MORI GATARI
源氏物語 エッセイ WORK 新刊案内

  ・胡蝶・  
  春爛漫!です。
以前、秋深かりし頃に、「どうダ!今は紅葉が綺麗だよ。アタシんとこの紅葉はこんなにスゴイのよ!」と秋好中宮<あきこのむちゅうぐう>に自慢された紫の上は仕返し♪をしてあげることにしました。
紫の上の春の御殿と、秋好の秋の御殿とは、池でつながっているのですが、そこに舟を渡すことにしたのです。龍頭鷁首<りゅうとうげきしゅ>の超豪華な舟で、秋好方の女房を「日帰り・春の御殿観光ツアー」にご案内♪てなわけです。
春の御殿の素晴らしさを見せつけて、「どうダ!参ったか!!」
う〜〜ん、参った!(笑)
本当は中宮自身で「日帰りツアー」に行きたいとこですが、いっくら同じ院内とは言え、帝の后ともあろうお方が軽々しく舟に乗るなんてことは、できません。
…あ、ちなみにこの春秋合戦を、本気でバチバチやりあってると思わないで下さい。あくまで雅びな遊び心♪でやってるのです。
さて、世間様では、「源氏の大臣<げんじのおとど>が姫君をお引取りになった」てな噂が広まり、玉鬘<たまかずら>のもとには、ラブレターがびしばし集まってくるようになりました。
源氏と仲のいい弟・兵部卿宮<ひょうぶきょうのみや>や、真面目一本やりの無骨な既婚男・ヒゲ黒の右大将、果ては、玉鬘の実の弟・柏木の中将までが「好きだあ!」と送ってくる始末です。
おとーと…。う〜ん、そりゃマズイだろ。(-_-;)
でも、しようがありません。イジワル源氏が実のパパ・内大臣玉鬘のことをまだ教えてあげていないので、世間様では玉鬘のことを源氏の実の娘だと思っているのです。
…しかし、誰が一番玉鬘にイカれてるって、実は源氏本人なのでした。
シゲシゲと玉鬘のいる、夏の御殿の西の対に通っては、それとなくほのめかしてみせるのですが、世間知らずの玉鬘には、サッパリ通じません。
あら。(^-^;)
で、ある時、とうとう玉鬘の手を握って、
「キミは、昔恋した夕顔にそっくりだ!ああ、我慢できない!」
と、こうやってしまいました。
これがセクハラおやじでなくって、なんなんだ?
もう玉鬘は驚くやら気味が悪いやら、動転してわけがわかりません。
「どうしてそんなに嫌がるんだい?ああ、このことはね、誰にも言っちゃダメだよ…。いいじゃないか、今までの父の愛♪にもう一つ別の愛が加わるんだ!」
そんな父親がいるもんかい!!(^。^;)
源氏はどんどん我慢がきかなくなり、しまいには着物を脱いで玉鬘の横に寝転がる始末です。おいおい!
…どこまで脱いだのかよくわかんないけど、上着だけだと思っておきたい。(- -;)
サイテー!このエロおやじ!!
…と玉鬘が思ったかどうかは定かでありませんが、とにかく恥かしいやら情けないやら、涙がボロボロこぼれます。
源氏はさすがにヤバかったかな、と気づき、今日はこの辺でやめとくことにして帰りました。
さーーー、その後も玉鬘は大パニックです。
なんたって、田舎育ちの玉鬘は、世間知らずで、男女のことなど何も知らないのです。
玉鬘は「ああ、取り返しのつかないことを…!」と身も世もなく嘆きます。…まあ、要するに、わりない仲になっちまった、と思いこんでしまったわけです。
いっけどね。玉鬘はもう22歳。当時だったら、子供の 二人や三人いても、ちっともおかしくない年齢なんですけど。
さてさてこの二人、一体どうなりますことやら…。
 
Back<<<   >>>Next



Copyright Ritsuko Mochinaga. All rights reserved.