汚水枡の蓋は自治体の蓋が一般的ですが、京都の市街地では見かけません。うなぎの寝床と言われる間口の狭い町屋。その玄関先に「汚水」などと書かれた蓋を置くのは、都びとの美意識に反するのでしょうか。シンプルな古い蓋が今でも多く使われています。ただ、近年は小さく「おすい」と書かれた塩ビ製のメーカー蓋も増えつつあるようです。

よく見かけた無印の正方形。これくらいなら玄関先にあっても許せるか。他の蓋同様、幅360程度の大きさです。

あまりにもシンプル。

古谷工業所さんの情報によりますと、SUIKYOは(社)京都市公認水道協会で、この蓋は協会が会員用に作ったとのこと。現在では業者は無理に協会に加入しなくても良いそうですが、協会員で指定業者という方が信用があるような気がします。

左京区の昭和企業組合加藤管工所?

こちらの業者もよくわかりません。

既製蓋に「京阪」とかたつむりのマークを付けたように見えます。南区の(株)京阪水道綜合設備か?

いかにも京都のメーカーという名前がいいですね。メッシュパターンの消え方を見ると、既製蓋を加工したのでしょう。「水」の文字が真上に来ているのは意図的でしょうか。烏丸水道で検索しても見つからず。

上京区の(株)浅田水道工業所でしょうか。敷地内の溝の上にあったので雨水か昔の下水の蓋なんでしょう。

河部工業では検索できず。

この菱形の中にfのようなマークの蓋、よく見ますね。正木設備は山科区に(株)正木設備という会社がありますが、電話番号が違うのでどうでしょう。書かれているのが京都の業者なら、電話の市外局番が2桁というのはだいぶ古い蓋ですね。

(株)長谷川鋳工所の○Hマークが入っています。谷口工業が同社の既製蓋を加工したのでしょう。こういう、蓋メーカーのマークと業者の名前の入った蓋がたくさんありました。右京区に(有)谷口水道工業という業者があるのですが、株式会社じゃないし。

こちらも○Hマーク入り。


左の蓋とも大鳥居工業所のもの。この丸蓋はずいぶん小さいですね。150くらいでしょうか。

城口マークがとても良いです。お顔もなかなか。東山区の(株)大阪城口研究所でしょうか。

何枚も見られる中京区の(株)長村組の蓋。O.M.は長村(おさむら)の略と思われます。合名會社とあるので、独立した昭和26年(1951)5月から、株式会社設立の昭和28年3月までの蓋でしょうか。

中央に縦書きで「尺二」と書かれています。一尺は約30.3cm。一寸はその10分の1。一尺二寸だと約36cmです。明治41年創業、下京区の古谷工業所の蓋。ご関係の方より連絡をいただき業者が確定しました。ありがとうございます。

左と同じ古谷工業所の蓋。少し新しくなったようです。下の方にアルファベットの入ったバージョンもあり。
業者名の入った蓋は、このページにあるもの以外にまだまだ種類がありました。

他地域でも見られるメーカー蓋は、京都でもたくさん見られますが、「汚水」と書かれてるのは、町屋の玄関にはほとんど見られません。お客さんが来ると蓋の上に立つことになるので、シンプルなのが好まれてるのかなと勝手に思ってるんですけど。

これも他地域でもよく見られる蓋ですね。取手が壺庭になっていて持ち上げられません。コマッタヨーと言ってます。

かなり古そうな蓋ですね。八寸は約24cmです。尺貫法でサイズが書かれてあるのは京都で初めて見ました。

○廣は鋳造メーカーか、水道業者かよくわかりません。一尺一寸は約33cm。

これも、他地域でも見られるメーカー蓋。36cm。

サイズの書いてある蓋は多いですが、CM(センチメートル)まで書かれているのはめずらしいですね。

□に/で表される「ます記号」の入っている蓋。確かに枡蓋ではあるのですが、蓋にこの記号が入ってるのは初めて見ました。「○○あります」というハリガミみたい。