
播但線寺前駅の元旅館だった建物。5年ほど行っていませんが、現在はラーメン店になっているようです。壁の鏝絵(こてえ)は、年数が経って窪みの部分にわずかに色が残っているだけですが、描かれた当初は鮮やかだったはず。
鏝絵は鏝を使って漆喰で描いた絵で、左官職人が感謝を込めてサービスで描いてくれた場合が多いとか。始まりは江戸後期だそうです。絵のテーマは七福神、松竹梅などのおめでたいものや、この鏝絵のような花鳥風月が中心でした。
以前姫路市のイベントで、壁の漆喰塗をやったことがありました。材料の布海苔のためだと思うのですが、漆喰にとても粘り気があり、気を抜くと鏝が壁に張り付き漆喰がよれてしまいます。平面的な壁でも楽に塗れないのですから、鏝絵を作るのは相当な技術が必要なのでしょう。
2002年5月 兵庫県神河町
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壁の端に描かれた鏝絵。松の幹のごつごつ感がそれらしい。竹に虎同様、松にはおめでたい鶴がつきもので、落語の「つる」に、鶴が「つー」っと飛んできて松の枝に「る」と留まったので鶴と呼ばれるようになったという話があります。ちなみにこの語源は多分ウソです。

これは、同じ建物にあった、壁ではなく持ち送りに描かれた絵。鏝絵ではなさそうな。松竹と来れば必ずや梅も建物のどこかにあるはず。
2003年2月 兵庫県姫路市
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出世を表す鯉の滝登りの鏝絵。水物は火事除けの意味もあるのでしょう。岩の部分は本物の石を混ぜてあってリアルです。鯉の絵の額縁部分は虫籠窓の形なのに、全体は何となく洋風。両サイドは煉瓦のようだし。

この鏝絵は妻壁にありましたが、上と同じ建物なのでこのページに掲載しました。竹が描かれているので当然虎ですが、耳が小さすぎるので珍獣の雰囲気です。その珍獣だか猛獣だかの上で、ツバメが堂々と巣を作っているのが楽しい。巣の守りは任せたということでしょうか。
こちらにも地面の部分に小石が使われていて、虎が溶岩に乗っているように見えます。しかもその溶岩が枠からはみ出しているので迫力が出ていますね。絵心遊び心のある左官職人がおられたんでしょう。
2004年2月 岡山県美咲町