MORI GATARI
源氏物語 エッセイ WORK 新刊案内

  ・蜻蛉・  
  浮舟が消えた!
消えた、消えた、消えちまった!!
山荘の女房(<にょうぼう>=高級侍女)たちは、突然の浮舟の失踪に慌てまくりますが、匂宮<におうのみや>ととの間に挟まれて悩んでいた姫の様子や、おかしかったここ数日の気配などを知っていた女房2人は、
「これは決意の出奔……。きっと自殺なさったに違いない」
と察しをつけます。そのとーり!
それは浮舟が最後に書いた匂宮と母君への歌からも察せられるのです。
しかし、まさか姫が入水自殺した、などという風聞は立てられませんので、わざと葬儀を急ぎます。
…亡骸<なきがら>がないのを世人に悟られないうちに、早く……。
そうとは知らないくんは、ただ今、石山寺に参籠中。
しかもこの話を人からニュースとして聞く、という始末です。
「もう焼いたあ??オイオイ、どういう事だ!どうしてオレに知らせなかったんだ!!」
……それは言えなかったんだよ〜〜ん。(^-^;)
なんつー忌まわしい土地なんだ。鬼でも住んでんじゃないのか???
愛しい人を次々と亡くすなんて…。
ああ、可愛らしかった浮舟の姿が瞼に浮かぶ。どうしてもっと愛してやらなかったんだろう…。おっ、オレの馬鹿〜〜〜〜!!
そうだ!馬鹿!!
さて、匂宮は後悔どころの話ではありませんでした。
2〜3日は正気も失って、そのまま床についてしまう有様。
「匂宮病気!」
の速報は京を駆け巡り、色んな人がお見舞いに来ます。
寝取られ男・くんとしては、寝取った方に会いに行くのなんて面白くはありませんが、立場上致しかたありません。そ知らぬ顔をして見舞いに参上します。
「けっ。おまえ、内心オレの事を間抜けな男と笑っていたんだろう」と思いつつも、クールにふるまいます。
そんな彼を見て、「浮舟を失ったってのに、この男は何てまあ落ち着いているんだ。つめてーな。ヒドイ話じゃないか」と思う匂宮
全然意志の疎通がない親友2人なのでした。(^^;)
浮舟を思い切れない匂宮は、彼女の女房の1人を召して詳しい事情を聞き出します。
「えっ、自殺!?そ、そんな………!」
も宇治に行って詳しい事情を聞きました。
「自殺!?あの気の弱そうな浮舟が、自殺……!?そ、そんな……。そうか、可哀相なことをした…。それというのも、オレが宇治にほおっておいたのがいけないのだ……」
悔やんでも、もう浮舟は帰りません。
せめてもの供養にと、浮舟の兄弟などを取りたて、家族をいたわってやるなのでした。
さて、浮舟の四十九日も済みまして、早、夏になりました。
くんもいつまでも落ち込んでいるわけではありません。ちょっとそんなご紹介を…。
ある日が六条院をフラフラしている時に、偶然今上の女一の宮<おんないちのみや>を垣間見てしまいました。
匂宮のお姉ちゃんですね。この女一の宮紫の上の可愛がった子なので、六条院に住んでいるのですが、当代一の美女の呼び声高い人なのです。
実はも、女二の宮と結婚する時に、
『どーせなら、女一の宮とだったらヨカッタな』
などと不遜な事を思ったくらい。
幼い頃以来、久しぶりに見た女一の宮は、それはそれは、浮世の人とは思えないくらいの気高い美女でした。
しぇ〜〜!!
翌日、は我が妻女二の宮<おんなにのみや>を見て、
『この方はあの女一の宮の異母妹ではないか…』
と思い、彼女に昨日の女一の宮と同じような格好をさせ、同じような行動をさせて、1人喜んだりなんかします。ヒッヒッヒ。
……アンタって、時々恐いことするよね。(^。^;)
匂宮匂宮で、宮家の姫だったのに、落ちぶれて明石中宮<あかしのちゅうぐう>のもとに女房として出仕してきた、宮の君<みやのきみ>という姫に心を奪われているし、なんだかんだと2人とも復活したようです。
よかったのか、悪かったのか…。
ま、男なんて、そんなもんだ。(^_^;)
 
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