エンバーミングの詳細
エンバーミングの定義遺体に対し防腐性薬品もしくは消毒液を注入または外部塗布して 遺体の消毒あるいは保存を行い、あるいは病気等により容貌の変容した、もしくは事故等により破損 ・ 切断された遺体の復元のため、皮膚 ・ 形成処置をすること ( 日本遺体衛生保全協会 )。と定義される処置で、日本語では「 遺体衛生保全 」といわれています。簡単に表現すれば遺体に対して消毒、防腐、化粧などの処置を施すことです。 日本では馴染みのない処置ですが、米国や カナダでは約 90 %、ヨーロッパでも英国、北欧では約 70 %、フランスでは 30 %、アジアでもシンガポールでは約 70 %で、 日本では僅か 1.24 % にしか過ぎません。 しかし航空機を利用して遺体を海外から、あるいは海外へ輸送する場合には、航空会社や発送 ・ 受け入れ国から防腐処置証明書と、非感染遺体証明書の添付が要求されるので、 遺体に エンバーミング処置の実施が 義務付けられます 。
エンバーミングを始める時期「 死後なるべく早い時期に、遅くとも 48 時間以内にすることが望ましいと 」 いわれています。その理由は腐敗が進行した場合、腐敗したものを元に戻すことができないからです。どの程度有効か普通では 1 週間ないし 10 日程度の遺体保全に有効とされますが、方法によっては 2 週間以上になることもあります。日本で普及しない理由エンバーミングが日本で普及しない理由についてよく言われることは、欧米が殆ど土葬であるのに対して日本では火葬が主だからというのだがありますが、それは正しくないと思います。火葬でも死後は最低 24 時間の経過を法律で必要とし、多くの場合は 2 日 ( 48 時間)〜 3 日 ( 72 時間 )経過し、夏季では体内の腐敗がかなり進行し、遺族が公衆衛生的危険に晒されます。日本では死後慌ただしく火葬を行うのは遺体の保全に問題があり、腐敗の進行 ( 腐敗臭、皮膚の変化 ) を恐れるからなのです。米国のように エンバーミングが 一般化されれば、死後に慌てて葬儀をすることもなく、十分余裕を持って葬儀の期日設定が可能になります。日本では エンバーミングについて知る人が少なく、従ってする人も少ない。しかも施設が少なく、エンバーマーの数も少なく、例え希望しても葬儀社が遺族の要望に対応できないのが現状です。
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