結果発表(1)

No.1  「所野」
  

ルート的には(a)や(g)から進んで行く右回りと、(b)や(c)からの直進、さらには(f)まで行って左から回り込むルートに分けられた。右回りでは(h)の水系の分岐を、直進では(e)の大きな沢を目標にしている。

以下、主観的に回答者の競技レベルをクラス分けし、項目別に分析を試みた。
 
分 類 項 目 ME MA MB MV WA WB
    2名 2名 2名 2名 2名 7名
ルート 尾根を切って直進 100% 100%     50% 28%
  左から沢を回り込む     50% 50%    
  右から沢を回り込む     50% 50% 50% 71%
CP・AP 道より手前のことに言及しない 100% 0% 50% 100% 50% 14%
  沢の頭チェック(a) 50% 50%   50% 50% 14%
  沢の頭チェック(b) 100% 100%        
  道走り時に歩測 50% 50% 0% 50% 0% 0%
  左からの尾根(c)チェック   50% 50%      
  沢の分岐(d)チェック 50% 50%        
  右のオープンの崖(g)チェック         50% 28%
  沢の分岐(h)チェック       50% 50% 71%
意識 大きな沢(e)を意識 100% 0% 0% 50% 0% 0%
  気を付けたい注意点に言及 100% 0% 0% 0% 0% 0%
  CP、AP、Cの見え方をイメージ 50% 50% 0% 50% 0% 0%
  沢や尾根に対する修飾語が豊富 100% 100% 50% 50% 50% 0%
 
0%は、そのルートなら言及しても良い項目なのに言及していないものに関してのみ付けた。もちろんルートプランに書いてないからと言って、そのことを全く考えていないわけではないだろうが、少なくとも明示的に書く/書かないということで、その項目に対する意識の大きさを見た。

<分析結果>
1)ルート的には、上級者と初心者の一部が直進。もちろんその質はまったく違う。中級者や年配者は左右から回り込むルートが多い。
2)道に出るまでのことは、上級者と年配者が何も言及していない。MAレベルの人の方がむしろ気にしている。
3)初中級者で歩測のことに触れている人がいない。
4)自分に必要なCP・APは、超初心者以外はそれなりに意識できている。
5)上級者ほどアタックプランが重厚で、様々なことに意識が向いている。

<考察>
上級者とそれ以外の人の最も大きな違いは、地図から得られる客観的情報だけでなく、経験から得られた情報や自分の技術の限度を踏まえた危機管理がプランに反映されている点だろう。これは単にレースを沢山こなせば培えるものではなく、常にそういう意識でレースをすることが必要だ。
ちょうど囲碁・将棋で、終了後にその棋譜を再現できることと似ている。まず自分の手は自分のロジックでベストと思う手を打つのだから容易に再現できる。相手の手も同様に自分のロジックで予測しているから、もしその通りであれば読み筋ということで再現できるし、予想にない手の場合はその驚きが大きいからやはり記憶に残るのだ。オリエンテーリングでも常にイメージ作りをして進むことにより、そういう能力が培われることは間違いない。

以上



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