……朝ぱーっと暑くなった私と秋芳さんに比べて、「そうかなあ」と首を傾げてたらんさんだけど、じっくり効果が出た模様。効きかたの違いは体質のせいかな。しかし効くねライチ。楊さん曰く「腰痛・肩凝りに効く」という朝鮮人参、私も毎日かじるべきだろうか。
<翌日、楊さんに確認したところ、やっぱりライチは「熱い食べ物」だそうです。
「だから食べ過ぎるとニキビ出ます」……そういうことは先に言ってくれ、楊さん……(朝、死ぬほど食べた人)。

間抜けに開いた口がキュートv

ヒップのラインが愛らしいです。
故宮博物院、広いので観てまわるならまず三階の青銅器コーナーから、というガイドブックのアドバイスに従い、とりあえず二人で三階に上がってみる。

さすがは中国。記録としては日本最古、場所もはっきりしてない邪馬台国の朝貢先ですら魏だもんなあ……漢も終わりかけてる頃で、それでもまだ紀元前三世紀でしょ?そんなン千年か前のグッズがいろいろ並んでいる。

「ね、これ『商』の時代だってよ……てことは『殷』の時代だよー、『封神演義』の時代だよー」
「へええ……」


としか言いようがありません。まだ日本には文字もなかった頃の品物だもんね。というか紀元前ってことは、キリスト教発祥よりもさらに昔なんだな、と思うとますます遠い目に。
でも遥か遥か昔、顔も知れない何千年も前に生きていた人の手が触れた品物が目の前にあると思うと、不思議な気がします。古いものを見るときの私にとっての醍醐味って、それかも。

アンティークのアクセサリー見てても思うんだけど、昔のものって逆にデザインが今の目から見ると意表をついてて面白いものが多い。
隣の写真は、らんさんがお気に入りの器。イヌ…かなあ(多分)。酒かなんか入れるのかな……マヌケな感じにぽかんと開いた口が注ぎ口になってます(<が、ここかられろれろと出てきた酒を飲むのか……それはあんまり酒飲みとして嬉しくないビジュアルだ)。が、後ろにまわると、お尻のラインのぽったり感がキュートです。愛らしい

部屋の中にとにかくハンコばかり集めた部屋を見(しかしこの30センチ×30センチくらいありそうな巨大ハンコ、押せるのか?昔のことだから、きっとハンコ押す専門の宦官とかがいるんだろうね……うっかり角なんか欠いた日にはそれだけで文字通りクビだろうなあ/怖)、デザインが素敵でかつちゃんと使用した跡の残ってる硯を眺め、「カスティリヨーネ(郎世寧)」という画家の名前を見て「あーこれ浅田次郎の『蒼穹の昴』に出てきた画家だ!」と喜んでみたり……楽しかった。しかし見てまわった範囲ではやたらと乾隆帝のものが多かったんだけど、これは治世が長いせいか?それだけいいものが揃っていたということ?しかし私の心の中では「蒋介石が急いで台湾に渡ってきた為、とりあえず乾隆帝ルームからしかグッズを引っ張り出してくる暇がなかった」説が有力。だってほんとに乾隆帝のものがすごく多いんだもの。

日本人にも発音できません。 ちょうど時間になったので適当に切り上げて皆と合流。お土産を買いにグッズコーナーに移動。どれがいいかと散々悩んで歩き回ってふとその末に見かけたCDコーナーの表記がこれ。

「中ゅう国くを指す文ん明」…ゴメン、斬新過ぎて日本人にも発音できませんこの表記。誰か日本語できるスタッフはいなかったのか。

一通りお土産も買ったので、またタクシー乗ってMRTの士林駅まで。
とにかく故宮の前で日本語で客引きしてるのは本当に悪質で絶対乗ってはいけないと楊さんから言い含められていたので(「高いだけじゃなくて、どこに連れていかれるかわかりません」だって…)、声かけてくる流暢な日本語には目もくれず、てくてく歩く。やっぱり暑い。

ちょっと歩いて拾った方がいいとはガイドにも書いてあったが、本当にタクシーは来るのか?歩いて駅まで着いてしまうのではないか?(※行きはタクシーで15分かかった道)という危惧の果て、交通整理している警官のいる大きな交差点にたどりつく。ここまで来たらタクシーも来るだろう。
炎天下で仕事中の彼に「どうした?」と訊かれたので「タクシー待ってる」と言ったら、タクシーを止めてくれた。ありがとう。警官の傍で止まってくれるタクシーにぼられることはまさかないだろう(笑)。安心安心。行き先を訊かれた(らしい)ので「士林」と言ってみたのだが、運転手のお兄さんには通じなかった模様。発音が全然違うのだな。結局ガイドブックで「ここ」と指差して無事に士林駅に到着。

お店の商品はこんなにかわいいのに…

看板はこれ。
そしてこちらが、三日目で一番私たちを笑わせてくれた、日本語ネタ。

台湾の女の子の服って、かわいいんですねー。ひらひらしてて、デザインが面白い。こちらはそんな、ごく普通の台湾の女性服の店。

……が。

ひとたび目を上げると、看板には
「モテモテグッズの店」……あーあやっちまったーという微苦笑がこみ上げてくる表記です。つい記念写真。<MRT「士林」駅前で見られます。
きっと誰か日本人がてきとーなことを教えてしまったんだろうなあ…。

士林駅からまた昨日と同じ経路をたどって忠孝敦化駅まで。もう2時近いので、まずはお昼御飯。
またガイドブックの「庶民の味」というコーナーから私が選んだ店は、香港系の点心が美味しいと書いてあった「老友記粥麺館」。敦化南路一段にあります。食事時はかなり混みあう店らしいけど、中途半端な時間なのですいてます。でも8人座れるテーブルは1つしかなかったので、そこに座って御飯食べてた人を店員さんがどかしてくれて(ゴメン……「でも彼は友達だからいいんだ」とかそんなことを店員さんは言っていた、ような気がする…)、オーダー。
会話は日本語通じないけど、メニューはちゃんと日本語のがあるので、楽。私はガイドブックに「オススメ」とあった海老のワンタン麺にしてみた。食べかけたところではっと思い出して写真を撮ったのが下のこれ。

美味でした。また食べたいな…… あ、しっかりビールが映ってますね。マイビール。白地に緑字のが、私が四日間お世話になった台湾ビールです。

ラーメンかと思ってたら、麺とスープが別に来たのでちょっと意表を突かれました…が、これが旨い。ぷりぷりの海老のワンタンと細麺、あわせるスープはあっさりだけどしっかり海老の出汁が効いていて美味しい!見た目の割にかなりボリュームもあり。いいなあまた食べたいなあ。……これが100元(約300円)で食べられるのです。ぜひうちの近所にも欲しい。安いし旨い。
……私は1人でビール2缶飲んだので、一人で200元払いましたけどね!<昼食代とビール代が等価な人。だって暑かったんだよー!

一通り腹ごしらえも済んだところで、またしばらくお買い物。途中で見かけた宝石店の翡翠が綺麗だったのですが(私、持ってないのだ翡翠)、目も効かないし、ショーウィンドーに値段も出てなかったので結局諦め。またいつか勉強してトライしたいと思います(本気)。
昨日買いものした辺りでまた時間決めて一時解散。とりあえず地下のCDショップに移動。しかし意外に香港モノないね……同じ中国語圏なのに。逆に日本語のCDとかDVDの方が目につくのはどういうことだ?一応2枚買ってみたけど、やっぱり夜店の方が安いね。もう一度行くか士林夜市、という気持ちにかなりなりかけたけど、体力と相談して断念。

また相変わらず蔵書印が諦め切れなかったり、いろいろふらふらした果てに、結局本日の私のお買い物はCD2枚とDVD1枚で終わりました。台湾元の残りが少なくなってきたのも一因。
外で待ち合わせしたら、秋芳さんが「さっき声かけられてさ」と言う。「私のこれ指して『なんだこれ』っていうから『ジャパニーズ・エプロン』て答えといた」……そうだね、確かにそのとおりだね。
彼女は商店の前掛け(サザエさんで三河屋がつけてるのを思い出してもらえばいいかと)を加工して自分でウェストポーチみたいにしたのを腰から下げて歩いてた。多分日本人から見れば「ああ、あれね」ってすぐわかるけど、そりゃ台湾の人にはわかるまい。しかし。
「でもこの絵柄も謎だよね……鷲と波ってのも」
「そう、しかも『EAGLE WAVE』とか書いてあるしね」

別に店名に鷲も波も関係なく、唐突にイーグル・ウェーブなのである。世界に羽ばたけって意味だろうか……趣旨がよくわからない。謎だ。

駅まで戻って、今度は地下街へ。服買いたい人食料品みたい人などいろいろなので、また解散。私と町屋さん、らんさん秋芳さんの目当ては本屋。こっち?こっちでいいのかな?と延々表示に沿って歩かされた挙句、ようやく書店にたどりつく。
私の目当ては香港芸能関係の記事が載っている雑誌だったのだけど、残念ながらこの類のは非常に少ない。中国本土に旅行したときは死ぬほどあったんだけどね……逆に日本の雑誌の台湾語訳には山ほどお目にかかった。
ようやく一冊だけ見覚えのある俳優の写真が載ってる雑誌があったので、ビニールかかってて中身よくわかんないけどレジに持って行ってみる。しかし謎なのはどうして今更ウォン・カーウァイの『ブエノスアイレス』が表紙なのかということだ。……リバイバル?レスリー・チャン追悼にしちゃ時間経ち過ぎてるよ?まあいいかと買ってホテルに戻って……なかをあけて、言葉がわからないながらも漢字をたどって判明したことは、この雑誌の今回の特集が「映画に見る同性愛表現」というものであるらしいことだった……だから『ブエノスアイレス』だったんだね……(超敗北感)

それはさておき、日本の本の台湾語訳がたくさん出ているのに驚いた。ファッション雑誌だけじゃなくて、へーこんなのも訳されてるんだ、という点で。

@一番ウケたこと。
日本の新本格が翻訳されていて、島田荘司の『占星術殺人事件』の訳題が『占星術殺人魔法』だということだった……確かにね!意訳だけどある意味真実だね!そして現物の置いてあった『異邦之騎士』の表紙が私たちの笑いを誘った。これ、御手洗?そうだよね銃もってバイク乗ってるもんね!いやでもこれ絶対なんか勘違いしてるよー!!!(爆笑)<B級ハリウッドアクション映画みたいなイラストなんだもん!皆の説得の結果、島田好きの町屋さんが買って帰ったのだが、しまった写真撮らせてもらうの忘れちゃったよ……。

どこのB級映画のヒーローですか。 ……と日記に書いておいたら、町屋社長が「あげるよ」と写真を送ってくれた。
ありがとう社長。
多分、これ、御手洗。多分……。

A一番感動したこと。
東京創元社で出ている文庫本で、日本の古いミステリを集めたセレクションが出ているのです。黒いカバーで背表紙が人形の絵になってて、北村薫が選んでるやつ。あれが翻訳されているのにびっくり。学生時代ミステリ読み漁ってた私だって半分読んだか読まないか。小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』辺りならまだしも、低年齢化の進むミステリファンの中で、木々高太郎の『小笛事件』とか水谷準とか読んでる人なんて日本人でもろくにいないよきっと。どうやら最近出ているシリーズであるらしく、平台に夢野久作の「瓶詰めの恋」「ドグラ・マグラ」などが入った巻が詰まれてました。別に大きな書店じゃなかったけど、シリーズの大半は棚に並んでたし。これは感動したなあ。

叶、MRT乗車禁止。
待ちあわせたあと、もうちょっと遊ぶ?とも思ったけど、毎日の寝不足と暑さがたたってか、かなり体力が限界に来てる人もいたので、一旦ホテルに戻ることにした。で、また乗り慣れた淡水線に乗って帰る。こっちのMRTは、東京の地下鉄で通勤してる人間には、シンプルでわかりやすくてよいです。車内もきれいだしね。


こちらはMRT車内でよく見かけるドアに貼ってある注意書き。よく読むと「車両のドアに寄りかからないで下さい」と書いてあるのだが、私たちの間では
「カッコつけ禁止」と命名されていた。
<このシールを見て、「叶さんはこれ乗れないんですね!」と言ったのは、あらたさんです。

MRTの駅に着いて、ホテルまで徒歩10分強。疲れた人はタクシーで戻ることにして、4人4人で別れました。私は徒歩組。寝てないわりに、まだ元気……。昨日とは逆向きの道で、そろそろだいたいMRT駅ふたつと、その真ん中に建ってるホテルの位置関係も把握したので、てくてく歩くのも楽しいです。


悪です。 これは、MRT「圓山」駅からホテルに戻るまでの道すがらで見かけた看板。
ちょうどハリポタ映画が公開される時期らしく、宣伝写真でペイントされたバスをたくさん見かけました…がインパクトはこちらでしょう。

私たちの間ではこの看板、
「ワリー・ポッター」と呼ばれていました。
なんか絶対たくらんでいそうな、邪悪な顔をしていると思います。


<……ところでこれ、原書の表紙イラストなんですか?
つい最近、洋書コーナーで見かけたのですが……台湾独自のイラストかと思ってた(笑)。

ホテルでしばらく休息。服観に行ってくる!という元気な人もいたけど、私は部屋でぼんやり荷物をひっくりかえしてました……しばらくして町屋さんが昨晩の夜店の収穫のCD&DVDを抱えて遊びに来たので、しばらく二人でビニールを開けて中のブックレットの品定めなどをする。うーんこの写真微妙だわーなどと言ってるところで、夕方もかなりいい時間になってきたので、全員揃って近くにあるという夜市に出かけてみた。

歩いてみるとほんとにすぐ近く。ふたつくらい先のブロックを右に曲がると、ぽつぽつと屋台が出てます。なぜかカラオケ大会もやってます。歌ってる人より司会のおっちゃんの陽気さが目立ちます……でも流暢な日本語で男性の歌う演歌が流れてきたときは、思わず皆で拍手しちゃったよ。これでまさか日本人だった、とかいうオチじゃないといいんですが(笑)。

さて何食べる?というわけで、まずは中華ちまきに挑戦。
ちょうど陰暦の端午の節句が目前に迫っているせいか、やたらとちまきを目にします。楚の屈原の死を悼んで食べるものというのは知ってたんだけど、ドラゴンレースというボート競技は、もともとは入水した彼を探して漁師たちが船を出したのが始まりで、そしてちまきを備えるのは彼の身体が魚に食い荒らされないようにと民が河に投げ込んだのが始まりだとか……(と、楊さんが教えてくれた)。な、なんかリアルな由来だな……。

気を取り直して、中華ちまきの屋台へ。おばさんに値段を訊いてみるが、なんだかよくわからない。そばで手伝ってくれた男の子が一生懸命に指で示してくれて、どうやら1つ30元(90円くらい)らしいと判明。数をかぞえる時の指の折り方も国によって違うので、よくわかんないのだ。とにもかくにも、ひとつずつ手にして食べる。かなりしっかり具が詰まってて、ひとつ食べただけで胃にずしっと来ます。ゴミどうしよう〜ときょろきょろしてたら、近くの別の屋台のおばさんが「こっちこっち」と示してくれたり。地元の人が多い夜市のせいか、昨日の士林より皆フレンドリーな感じ。楽しい。

色とりどりのフルーツが並んだ果物屋をのぞいたり(ドリアン食べてみたかったんだけど、どこでこれを切るのかという問題に断念……タイではホテルに「ノー・ドリアン!」のマークが貼ってあるらしいですよ、そんなフルーツをうっかり部屋で切っちゃうわけにも…あ、お店で切ってもらえばよかったのかな…<今気づいた。惜しい)、「最佳酒肴」と書かれた屋台の看板を眺めて「お酒のオツマミにおすすめ!」ってことだよねーとか。

ちまきも食べたことだし、何か飲もうかと生ジューススタンド(といっても、これは屋台じゃなくてちゃんと固定のお店)に揃って行く。漢字だとよくわかんないねと首をひねっていたら、お店の女の子がやや微妙な日本語のメニューをくれた。
「スイカジュースにする」という秋芳さんと国香さんが「ほんとにスイカそのまんまの味だ!」と言っている。一口分けてもらうと、確かにスイカ。水っぽくなくて、ちゃんとスイカの甘み。美味しいけど、同じものを頼むのは芸がない。じゃあ私はもうちょっとチャレンジしてみるよ。

「じゃあこの『ストロベリー・マゴミックス』というの、いってみるよ」

まったくほんとにこっちのメニューの日本語ってかなり微妙だよねー、「マンゴー」でしょこれ、「ン」が抜けてるよーと思いながら、女の子の手元を見ることしばし。渡されたジュースに金を払い、一口飲んでみて悟る。

「私さ、これ、『ン』が抜けてると思ってたんだけど、違ってたわ……『ン』じゃなくて『タ』だったみたい……『ストロベリー・タマゴミックス』だったんだよこれ……」

やられた。途中で女の子がいろいろ足していくものを見ていて「ねえそれ私のじゃないわよね!?」と思いハラハラしながら見ていたのですが、やはり私のものだったらしい。カルピスの瓶が出てきて、いろいろ混ぜた挙句にシェーカー振り始めたときはどうやって止めようかと思ったのですが……確かにメニューの下の方に『タマゴジュース』というのはあったんだよ。でもさあ普通これ見てまさか先頭の『タ』が抜けてるとは普通思わんだろ。

お店の名誉の為に言っておくと、別にマズくはなかったです。あっさり目のミルクセーキみたいな感じ。………でもやられたわ〜(敗北感)。

で、結局私たちが食べたのは何だったのでしょう……。

背後からの写真ばかりだな。


せっかく屋台に来たので串ものを食べてみますかというわけで、しばし物色。女性二人でやっている屋台があったのでそこにしてみた。生の串がいろいろトレイの上に並んでて、指差すとそれを目の前で焼いてくれます。思案顔のらんさんといろいろ頼んで半分こすることにしてみた。

うーん、何食べる?これ美味しそうだよね腸詰。あとはー、脂身の串なんかどう?いいね?で………やっぱりこれだよね
この中で一番得体の知れない物体……。

それは真ん中になんだかの実(私の想像の範囲内で一番近いものはニンニク)に、なんだかにょろにょろした薄緑色の長い紐がぐるぐると巻きつけてあり、それが串に4つだか5つだか指してある。……腸、かなあ。
屋台の女性はちょっと日本語がわかる。「コレ、○○元ネ」というところくらいまで。しかし「これはなんだ」というのが通じるところまではいかない。……正解がない、微妙な選択だ。でもねーやっぱこれはいっとくでしょ。

待つことしばし。目の前でざばっと選んだ串をタレ壺につけてから焼いてます。うわ、思いっきりよく行ったなあ……(<謎串。よくわからない赤い粉をドバッとふってます。昔の駄菓子を見るような色に……)。

結論から言うと、一番美味しかったのは、あの謎串なのでした。
ニンニクではないみたい、そんなに臭いしないし。この緑の紐はなんだろう……と思いつつ、わからないものは気にしない。
中国でうっかり日本語できる店員さんに「これなんですか?」と訊いたときに「エート……………………(ものすごく長い沈黙)ウシネ」と言われたときよりよほど怖くない。<その長い間が単に日本語を思い出せなかっただけなのか、「正直に言っていいものかどうか考え込んでいる」かどうか判別できないのが余計怖い。

脂身はらんさんの口に合ったようですが、どっちかっていうと私はもともとが砂肝とかハツとかああいう系統の串が好きな人なので。<内臓好き
一番スタンダードに美味しそうに見えた腸詰は、なんだか甘かったのです……香辛料が甘い、不思議な味。
でも台湾の屋台では、チョコレートソースなどをかけたソーセージが売られているらしいので、それよりは普通の味だと思うけど……。

上の写真二枚は、そこの屋台をうしろからとったもの。お仕事中のところを正面から撮る勇気がなかったので……(隠し撮りとも言うかもしれない)。あの謎串、写真撮っとけばよかったなあ、食べてから気づいたんだけど。

昔懐かしい日本の風景みたい。 これも夜市のあった一角の写真。ここは固定店舗。
白いワンピースの女の子が手伝い半分遊んでて、おばさんが軒下に水撒いて床洗ってました。
なんだか子どもの頃にばーちゃんちの近所の商店街で夜見かけた風景を見るようで、懐かしさを覚えます。
石もこれだけ並ぶと壮観。 夜市といっても屋台ばかりじゃなくて、近くの固定店舗も開いてます。これは横道に入った辺りにある、石細工屋さん。写ってるのはローズクォーツなどの天然石の玉。重さで値段が決まります。

それとは別に、小さな天然石を刻んだストラップも大量に下がってて、4コで100元、だっけ?魚とか動物とか小銭とかとうがらしとか、それはいろんな種類があって、しかも全部表情が違うので、選ぶのも真剣。かわいい。

この店で一番笑いをとったのは、ガラス細工でした……某鼠国の主役、ミ●キーマウスと思しき、でも絶対これパチもの!どう見てもパチもの!黒隈できて邪悪だよこのミッ●ー!という素敵な代物(<これもひとつひとつ顔がまったく違う)。ディ●ニーでも訴追をためらうような偽者っぷりで、楽しませてもらいました。

アメ横を思い出します。

この脂の照りが……身体に悪そうな色。
こちらはスーパー、なのかな?
ケースにずらりと入った駄菓子が並んでます。ぜったいこれ着色してる…っ!というショッキングピンクが印象的な下の写真は、どうやら魚肉のベーコン?らしいです……うわー脂乗ってるよー、というわけで記念撮影。

どこかで見たようなと思えば、アメ横のお菓子の問屋さんに似てるのでした。雑多な並べ方といい、品物といい。


そういや台湾には「電気蚊取りラケット」なるものが売られているそうです。と、ガイドブックで見たのだけど、あとで聞いたら「ああ、あそこで売ってましたよ」と教えてもらった。しまった、買うべきだったか………と日本に帰ってから日々蚊の跳梁に悩まされる私は後悔している。

<何人いても、必ず一番の人柱にされる人

おなかもいっぱいになったので、コンビニ経由でホテルに戻り、また酒を抱えてメイコさんの部屋に遊びに行く。
そのうちにぞろぞろと他の人たちも遊びに来て、結局ほとんど全員揃ってしまった。
結局飲んだくれて、いかにイーキン・チェン(<香港の俳優兼歌手)がダメっ子か、とか、私の買ったアンディ・ラウのCDのブックレットの写真が京本●樹似だとか、そういうどーでもいい話で夜は更けていく。

昨日の三叉神経の足ツボマッサージの教訓は、まったく活かされておりません。部屋に戻ってシャワー浴びて、午前3時就寝。

長かったようで短かった台湾滞在も、明日は帰国日。せめて朝に一花咲かせたい……。<花ってなに