MORI GATARI
源氏物語 エッセイ WORK 新刊案内

  ・若紫・  
  年が明けて、3月(今の4月)になりました。源氏も18歳です。
※ご存知でしょーが、数え歳は生まれた時が1歳で、新年と共にみんなで一斉に歳をとります。ので、満では16歳でしょう。
病気療養に、北山とうい所にお忍びで来た源氏は、お泊りつきの遠出なんかしたことないので、ウキウキしちゃいます。
季節はちょうど桜の頃、美しく霞がたなびいちゃったりなんかして、もう源氏はウットリ。
「うわー、絵みたいだなあ」と言うと、身分の重い源氏と違って気軽にあちこちいける従者たちは「こんなん、まだまだ。はっはっは」と馬鹿にします。ムカ。(-_-メ)
中でも、良清<よしきよ>という従者が、
「ボクのパパの任国の明石の浦は、そりゃー綺麗でっせぇ。また、美人と評判の女がいるんですよ。でもそいつの親父が『玉の輿に乗れないんなら、海に入って死んじゃえ』とか言ってんですってさ。あはは」
てな話をします。
単なる噂話なんですが、後にこの娘と源氏がデキちゃうことになるので、重要です。
さて、近所に源氏の知り合いの坊さんが住んでる家があったのですが、何やら女がウロウロしている。何だ?と思って見に行ってみると(普通坊さんは男住まい)、妹の尼さんとその女房たちでした。なおも覗き込んでいると、カワイイ女の子がたーーっと走ってきて、「雀が逃げたぁ!せっかく飼ってたのにぃ」とカワイイ顔で泣きベソかいてます。
う〜〜んPretty!
Prettyどこの話じゃありません。よく見てみると、なんと、ななんと、あの、アコガレ〜の藤壺の宮にそっくりではありませんか!話を聞いていれば、どうやら、この尼さんの孫だけど両親はいないらしい。
「それならオレが引き取りてえ」と源氏は思います。
※この時、彼女は10歳前後。(ハッキリわからない)
坊さんとは知り合いの仲なので、挨拶に行きまして、ついでのようにしてあの女の子のことも聞いてみました。そしたらなんと、彼女は藤壺の宮のお兄ちゃん、兵部卿宮<ひょうぶきょうのみや>の娘だったんですね。つまり、藤壺の宮の姪。ナルホド、似ている筈だ。母親も故大納言の娘。決して卑しい身分ではありません。
「夢のお告げがあったのです!どうかわたしにそのお嬢さんを下さい。勿論将来の結婚を前提として!!」かなんか出し抜けに言いますが、そんなアヤシイ突飛な申し出は、とーぜん断られます。
「夢ぇ?またまたぁ。ははは。アンタなんか勘違いしてんじゃないの?まだガキんちょなんだよ?まあー、年頃になったらネ」てな感じで。
しゅん。
とりあえず大人しく引き下がって、源氏は都へ帰ります。
でも諦めません。源氏はシツコイたちなのです。
さて、久々に奥さんの葵の上のとこに行った源氏ですが、病気の具合も聞いてくれないし、ツーンとすましてます。まったくやりきれません。間が持てないじゃんかよう。
「あのねえ、たまにはこう、夫婦らしく打ち解けようって気になんない?オレだって、やりきれねーよ」と文句を言って、源氏はさっさと一人で寝所に行っちゃいます。
ここですぐにこっち来て、そっと横に寝てくれればカワイイものを、葵の上はなかなか来ません。
もう、ため息、です。
引き換え、あの女の子の何と可愛かったことか。なんとしてでも引き取りたい。
源氏惟光<これみつ>を使いに出したりして、せっせと申し込みをします。…10歳ですよ、10歳。実質は8歳か9歳。小学校3年生じゃありませんか。いっくら藤壺の宮に似てるからって言って、立派なロリコンですよねえ。
さて、そのご本体の藤壺の宮ですが、病気になったので実家の三条邸に宿下がりしてます。何と源氏はそこへ忍んで行って、と契りを交わしちゃうのですが、問題は、これが二度目!だということなのです。
つまり、とっくのとーにこの二人はデキてたんですねー。最初がいつかはわかりません。
そして、何と!この時に藤壺の宮は妊娠してしまいます。あーあ。
えー、ちなみにこの頃はもう夏ですね。
対外的には勿論、桐壺帝の子ってことになってますが、身の回りのお世話をする乳兄弟の弁<べん>や、源氏の手引きもした王命婦<おうのみょうぶ>はお風呂の世話とかもするんで、帝の子でないことはわかっちゃいます。
さて、女の子の話に戻りますが、おばあちゃんの尼さんが、病にかかって、そのうちに死んじゃいます。
さあ、とうとう彼女は天涯孤独の身です。いえ、パパ(兵部卿宮)はいるんですけどね。
兵部卿宮は今まで娘のことを放ったらかしといたのですが、とうとう彼女を引き取ることになりました。
なんで放っといたのかと言うと、その昔、の本妻さんが女の子のママ・故大納言の娘をイジめたので、ママはびびって死んじゃったんですね。そんな本妻さんのいるところには、もなかなか引き取りづらかったのです。この本妻さんは、この後も悪玉として活躍します。
女の子は京に戻ってきていて、取り合えず乳母<めのと>とかが世話しています。
源氏はそこへ、「に引き取られるなら、オレにくれ!」と言いに出かけて行きます。
雷がゴロゴロ鳴ったりしているのをいいことに、女の子をムリヤリ帳台(<ちょうだい>=ベッド)の中に引き込んで、抱き寄せたりしてます。おいおい。
乳母の少納言は、中が見えないので、気が気じゃありませんが、いっくらロリコン源氏でも、さすがに無体なことはしません。
その時はそのまま帰りますが、後日、「明日が引き取っちゃう」というニュースを聞き、あわてて彼女の家に駆けつけ、そのまま二条院に連れて行っちゃいます。
翌日はボーゼン、突然娘が乳母と共にコツゼンと消えちゃったのですから。召使たちも、「源氏が連れてった」ってのは、黙ってました。だって、源氏に口止めされたし、に叱られたら嫌じゃん?
さて、最初は恐がっていた女の子ですが、そのうちに慣れて、源氏が宮中から帰ってくると真っ先に出迎えに行って付きまとい、夜は源氏の懐に抱かれながら眠るようになります。
ん〜〜、かわいいですね。
彼女は、藤の花の色(藤壺の宮いろ)にあやかって、「紫の君」と呼ばれるようになるのデ〜ス。
 
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