30年くらいは経ってるのではないかと考えられる蓋をいくつか撮ってみました。

姫路市 水道 制水弇(制水弁)
![]()
撮影:2005年10月
縦190、縁まで220。『姫路市水道60年史』には、この戦前タイプの制水弁を開けて漏水調査をする職員さんの写真が載っています。ですがそれは昭和40年代後半の記録で、今となっては古い蓋を探すのは至難の業。公道で見たのは他に1枚だけ。
制水弁は、管の点検や破損事故などの際に水を止める装置で、配水管の起点・終点・分岐点などに設けられています。

姫路市 水道 制水弁
撮影:2005年10月
上と同じマークで横開けタイプ。横開けのマークは、見た限りではすべてこの「下・右上・左上の棒の先が中心に進入していない」タイプでした。戦後間もなく復興した地域に多く見られました。「弁」の右下に「、」が付いてるのも古いような。

姫路市 水道 泥吐弁
撮影:2005年10月
泥吐弁の新しい蓋。中央のマークは姫路市水道局のものです。市章に「水」の字を組み合わせたように見えますね。
このようなデザインの制水弁や仕切弁の蓋が、現在市内のいたるところで見られます。バランスの良いデザインで気に入っています。他都市で見かける水色の蓋にはしないでほしい。イラストにもしないでほしいんですけど。

姫路市 水道 排氣辨(排気弁)
撮影:2005年10月
縦450。「排気弁」という名前が古く旧字なので、昭和30年ごろまでの蓋でしょうか。
姫路市の創設上水道は、昭和2年(1927)3月工事着手、昭和4年(1929)4月18日完成し通水式が行われています。

姫路市 水道 空氣弁(空気弁)
撮影:2005年7月
縦450。上の蓋より新しいのでしょう。昭和30年代か?

水道 排氣弁(排気弁)
撮影:2005年10月
縦195。
下水は上から下に流すのが基本ですが、水道は圧力をかけて送るのでアップダウンも可能です。排気弁(空気弁)は、管に入り込んだ空気を排出するため、管路の凸部に取り付けます。橋の上で排気弁や空気弁を見かけることもあります。また、制水弁の近くにある場合もあります。その制水弁付近が一番高くなっているんでしょうね。

姫路市 止水栓
![]()
撮影:2005年6月
ようやくまともな右横書き止水栓を発見。小さな蓋なのでマークも簡略化されたのでしょうか。上方落語協会のマークのようです。
道路に埋まっている配水管の本管から、それぞれの建物に引き込まれている水道管を給水管といいます。止水栓は給水管の途中にある水を止める装置です。工事や水漏れの場合は止水栓を閉める必要があります。

姫路市 水道消火栓
撮影:2005年10月
350×460、縁まで390×500。戦前の姫路市は少しずつ設備を拡張していたものの空襲に遭い、水道施設の半分を失ったとのことです。
この蓋は林丈二さんも撮影されているタイプです。「道」のしんにょうが、1点多い「辶」になってるので多少古い? 文字の大きさや字体の違い、重量型かどうかで、いくつものバリエーションがあります。消火栓は姫路市消防局の関係なので、マークは市章ですね。

姫路市 水道消火栓 重量型
撮影:2007年11月
マークが水道局になっている珍しい消火栓の蓋。鋳造ミス?

姫路市 量水器![]()
撮影:2009年3月
姫路市の水道は、昭和4年度は業務用以外は放任給水(1か月定額の使い放題)でした。昭和16年度になり、長屋のような共用栓が計量制になりましたが、一般家庭の多くは放任給水のまま終戦を迎え、全戸計量制になるのは昭和30年代前半です。

姫路市 量水器
撮影:2005年10月
マークが古い制水弁と同じなので、いくらかは古い蓋ではないでしょうか。

姫路市 量水器
撮影:2005年10月
大型の量水器には四隅にマークが入ります。が、入っているのはなぜか市章。「量」と「水」に特徴のあるゴシック体。京都や大阪の古い蓋も同じ「水」の字を使っています。
この蓋も林丈二さんが撮影されているものです。余談ですが、『マンホールのふた<日本篇>』で一番驚いた記述は、「姫路駅からジグザグに3時間かけて,国立病院まで」の部分。ちなみに、姫路駅~国立病院前までの最短ルートは約1.7キロなんですけど。

姫路市 量水器
撮影:2005年10月
「水」の字が普通になり、文字が小さくなりました。四隅のマークは水道局のものに変わりましたが、中心の模様が単なる点になっている手抜き版。

姫路市 量水器
撮影:2005年10月
四隅がようやく水道局のマークになりました。パターンも菱格子から斜めの正方形に変わりました。ビルや商業施設でよく見られます。3分割のもありました。最新の大型量水器の蓋は、もう少し太い丸ゴシック体です。

姫路市 下水
撮影:2005年1月
φ680。まだまだあちこちで見られるコンクリート蓋。コンクリート製であるだけに、マークがすり減ったもの、中央部が陥没したものなど、長年の苦労が偲ばれる蓋がたくさんあります。この蓋はマークの向きがずれてますね。コンクリート蓋は、戦中戦後の鉄不足の時代にあちこちで作られていたそうですが、神戸や明石のように、コンクリート製の、新しい汚水枡の蓋を作っている自治体もあります。

姫路市 下水
撮影:2005年6月
穴が独立しているいわゆる「名古屋市型」の蓋。JISよりもこちらの方が好みかな。線が十字に入ったもあり。
参考文献