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| ・行幸・ | ||
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早、12月です。 この月、帝が大原野まで鷹狩に行く、というイベントがありました。帝が遠出をするというのは、一大事です。当然みんなお供について行くのでちょっとしたパレードになります。 パレードがあると人が寄ってくるのは世の常で、六条院の女君たちも牛車に乗り込んで行列見物としゃれこみました。 当然玉鬘<たまかずら>も出かけます。当代のかぐや姫状態の玉鬘にとっては、自分に言い寄っている求婚者たちを一望できるチャンスでもあります。 何と言っても源氏にウリ二つな上に、高貴さただよう若い帝が一番イケてます!ヒゲづらで色黒の右大将なんてお話にもなりません。 おお、嫌だ!ブルブルッ! 今んとこ、蛍兵部卿宮<ほたるひょうぶきょうのみや>(あの蛍の一件にちなんで、そう呼ばれている)と、この髭黒の右大将<ひげくろのうだいしょう>がムコの最有力候補です。なんでかって?そりゃ〜、身分のつりあいさっ! 実は玉鬘ちゃん、最近源氏から「御所に尚侍<ないしのかみ>として宮仕えに出てみな〜い?」と言われていました。『とんでもない!』と思っていたものの、美しい帝を拝して、ちょいと心が動いてきました。エヘ。(*^_^*) 尚侍ってのはあの朧月夜<おぼろづきよ>ちゃんと一緒の役職です。前にも触れましたが、内侍司<ないしづかさ>の長官でキャリアウーマンのトップの座です。定員は二名。 一人はたたき上げのオバちゃんがなってビシバシ仕事をこなし、もう一人には「女御<にょうご>として入内させるにはちょいと問題がある高貴な女性」が就任し、実質愛妃の一人として遇されたりします。その辺はケースバイケースです。 さて朧月夜ちゃんは尚侍のまま朱雀院<すざくいん>にくっついて院の御所に行ってしまい、現在宮中には一人も尚侍がいません。 そこで帝御自身から玉鬘ちゃんにお声がかかったのですが、なにせ尚侍ってのは愛妃にもなりうるし、キャリアウーマンにもなりうるし、ビミョーな役職なのです。 源氏の養女・秋好中宮<あきこのむのちゅうぐう>も、実の父内大臣の娘・弘徽殿女御<こきでんのにょうご>も今上(<きんじょう>=今の帝)の奥さんです。 そんなところに、同じく源氏の養女で内大臣の娘の自分が愛妃として後宮に入ったら、ちょっと穏やかでない事態になってしまいます。 『……でも、キャリアウーマンとしてなら、いっかもぉ〜…』と玉鬘ちゃんは思い始めたのでした。(=^_^=) まあ、婿をとるにせよ、出仕するにせよ、まずは女子の成人式・裳着<もぎ>をすませなければなりません。そーです、田舎をさすらっていた玉鬘ちゃんは22歳にもなるのに、まだやってなかったのです!(普通14、5歳頃までには済ます) 源氏はこの機会に実の父・内大臣に事情を打ち明けることにしました。 明けて2月、源氏は三条の大宮(夕霧のおばあちゃん=源氏の義理の母、内大臣の実の母)のもとで久々に往年の親友・内大臣と対面し、「玉鬘は実はかの常夏の女(=夕顔)の忘れ形見でアンタの実の娘なんだよ〜ん」と告白します。 てなわけで内大臣は裳着の式ではじめて我が娘と「ごたいめ〜ん」しました。 『うーん、でも、もしかしてもう源氏の君のテがついてんじゃないのかね。ま、太政大臣<だいじょうだいじん>の奥さんなら、いっか…。御所に愛妃として上がられるよりはね〜。弘徽殿ちゃんと姉妹で帝の寵を競うってのは何だしね〜。……どっちにしろ、育ての親の意向に従うしかないけどさ…』 内大臣は内心複雑です。(ーー;) さて、自然世間様にもそんな事情は漏れ伝わりました。 夕霧は「そっかぁ〜、だからあんなにあの二人はイチャイチャしてたわけね…」と納得です。対して内大臣家の子息たちは「ゲゲッ!実のねーちゃんに言い寄ってたのか」と赤面モノ。 さてさて、玉鬘ちゃん、これから先どうなって行くのでしょう…。 |
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