ルートプラン演習No.6 代表的解答  (>赤字は尾上コメント)
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南の亀裂へ直進。Cヤブは右側を迂回し、再び亀裂へ出る。Cヤブから歩測で深い沢の川へ突き当てる。川かどうか分からないが、等高線からは、かなり深い沢だと判断する。この沢から歩測を開始し、沢の右側を沢に平行して下る。三つある大きいオープンがAP。コンパスをセットし沢を下りポストへ。深い沢と大きいオープンのパラエラーに注意する。
>この溝や沢を使うというのはかなりユニークな発想ですが、地図上で視覚的に際立って見えるほど現地でそれを見付けたりたどることは容易ではないと思います。地図上では、黒い線の道類や溝や植生界などが目に付きますが、現地では慣れれば尾根線、沢線、傾斜変換などの方が確実に分かります。それからアタックポイントとして複数存在するオープンを挙げていますが、一つでも見落としたり、逆に似たようなものを見付けたりするととても混乱しますので要注意です。
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まず北東にのびる尾根の左側をくだりそこから左手に見える北にのびる尾根にのりかえます。わりとのっぺりとした尾根にです。のりかえたら尾根の左手に見えるピークを目指します。レッグ線のちょい←にあるやつです。そこで一度正置をしなおしたほうがいいでしょう。そこから北側にのびるこれまた微妙な尾根をくだるわけですがわかりにくそうですからね、で尾根を下りつつピークを目標点にしつつ、そこからアタックすればいけるでしょう。ここで一番怖いのはパラレルでしょうね。とくにはじめのピークに移るとき失敗しそうな気がする。そこんところはおもいっきりファインでいけばいいとおもいます。
>通りたいところは良く分かりますが、問題は「その通りに進めているかどうかをどうやって確認するか」でしょう。文章の範囲だけで言うと現在位置を点にできるのはピークにたどりついた時だけなので、その途中はどこからどこに向けてコンパスを振るのか、歩測をするとしたらどこからどこまでを歩測するのか、などを決めておくことが曖昧な尾根を進む時などに有効だと思います。また自分で決めたピークはそこを通過することが必須なのかどうか(もし通過できなかったら止まるのか、そのままさらに進むのか)なども気になります。こういう行動指針になることをプランの中で意識しておくことは大事でしょう。
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コントロール方向へいくつかの尾根線までラインをたどることを考える。脱出は左方向へ。ラフに斜面を下っていき、沢底まで落ちたら右へ。
>この大きな沢を使うのは分かりやすくて安全ですね。
平らなところまで沢を一気に下る。
>沢の方向が変わることも意識しておけば完璧でしょう。
ここで地図を見て、コンパスをセット。狙うのはコンタ1本のピークの向こう側の尾根。遠くを見てピークが確認できたら、左を巻くような感じで向こう側の尾根に乗る。尾根の形はコンタ1本で飛び出すような形で描かれている。1cmほどで補助コンピークが見えたら、その向こう左側の小沢に尾根を切るようにアタック!
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このレッグでは尾根を越えて、沢ぎわの道から尾根上にまた乗り換え、その尾根の傾斜変換からアタックしていくはずでしたが、
>大半の人が表現こそ少しずつ違いますが、「どこを通るか」ということに関してはほとんど同じです。やはり「どうやって進むか」ということと「アタック時のイメージ」がどれだけプランの時に「言葉として」意識されているかでしょう。頭では分かっている積もりでいたり、技術の中に組み込まれたものとして扱っている人も多いみたいですが、このあたりに何かヒントがありそうです。
最後のアタックでポスト傍のピークをとらえたのでその向こうという意識だけで、正確な直進をせずピークをまいていたら東にずれてポストがみつかりませんでした。その後も自分が尾根をくだる時に違う方向に来てしまったとか、途中にみたOPが地図上で間違って確認したなどと思い、リロケートしようとしましたが、信じて動いた先にあるはずのものはなく、やはりさっきの場所のはずだと思い、別の場所からアタックしたらありました。実際より大きい沢をイメージしてしまっていたのもつぼった原因ですが、アタックから避けなくてもいい上りを避け方向を曖昧にしてしまったためだったと思います。リロケート中のことは説明が難しいので省略しました。
>机上で地図を見てのプランニングでは、10人中10人がこのピークにさえたどり着けば楽勝と言うでしょう。ということは、このピークであるという確信が100%近い状態ではなかったということになりますね。これはその手前までの確信度も含めて、もろもろの精神状態がそうさせたのでしょう。避けなくてもいい上りを避けて方向を曖昧にしてしまう、これもよくありますよね。トレーニングを積むということは直接的な体力だけでなく、そういう知的活動や精神状態にも影響するので大事なのでしょう。
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2−3のレッグですがその前の1−2でミスをして立ち直れずに更に傷口を広げたものなので、どこを通ったかとか論理的な思考が出来ずにさまよっていました。
プラン:基本的にはまっすぐ。尾根を越えて小道にのって、曲がりのところからまっすぐ。手前にピークがでてくるのでそのピークの向こう側の沢。
実行:コンパスを振ったものの、尾根をなかなか越えられず流されているなあと感じながらも、だらだらと進んでしまう。なんとか尾根を越え、道にでて少し下ったら道の曲がりが見えたので、そこからコンパスと歩測で下る。小道をはずれるとすぐに急な斜面を下ったので、なんか変だなあとうっすらと感じながらもそのまま下って、歩測で止まってもそれらしい地形は見えてこずそこからはどこにいるのかさっぱり見当をつけることが出来ずにうろうろと探し回った。最終的には、地図の西から2本目の磁北線近くの植生界のある尾根(コントロールから西南西の方向)でリロケート。アタック。
私のオリエンテーリングとしてはプランはきちんと立てることが出来、それをちゃんと実行できているときは速いけれど、なんらかのはずみで実行できなくなってしまったときや、プランに背いて動いたとき、パニックを起こしてしまいリカバリー出来なくなってしまう。今回はその前のレッグでミスをして動揺したまま動いていたのでいつも以上に混乱してしまい全く理性的に動けなかった。普段はこんなミスはまずしない。しても1−2程度のミスでおさまるはずが、2−3は完全におかしくなってしまっていた。実行しながら何となく変だなという動物的感が働いている内に止まって確認できなかったのが痛い。こうなってしまったらもうどうしようもない。こうすればミスが防げたとかいうレベルの話ではないから。(プランは出来ているのだからその通りに進めばミスは防げた。でもそうできない状態にまでなってしまっていたから)
>「プランは出来ているのだからその通りに進めばミスは防げた。でもそうできない状態にまでなってしまっていたから」という部分ですが、ここで書かれているプランは「どこを通るか」ということだけで、「どうやって正しくたどるか」ということが言葉になっていないことが分かります。もちろん頭の中にはある(あるいはナビゲーションをしていく上での自分の技術として持っている)のでしょうけど。
ここの場合尾根を越えること,道からはなれて平らな尾根を方向を定めてまっすぐ行くと沢にそのまま落ちていって、更に平らなところが..ということは地図から読みとっていたのですが、実際に尾根を越えるという意識が非常に薄く「越えなきゃ」と思いつつも流されていった原因ですし、ただ道の曲がりということだけとらえてしまっていて、その向こうがどうなっているところを下るのかという意識が非常に薄かった。地図を見て頭にイメージが出来ていても、実際に自分が何に気をつけてどう動くかということまで強く意識しないと、特に精神的に動揺しているときなどは全くうまくいきません。
この点はコーチにも以前よく指摘されました。どう動き、更に現地がどのように展開してくるのかまでイメージすること。調子に乗っているときは無意識に出来るけれど、リズムが崩れたとき大きくミスをするのは、プランの実行という点を無意識の力に頼りすぎていたからかもしれません。
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自分で言うのもなんですが、ほれぼれするエリアです。村越さんが粗くやって、ぼくがひたすら時間をかけ、最後に弘太郎が修正を入れたとても贅沢なエリアなのです。うーん、おいしい。さて当該のルート、あんまりに簡単で、ルートチョイスとしてはさほどないだろうと思ったら、世界のTOP3は三者三様でございました。
通常はレグ線の少し西側をコンパスに従って走り、小径の曲がりと平坦部分を見たら下り始める先端まですすんで、再度ベアリングを合わせて、地形を3秒くらいイメージしたらそのままズドンです。左手から沿って出てくる尾根の先の丘なんて間違いようがない。
この一気の下りは、まだ序盤で多くの選手は地図と自分のプランを信じて大胆なレースを進めるような段階でなく、むしろ地形の単純な部分を見出すより、特徴的な部分をつなごうとしてしまいスピードがあがらなかったり、勘違いを起こしたのでしょう。日本選手が苦しんだのは、正確な地図から正確に利用度の高い情報を抽出する能力がまだまだだからです。
>確かに精度の良い地図だとオリエンテーリングが変わるなと思いました。少しスピードを落とせば全部分かるし、思い切って進んでもリロケートが容易なので、慣れればかなり安心感があります。いつもこういう地図で練習できればレベルアップできそうですね。
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