MORI GATARI
源氏物語 エッセイ WORK 新刊案内

  ・玉鬘・  
  みなさん、夕顔のことは覚えてますか?
最初の頃に、物の怪に取り殺されちゃった、あの人です。
彼女には、頭中将<とうのちゅうじょう>との間に女の子がいました。あの後、あの子(当時3歳)はどうなったのでしょう?
こっから先は、その女の子、玉鬘<たまかずら>こと藤原瑠璃<ふじわらのるり>ちゃんのお話デ〜ス。
※玉鬘は、本名の記されている数少ない人物(ただし、本名ではないとの説もアリ)。他に本名の知れている人物は藤原惟光や源良清くらい。
話を往時に戻しまして、突然女主人・夕顔が行方不明になった五条の家には、幼い姫と乳母はじめ女房(<にょうぼう>=高級侍女)たちが取り残されてしまいました。
翌年には、乳母がダンナの転勤で筑紫(九州、福岡)に赴任することになり、しょうがないので、姫も連れて行くことにします。
一同は、姫を夕顔の代わりの主人とこころえ、「いつかは姫を都へお連れしなければ…」と念じながら育てます。
…だったら、最初から連れて行くなよ…。
大そう美しく成長した玉鬘の噂は土地で評判となり、土豪の権力者、大夫の監<たいふのげん>という馬鹿まる出しのとんでもない田舎者に結婚を強要されます。
「オラの嫁っこになってケロ。なぬ?体に不自由がある?ンなこたかまわね。目がつぶれてよーと、足がつぶれてよーと、大丈夫だぁ。なんたって、こん国の神サンは、みなオラの味方だすてよ。ふわっはっはっ!!」  (注:こんなナマリはない ^_^;)
結婚の日取りまで決められちゃって、「もうダメだーーーっっ!」というところで乳母以下で逃避行を企て、海路、京へ向かいます。
ああっ、ゲンの馬鹿が追っかけてきたら、どうしよう!!
ハラハラ!ドキドキ!!
全然大丈夫でした!
どーにかこーにか京にたどり着き、知り合いの九条あたりの家に落ち着いたものの、今では内大臣になっている姫の父親のとこに行って、突然「ムスメなのっっ!」とやるわけにもいきません。
仕方がないので、神頼みをします。
…もっと建設的になろうよ…。
しかし、神頼みの効果は早速あらわれます。…物語だからね。
初瀬の観音様(長谷寺)へお参りに行って泊った宿で、偶然にも右近<うこん>と相部屋になったのでした。
右近夕顔と一緒に行方不明になってしまっていた女房です。
Oh!アナタはあの右近さん!何て偶然…!
そーよ。都合よすぎんのよ。
えー、右近は、源氏夕顔を連れ出す時に 一人だけついて行き、夕顔亡き後はそのまま源氏に仕えていたのでした。…知らせろよ、オイ。
しかしその後、玉鬘のことを心配しつづけ、度々この長谷寺に詣でて願文を奉っていたのです。
右近は、既に夕顔が亡き人となっていること、最後に一緒にいたのはあの光源氏であったことなどを語ります。そして、長年源氏玉鬘を探していたことも…。
京に戻り、とりあえず玉鬘一行は九条の家へ、右近は六条院へ。
そして右近は、早速源氏に報告です!
「へえ!そう!……んで、美人だった?」
……アンタって人は、いくつになっても。。。(-_-;)
でも、玉鬘は確かにすごい美人でした。亡き夕顔をしのぎます。残念ながら、紫の上にはかないそうもありませんが…。(それじゃないと、ヒロインの立場がないでしょ)
源氏は早速姫を引き取る手筈を整えます。表向きは、「実の娘を発見した」ってことにして、花散里の夏の御殿に預けることにしました。
玉鬘サイドとしては、ンなことよりも、実の父・内大臣に渡りをつけたいのですが、こうなってしまってはしょうがないので、とりあえず源氏の太政大臣<だいじょうだいじん>のもとに身を寄せることにしました。
思えば、筑紫を出たのが4月、長谷寺へ詣でたのが9月、そして10月には源氏の大臣<げんじのおとど>の六条院入りです。
嗚呼、玉鬘ちゃんのジェットコースター人生…。いやそれが、この後もジェットコースターなんだ…。頑張れ玉鬘
あ、ちなみに玉鬘はもう21歳になってます。
玉鬘を見た源氏は、その美しさ、鄙びたところのない様子に大満足です。
「おお、我がムスメよ!」てな感じでスッカリその気。
そんなこんなで、その年も暮れようとしていました。
六条院では、お正月の準備に大忙しです。
源氏も、ハーレムの男主人として、女 君に与える衣装を点検します。
パッと華やかな器量の玉鬘には、赤に山吹色の衣装を選びます。
明石の君には、白と紫。
これを見て紫の上は内心、ムカッ。
「紫」ってのは高貴な色なのです。
他のどの衣装よりも高貴なものを明石の方に選ぶなんて…!
キイーーッ!
紫の上は、明石の君にだけは、異常に嫉妬をします。花散里や何かと違って、源氏が特別に想ってるのがわかるんでしょうね。
さて、ここで源氏末摘花空蝉にも衣装を選んでます。
そうです、いつの間にやらこの二人は源氏に引き取られて、二条の東の院<ひんがしのいん>に住まわっているのでした。
こうして、源氏35歳の年も暮れて行きます。
来年は、どんな年でしょうかね。
この玉鬘ちゃんシリーズは暫くつづきま〜〜す♪
 
Back<<<   >>>Next



Copyright Ritsuko Mochinaga. All rights reserved.