2004.04.18

3人の行動に対する評価について

日本人人質問題を考える緊急集会
集会では、イラクでの取材経験のある4人のカメラマンがスライドを使いながら現地の状況を報告。アンマンで事件直前の6日、3人に会った古居みずえさん(55)は「危ないからと戦場から記者がいなくなれば、傷つく側から戦争を伝える人がいなくなる。弱い側の立場から伝えることこそジャーナリストの仕事だ」。豊田直巳さん(47)も「ファルージャの戦闘では、600人以上のイラク市民が死んでいる。それを伝えることが無謀と言うなら、我々は仕事が出来ない」と訴えた。(AsahiWeb)

3人解放 「『アラブの味方』メッセージが奏功」

 イタリア人人質4人のうち1人が殺害されたのに対し、日本人の人質3人は全員解放された。その理由として、3人の人道支援の活動ぶりなどを紹介するメッセージを送り続けたことが指摘されている。

 元外交官の小池政行・日本赤十字看護大教授(国際人道法)は「政府の『テロに屈しない』という強い態度よりも、むしろ人質がイラクの人のために活動した人々だというメッセージを発し続けたことが、功を奏したのだろう」と、保護された背景を指摘する。

 高遠さんの友人の障害者ホームヘルパー、秋貞早苗さん(40)は「昨年6月にバグダッドで会ったが、高遠さんはイラクの人と心を通わせることの出来る人だった。きっと犯行グループともコミュニケーションをとり、大切に扱われていたんだと思う」と話す。

 今井さんが代表を務めるNGO「NO!小型核兵器(DU)サッポロ・プロジェクト」のメンバー、本田宏・北海学園大助教授も「3人がアラブ社会の味方であり、日本政府の立場と一線を画しているというメッセージが、(衛星テレビの)アルジャジーラや宗教者を通じて犯人側に届いたのだと思う」と語った。

 小池教授は「民間の人道援助のあり方の大切さを示した気がする」と話している。【青島顕、武本光政】

毎日新聞 2004年4月16日 東京夕刊

日本にも新世代育つ」 仏紙が3邦人の行動を弁護

 17日付の仏紙ルモンドは評論欄の1ページを割き、イラクで3人の日本人が人質になった事件に関するフィリップ・ポンス東京支局長の論評を掲載した。「事件は、外国まで人助けに行こうという世代が日本に育っていることを世界に示した」として、「無謀で無責任」と批判されている元人質を弁護している。

 「日本、人道主義の勢い」と題した長文記事は「軽率で無邪気すぎるかもしれないが、ネクタイ・スーツ姿と夜遊びギャルの間に、激変する社会に積極的にかかわろうとする者がいることだけは分かった。彼らは自分なりに世界を変えたいと考えている」と、元人質の行動に理解を示す。

 また「親の世代のように企業社会に服従することを拒み、新たな感受性を見つけた若者たち」を束ねる「10万の非政府組織(NGO)」の活動にも注目。「阪神大震災以降、人道・奉仕活動に身を投じる子供たちが増えている。日本人の人質たちは一つの象徴だ」と結論づけている。 (04/17 11:09)

BBC 04.04.17
BBC東京特派員は、犯人グループがなぜ解放に踏み切ったかわからないが、
この解放は、多くの反対を押し切って自衛隊派兵を行った小泉にとっては朗報だった。


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