MORI GATARI
源氏物語 エッセイ WORK 新刊案内

  ・柏木・  
  年が明けました。
容態が悪化する一方の柏木を尻目に、女三の宮<おんなさんのみや>は無事に男の子を産みおとします。
が、源氏は間男<まおとこ>の種のガキんちょなんて、見たくもありません。
そんな源氏の様子や冷たい態度が、愚鈍なの心にもさすがに影を落としたのでしょう、
「出家したい」
と言い出しました。
源氏は、『へぇ〜え。そう。それもいっかもねー』と思いつつ、いちお、止めました。…ちょっともったいない気もするしさ。
一方、「産後も病がち」との噂を聞いた朱雀院<すざくいん>は、もういても立ってもいられなくなって、夜の闇にまぎれて、コッソリとお忍びで六条院にやって来ました。
女三の宮はこれがチャンスとばかりに、
「お父様の手で出家させて下さい!」
と涙ながらにすがりつきます。驚く朱雀院
そうか、噂通り、不幸だったのか。かわいい我が姫よ…。(;_;)
「それほど言うのなら」と戒<かい>を授けようとする朱雀院
あわてるのは源氏です。
とられるとなると、惜しい気がするもんです。あたら若く美しい盛りのを失うのは、やっぱりもったいない…!
「ままま、まって下さいッ」
待ってあげない。ジャキ!←髪を切る音
ヒエ〜〜〜〜!(@0@)
と、そこに現れる六条御息所<ろくじょうのみやすどころ>の物の怪!
「やった!やった!とうとう尼にしてやった!!さ、そろそろ帰ろっかな〜〜」
まっ、まだいたの!?はよ帰れ!!(^_^;)
「宮出家!」の報は病床の柏木のもとへも素早く伝わります。
ガーーーン!
より一層生きる気力をなくしてしまう柏木…。
しかし、いよいよ「死ぬかも」と覚悟した時に、会いたいと心に浮かんだのは、やっぱり可愛い我が妻でした。
「落葉の宮」なんてとんでもないアダ名をつけた妻・女二の宮<おんなにのみや>でしたが、こんなに短い縁ならば、もっと愛しんでおくのでした。
落葉の宮のいる一条の邸と柏木のいる二条の邸、距離は近けれど二度と再び生きて会う事はかないません。(……なんでって、そりゃ、障壁があんのよ。色々)
「わたくし亡き後、妻の事をよろしく頼む」
と誰彼なく頼みまくる柏木
見舞いに来てくれた往年の親友・夕霧にも勿論頼みこみます。
頼みはそれだけじゃーありません。
「実はわたしは六条の院のお怒りを、ふとした事から買ってしまったんだ。それが心残りで…。のあの冷たいおん眼差しが忘れられない……。君、わたしが死んだ後にでも、よしなにとりなしてくれないか」
そんな言葉を残して、柏木は寒い冬空の下、寂しく死んで行きました…。時に32〜33歳。権大納言<ごんだいなごん>をおくられての死出の旅でした。さいなら〜〜。(;_;)/~~~
さて、奇妙な遺言をされて、気になるのは夕霧くんです。
もしや、柏木はあれほど思いつめていた恋心をどうこうする事があったのではないだろうか…?思えばが急に出家をされたのも変な話だし……。
スルドイね。やっぱり君は頭がいいよ。ま、それぐらいしか取柄ないし?
律儀モノ、という取柄も持つ彼は、マメマメしく一条の落葉の宮のもとを見舞いに訪れます。
夫を亡くして嘆きに沈む未亡人、といのは、意味もなく色っぽいものです。
最初は柏木の遺言を果たそうと、親切心からはじまった夕霧の一条参りでしたが、何だかおかしな雲行きになって行きそうです……。
 
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