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大阪府の蓋 工業用水道

大阪府工業用水道

大阪府 工業用水道V

大阪府 工業用水道V
撮影:2014年5月 大阪府堺市

大阪府の工業用水道事業は、昭和34年(1959)4月起工、昭和37年(1962)3月完成、4月より給水を開始しています。当初の給水区域は東大阪市、守口市、門真市、旧堺市でした。その後給水区域は、りんくうタウンのある泉南市まで達しています。

大阪府 工水 V

大阪府 工水 V
撮影:2014年5月 大阪府堺市

大阪瓦斯の蓋のような小蓋。約280。

広域水道 工水A

広域水道 工水A
撮影:2014年5月 大阪府堺市

上下水道のページにも書きましたが、府営水道事業は平成23年(2011)4月1日より、大阪広域水道企業団が継承しています。

大阪臨海工業用水道

大阪臨海 工水 排氣弁

大阪臨海 工水 排氣弁
撮影:2014年4月 大阪府大阪市

旧・大阪臨海工業用水道企業団の蓋。φ550くらい。これは発足初期の昭和30年代後半の蓋でしょう。

大阪臨海 工水 排氣弁アップ

大阪臨海 工水 制水弁

大阪臨海 工水 制水弁
撮影:2014年5月 大阪府大阪市
φ800くらいの大蓋。

昭和35年(1960)10月、大阪南港および堺港に誘致する発電所や重化学工業の工場に用水を供給する目的で、大阪府と大阪市が共同で、大阪臨海工業用水道組合設立。大阪府は堺港地域を担当しました。
翌36年(1961)3月起工、昭和39年(1964)3月に通水式が行われ、4月より堺地区の一部に給水が開始されました。
昭和42年(1967)1月、名称を大阪臨海工業用水道企業団に変更。

大阪臨海 工水 制水弁

大阪臨海 工水 制水弁
撮影:2014年4月 大阪府大阪市
これも大蓋です。

大阪臨海工水は大阪市都島区の桜宮取水場より取水、大阪城の西側や長堀通などを経由し、大阪市西成区の津守浄水場まで導水、ここより住之江公園付近を経由し、関西電力南港火力発電所などに至るルートと、堺市の現在の新日鐵住金(株)和歌山製鐵所堺地区および石津西町に至るルートがありました。

堺港地域は、発足時は八幡製鐵(株)堺製鐵所、のちの新日本製鐵(株)堺製鐵所の需要が大きく、他の工場分も併せて、竣工より4年後には当初の計画どおりの給水となったようです。

大阪南港地域は、当初は、アラビア石油の進出中止もあって需要がなく、堺港地域や大阪市工水に振り替え給水。昭和52年(1977)ごろより給水が始まりました。

大阪臨海 工水 制水弁

大阪臨海 工水 制水弁
撮影:2014年5月 大阪府大阪市
φ180くらいの小蓋。

平成2年(1990)大阪瓦斯(株)堺製造所が撤退。堺港地域の受水事業者は新日鉄のみになります。その新日鉄は、平成に入り高炉と製鋼部門を休止し、合理化を進めてきた関係で水需要が落ち込み、平成11年(1999)4月より契約水量を半減、さらに平成15年(2003)3月完全撤退となりました。当時の報道によると、契約変更・撤退による、新日鉄の支払った補償金は72億5千万円だったそうです。

新日鉄の当初の契約水量は全体の44%でした。同社の撤退によって事業として成り立たなくなり、また、大阪府の担当する堺港地域の受水事業者を失い、複数の地方公共団体によって構成されるという企業団の成立条件を満たさなくなり、平成16年(2004)3月末で解散。水利権や人員、施設は府と市が引き継ぎました。

大阪臨海 工水 空気弁

大阪臨海 工水 空気弁
撮影:2005年11月 大阪府大阪市

今回の調査の発端は大阪城でこの蓋を見つけたことによります。この時城近辺は工事中で迂回路やバリケードも多く、蓋も満足に見られなかったので、2014年出直したところ見つけられませんでした。デザイン蓋が増えたようでしたので、交換されたのでしょう。

大阪臨海の蓋は、企業団がなくなってそれほど時間が経っていないので、ルートが曲がっている部分にはあるだろうと思ったら、これと類似の蓋を3枚ほど見かけたくらいで、意外に苦戦。堺市側では府の蓋がほとんどで、近年、上の方に載せている広域水道の蓋が増えてきました。

大阪臨海工水配管

右が旧・大阪臨海工水の配管。左の緑色は大阪瓦斯のもの。工水が川を渡る部分では、高度成長期の重化学工業を支えた太い配管を目にすることができます。

参考文献

  • 『大阪市工業用水道50年史』 平成17年3月10日 大阪市水道局
  • 『大阪府水道部40年のあゆみ』 平成5年2月10日 大阪府水道部
  • 「工業用水道事業 苦境に」の記事 2003年(平成15年)9月8日 日本経済新聞

(2014年9月29日更新)

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