■二ノ宮 知子 (ニノミヤ トモコ)
『平成よっぱらい研究所』
祥伝社フィール・コミックス(1996年9月刊)

 研究所所長・二ノ宮知子ともりへー他、所員が酔っ払って繰り広げる所業の数々。私の周囲ではバカ売れした。あーあ酒飲んでバカやっちゃったよー俺って最低。という気分の時に、「まだ俺より(私より)馬鹿な酒飲みがいる…!!」という意味で勇気付けられます。酔っ払い心のバイブル。おススメ。

 基本的にここで紹介するのは小説やエッセイなどにしようと思っているので、コミックスの本書は番外。しかし日記にも「平成飲んだくれ研究所」とつけてしまった以上、これは外せないでしょう。
 学生時代、酔っ払ってタクシー待ちをする間、カップラーメンでも買うか(←ここら辺がすでにオヤジ)と立ち寄ったコンビニの棚で運命の出会いをする。即買い。周囲の酒飲みたちに学校でまわしたところ、「読んで俺も買いに行った」という人が続出した。…それだけダメ人間が私の周囲に多かったんじゃないのかーとかそういうことは置いておく。

 作者の二ノ宮知子は漫画家である。そして酒を飲んでは暴挙を繰り返す。商店街の旗を奪い取り、タクシーの窓から身を乗り出して大漁旗のごとくふりまわしてみたり、花火をしては公園で熱愛中のカップルを襲撃しついでに都庁も襲撃、パトカーに追っかけられてみたり、血尿を出してみたり。忘年会シーズン真っ只中、クリスマスが数日後に迫っていることをすっかり忘れ(※20代半ば女性独身)、妹に馬鹿にされてムキになる余り「すっごいいい店でディナー予約するもん!!」と叫んだのはいいものの、「へーどこの店よ?」と問われて思わず正直に「かに道楽…」と答えてしまったり。

 ああまだ私ここまでは行ってないよ。と思ってたら、後輩には「所長」という渾名をつけられた。なんだとぅ!?ちくしょー覚えとけ。と思ったら、同級生には「だってこの本にはどこにも『大ケガをした』とは書いてないじゃん。駅の階段から落ちて足首折って救急車で運ばれたの誰だっけ」と言われた。

 ……ぐ。それを言われると弱いのだが、確かにお酒(ワインとウィスキーとサワーと日本酒をちゃんぽんで)を飲んでたのはほんとだけど、私は終電に間に合わないと思って走ってて階段で滑ったんだよ…。などと言っても虚しいところだが、一緒に飲んでた人々は「だいじょうぶ、おまえが泥酔するにはまだ当分かかるくらいの量しか飲んでなかった」と慰めてくれた。……慰めかそれ?

 でもとりあえず、私はキャンプに行って売店の缶詰を強奪しようとして管理人に追われたりしてないし。賭けに負けて、クマのぬいぐるみ着てデニーズでオレンジジュース飲んだりしてないし。いや、寝てる間に財布とカード抜かれたけど。……なんか自分で言ってて情けなくなってきた。

 酔っ払っていろいろ失態をしてしまった…という人へ。まだまだ人間、下はいます。これを読めば「なーんだ、私の失敗なんてたいしたことないじゃん☆」と思えることは請け合いです。ていうか、これよりなんかしてたら人としてヤバいと思う。

 最後に私の友達の座右の銘をひとつ。
 「上を見てもキリがない、下を見ればアトがない」

 ……これ読んで「まだ下がいる」とか言ってても、最底辺ということでしょうか……。



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