2001.11.28

アフガニスタン-混沌のはじまり-人々を信じて

ドスタム将軍派によるマザリシャリフの陥落、カブールへの北部同盟の侵攻、クンドゥズの陥落と次々と
アフガニスタンの状況は変化している。タリバンは、どこからの支援も受けられず、どんどん追い詰められて
いる。 いっけん、アメリカ軍の圧倒的勝利に見える。
でも、この状況ってなんなのだろうって思う。特に、マザリシャリフを占領したのがもともとマザリを拠点に
していたドスタム将軍だけど、この人って一番野蛮そうな人だ。 ソ連軍についてその後ムジャヒディンに
寝返って、タリバンについてまたまたすぐに北部同盟に寝返った。裏切りというか自分の利益優先。
その上、捕虜を戦車でひき殺すという処刑を行って楽しんだという人物。マザリシャリフ、クンドゥズで捕虜に
対してどういうことが行われるのか恐ろしい。

数日前、マザリシャリフの捕虜達が銃を奪って反乱を起こし全員射殺されたというのを聞いた時、これは
もう仕組まれた虐殺だと思った。
カブールでも、多数派パシュトン人たちは北部同盟各派からの迫害を恐れ、カブールから脱出している。
ジャララバードは、混乱の中で略奪が横行しているということだ。 NGO、ユニセフなども襲われていると
いうことが報告されている。
ペシャワール会も車輌を略奪され、倉庫からも物資を盗まれたそうだが、地元有力者と交渉してなんとか
守っているそうだ。 テレビでは混乱はみせられない。 音楽が聞けても、映画が見られても今日の生活が
確実なものでないと意味がない。 なにを浮かれて報道しているのか?ジャーナリストには、かって戦争の
内実を暴いてみせようと真実を追った記者魂はないのか。 態勢翼賛で金太郎飴報道。くさったジャーナリ
ズム。

アフガニスタンで悪性マラリア、ポリオが発生してきているそうです。 早急に対応が迫られています。

どんな政権が生まれようと、毎日の生活を確実、平穏に保証してくれるものでなくては、難民はなくならな
いでしょう。生活の場が保証されれば、人々は自ら村を建て直していけるはずです。

アフガニスタンの人々になにかをしてあげるのではなく、彼らが必要としていることを少しでも手伝うという
スタンスがいると思います。外からの押し付けや、かわいそうにという傲慢な姿勢はきっと彼らに拒否される
でしょう。 彼らの生活は私達の生活のスタイルとは違っている。よく理解しなければ。

今の状況は、始まりであって収束ではない。 アフガニスタンにとっては再び、みたび始まる混沌の始まり。
しかし、人々が生活を自ら再建できることを、その力を持っていることを信じて支援していこう。


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