MORI GATARI
源氏物語 エッセイ WORK 新刊案内

  ・宿木・  
  匂宮<におうのみや>に縁談が湧いてくるなら、にも縁談が降ってきます。
それというのも、この2人、結構いいトシなので、もう正妻さん(=北の方)をもらわなアカン頃合なのですね。今の御代では、とにかくこの2人がスターなので、あっちこっちから引っ張りだこ。
そして、に目をつけた中には、なんと今上帝<きんじょうてい>も含まれていました。
は今、娘の女二の宮<おんなにのみや>の処遇に頭を痛めています。
女二の宮のお母さんは藤壺女御<ふじつぼのにょうご>という人だったのですが、姫宮の裳着を目前に控えて、あえなく身罷ってしまいました。後ろ盾である母親をなくしてしまった女二の宮を、何とか幸せにしてあげたいと思う…。
そこで、白羽の矢を立てたのが、というわけです。
は、亡き大君<おおいぎみ>のことが忘れられないので、あまり気が進まないのですが、から直々に「姫をもらってよ」と言われて、断れるような臣下がいる筈もありません。そもそもコイツは計算高いので、「それはそれ、これはこれ」ってな感じで割り切り、アッサリこの話はまとまります。
一方、匂宮の方ですが、は今、中の君に夢中なので、夕霧六の君との縁談は気が進まないのですが、そうも言ってられないのが、親王のツライところ。
血筋ばっかり貴くても、やはり有力貴族の後ろ盾を得なければ、先々立ち行かなくなるのが親王ってもんです。
美女の呼び声高い六の君のことでもありますし、「ま、いっか」と思って、こちらの話もまとまりました。
8月には結婚、という話は二条院の中の君の耳にも入ってきます。
当然大ショック。
『ああ、やはりこんな事になってしまった……』
中の君は今妊娠中ですので、マタニティ・ブルーも手伝ったのでしょうか、の婚礼の後、に「わたし、宇治に帰りたい」と泣きつきます。
ま、わからないでもありません。
は、嫌だ嫌だと言いつつも、会ってみたらやっぱり六の君にひかれてしまって、あっちに行きっぱなしなんですもん。
驚くのはです。ただでさえ、こないだから中の君が慕わしくてたまらなかったくん、そんな事を言われたら、グラグラ来ちゃいます。
あ、グラグラ。(@@)
勢いで御簾(<みす>=すだれ)の中に入り込み、中の君に迫る。つのりにつのってきた熱い想いをせつせつと訴えます。
「亡き人のお許しもあった私達じゃないですか……」
図々しくも中の君に添い伏すです。が、そこまで。
見れば中の君は腹帯をしているではありませんか。
『そうか…。懐妊なさっておいでなのか……』
Stop くん。がくっ。(^^;)
が帰った後も、心が乱れに乱れる中の君ですが、そこに折悪しく、久々に匂宮が帰ってきました。
さり気なくしている中の君ですが、体からの移り香がたってしまい、に疑われてしまいます。
くせーんだよ、!!(^。^;)
こうなると心配で心配で、匂宮中の君の元を離れられません。
うーん、怪我の功名??
しかし、その後も匂宮のスキを見て、何だかんだと中の君に迫ります。
困った中の君は、一計を案じました。
実は、中の君には、最近になって異母姉妹がいる事が発覚したのです。
宇治の八の宮が、北の方亡き後、寂しさのまぎれに女房(<にょうぼう>=高級侍女)に手をつけ、生ませた子がいたのです。ただ、は認知しませんでしたので、母親が再婚先で育てていました。その母親が、中の君を先般頼ってきたのです。
見ればまあ、不思議にも亡き大君にそっくりな妹ではありませんか。
そうだ、あの妹を薫の君にお薦めしよう……。
その事を告げられたは、
「えっっっ!大君にソックリの娘!?」
と心が動きますが、まさか迫っている相手を目の前にイキナリ鞍替えするわけにもいきませんので、その件はしばらく様子見。ほりゅー。
そんなこんなで年も明け、2月に入り、中の君は無事男の子を出産しました。
中宮主上<うえ>からもお祝いの品々が届き、匂宮の第一子の母として、中の君の地位は、どうやらそれなりに安泰の方向に向かいそうです。
この月の20日過ぎに、もとうとう女二の宮と結婚することになりました。
女二の宮はこの時16歳。は26歳です。
は残念ながら、彼女には心を動かされませんでした。
形ばかりは大切にしますが、中の君に向かって、
「別に好きで結婚したわけじゃないしー」
とほざく始末。(^-^;)
結ばれないまま大君をなくしたせいでしょうか、の心はどうにもこうにも宇治の姉妹から離れられないのです。
そんなが4月に宇治の山荘に行った時(たまに様子を見に行ってます)、噂の大君にそっくりの娘と行きあいました。
コッソリ覗くと、まああああ!本当に亡き大君にウリ二つではないですか!
「ああ、あなたは生きていらしたのですね……!」
くん、感・無・量!!
だーーーーっ。(T_T) ←涙の流れる音
この姫のことを、俗に浮舟<うきふね>ちゃんと呼ぶのデ〜ス♪
 
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