MORI GATARI
源氏物語 エッセイ WORK 新刊案内

  ・明石・  
  さて、どうにかこうにかアバラ屋(うそ。本当は結構風情がある)に帰ってきた一同ですが、相変わらず嵐はやみません。ゴウゴウ。
京でもこの嵐は吹き荒れ、大変なことになってます。ゴゴウゴウ。
そのままの状態で数日が過ぎ、皆が右往左往しているとこに、今度は屋敷に雷が落ちます。どーん。もう世紀末です。
源氏の部屋近くが焼けちゃったので、仕方がないから台所に移ります。
いやあ、天下の光源氏も落ちたもんですねえ。都落ちした挙句にメシ炊き場かあ。あわれ、あわれ。。。
しかし、ま、とどのつまりは気象現象なので、そのうちやみました。
ホッとしていると、何やらあっちの方から小船がビューーンと近づいてきます。
この船に坊主が乗っていて、突然やってきた挙句に「夢のお告げでやってきました」かなんか怪しいことをぬかすんですよ。
勿論、そんなヤツは門前払い…と思いきや、実は源氏にも心当たりがあります。
今は亡き桐壺院源氏の夢枕に立ち「住吉の神(=海神)のお導きのままに、サッサと船でこの浦を去れ」とのたまわったばかりなのです。
即断即決、源氏は「あなたの住む明石に行きますッ!」と言って、そのままその船に乗って明石に引っ越しちゃいました。
コラコラ、たやすく人を信用するでないぞ。
さて、この坊さんのこと、覚えてます?実は一回ウワサ話で出てきてるのですよね。
若紫」で源氏の従者、良清<よしきよ>が「明石にかわったジジイがいてぇ、娘に『玉の輿に乗れないなら、海に身を投げて死んじゃえ』とか言ってん ですってー。あはは」と言っていた、あのジジイです。
実はこの明石の入道(<あかしのにゅうどう>、入道=坊主、ちなみにもう60歳)、源氏がご近所の須磨に来たってのを聞いたときから、「きたーー!これこそ玉の輿のチャーーンス!」と舞いあがっていたのでした。
そしてそこに夢のお告げがあったのです。もう行くっきゃないでしょ。
…しかし、あれは思い起こせば9年前のウワサ。その頃既に嫁入り話が出ているような娘だったら、ひょっとして今ごろはもう…オバサン!?
…が、ナゼ〜かこの娘は紫の上よりも1つ2つ年下。現在ぴちぴちの18歳。
……ま、『源氏』を読むのに、細かいとこ気にしちゃイカンよ。うん。
さてさて、明石に着いた源氏ですが、明石の入道は金持ちなので、その邸で面白おかしく遊び暮らします。
明石の入道は、もう、娘のことを売りこむのに必死です。…アンタ、煩悩の固まりだね?
源氏はいちお、「でもなー、紫の上に悪いしなー」と思って、しらんぷりのポーズを取ってます。
しかーし、内心興味バリバリ。
だって、この男がもう1年も女っ気ナシですよ! 1年!そろそろ限界でしょ。
……限界でした。
いや、まあ、明石に来てからも、5ヶ月ばかりは我慢してみたんだけどね。ウン。えらいでしょ?はは。。。
しかも逢ってみたら、明石の君<あかしのきみ>は身分が低いくせに、かの六条御息所<ろくじょうのみやすどころ>を思わせる気高さがあり、なかなかどうしてイイ女です。
ううーん。ボクちん、まいっちゃったナァ〜。高貴な感じの女に弱いんだよナァ〜。えへ。
一方、京。
御所<ごしょ>では色々穏やかならぬことが続発してます。あの嵐もそうです。
そしてこの時代は、ナゼか天変地異も「帝の不徳の致すところ」にされてしまいます。
おまけに源氏の夢枕ばかりではなく、こっちにも桐壺院の幽霊はやってきていて、「よくも源氏を追い落としたなぁ〜〜」とばかり、朱雀帝<すざくてい>をキッッ!と睨みつけたのです。
そしたら何と、は眼の病気になっちゃったんですね。(アンタは気が弱すぎ!)
あと、弘徽殿大后<こきでんのおおきさき>も病気になっちゃいますし、そのパパの太政大臣(<だいじょうだいじん>=前の右大臣)に至っては死んじゃいました。いえ、別にこの人たちは桐壺院に睨まれたわけじゃないんですけど。
弱気になった朱雀帝は、とうとう源氏の罪を許して、「都に帰ってくるように」とのお沙汰を出します!
いやったぁ!
ああっ、長い道のりだった!!くく〜〜ッッ!
源氏、28歳、7月の出来事です。須磨隠棲から実に2年半ほどが経っています。
これでやっと、凱旋帰京(?)です!
おおMy Lover紫の上!!待っていてくれーー!今帰るよおおおおん!!
しかし離れるとなると明石の君への愛情も燃え上がります。ゴウー。
毎晩通っちゃうもんねえ。だあって、それは、それ、これはこれじゃん?明石の君は、妊娠しているし、こっちも大事な人なんダ!
源氏は「必ず必ず、キミを京に迎えるからね。このまま捨てるなんてことはないからね。ボクを信じていてね!」と固く約束します。
8月、源氏は晴れて京の都に復活し、愛しい紫の上にも再会、官職も権大納言<ごんのだいなごん>という前よりも高い位を得たのでした。
あー、めでたし、めでたし。
「源氏流浪の民の巻」は、これにて終了です。
ま、キミにはいい経験だったやあね!!はっはっは!
 
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