2001.09.24

日本国憲法

この機会に日本国憲法をもう一度読み直すということは大切なことだと思う。そこに述べられている
困難かもしれないけれど強い平和への意志を今、もう一度確認したい。

戦争をしたい人はこの憲法が邪魔でしょう。変えたいでしょう。解釈でゆがめたいでしょう。
私は、戦後すぐにこの世に生まれてまだ戦争の後を見ながら育ってきた世代の人間です。 そして
学校では民主主義教育を受けてきた人間です。 日本が物事の解決に二度と暴力的手法をとら
ないと決意したのがどれほどの犠牲の果てかということを感じます。もう一度戻ってはいけない。
戦争という暴力の中に。

★ 日本国憲法 施行 昭和22.5.3
    (いわゆる前文).........
     日本国民は、恒久の平和を祈念し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚する
のであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意
した。われらは、平和を維持し、専制と隷属、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている
国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ。われわれは、全世界の国民が、ひとしく恐怖
と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。
     われらは、いづれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないので
あって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、
他国と対等関係に立たうとする各国の責務であると信じる。
     日本国民は、国家の名誉にかけて、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを
誓ふ。


    第二章 戦争の放棄
  第九条 [戦争の放棄、軍備および交戦権の否認]
 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力に
よる威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
前項の目的を達成するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを
認めない。


この憲法を守ることは、容易ではないことでしょう。それこそ、外交の英知を絞らなければなりません。
しかし、小泉首相は、「テロは許しがたい。」に続けて、「アメリカのいかなる行動も支持する。」と
続けてよかったわけではありません。 この間、自衛艦をアメリカン軍空母の護衛に出動させ、後方
支援といってどこまで行けるかと議論しているのは、正に武力の行使ではありませんか。
日本国内に向かって参戦してないといっても国際的には通用しません。日本は、参戦を表明した状態
にあるのです。
この事態で日本が失ったものは、まさにできたかもしれない外交努力のチャンネルです。
「神のもとに守られて戦う」と言ったブッシュのキリスト教世界とも、「アラーマクバル」とジハードを言う
イスラム世界とも違う立場にあり、イスラム諸国とは一度も戦わず比較的よい関係にあって、役に
立てたかもしれないのに。 憲法がただあるだけでは平和ではいられません。そこにある平和への
努力こそが求められているものです。(これに沿った政権を創れなかった国民も駄目だったのですね。)

今思います。 何をされてもずーっと自民党政権を基本的に選んできたのは国民自身なのだと。
つねに自分の周りの利益だけに目を向けてそれを守ってくれる人を選んできた国民が、政治の理想に
そって行動する政治家を育てなかった。戦後56年をかけて、日本を腐った果実にしていったのだと。
選挙の度に、政治姿勢を問われることなく、目の前の利益を誘導してくれる人を選び続けた国民なのだ。

でも、小さな声でもあげつづけることに意味がある。今沈黙してはいけない。 

アメリカのギャラップ社の世界31カ国に対して行った調査によると
今回のテロに対して米軍による大規模な武力報復について ヨーロッパ、南アメリカの8割から9割は
武力行使よりもテロの容疑者の身柄引渡しと裁判を求めているという結果がでたそうだ。
イスラエルでは「支持」が77%、アメリカで 54%。 NATO加盟国の中で「支持」が高かったフランス
オランダでも3割弱にとどまったということです。(ちなみに日本は調査対象外)
世界は、武力行使に大きな危険を感じているのですね。 しかし、イスラエルが当事者のアメリカを上
回る支持を武力行使に示しているというのが、いかにもやっぱりテロ国家って感じがします。

状況に流されないで、いろんな情報を丁寧に聞きながら考えましょう。 あきらめないで。


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