欧州遠征日記 〜チェコからブルガリア(WUOC)まで〜


遠征日程

↓  宮内、番場はオーリンゲンから
↓  加藤、田島はチェコのイーチン大会から 女子選手ラップ
8/ 6 尾上、西尾、それぞれチェコのプラハ入り、上記メンバーと合流 
8/ 7 プラハ観光
8/ 8 トレーニング&休養
8/ 9 南ボヘミアへ移動(レンタカー)
   南ボヘミア大会参加(1日目)
8/10 南ボヘミア大会参加(2日目)
8/11 南ボヘミア大会参加(最終日)、プラハ、ウイーン等へ移動
8/12 ブルガリアのバルナへ移動
8/13 <プレトレキャン>
   尾上、番場、西尾、小泉、黒河が「Poda」に入る
8/14 加藤、田島が加わって「Poliana」「Samotino」に入る
   加賀屋、寿理、塩田、宮内、高橋、新宅が夜到着
8/15 <トレキャン>
   「Poda」「Cherno More」に入る
   紺野が夜到着して14名全員が揃う
8/16 JWOC99のショート予選コースに挑戦「Ravna Gora」
   追加メニュー「Zdravech」
8/17 「Begun Cup」参加(蜂刺されで入院)
8/18 (誕生日なのに夕方まで病院から出られず)
8/19 オフ日、バルナ市内見学、宿舎移動
8/20 <大会日程開始>
   「モデルイベント」「開会式」
8/21 「クラシック競技」
8/22 「ショート競技予選」
8/23 「ショート競技決勝」
8/24 「リレー競技」「閉会式」「バンケット」
8/25 加賀屋、寿理、高橋、番場、新宅、塩田が帰路につく
   残りの8人はバルナ市内で宿泊、宮内、西尾は夜行でソフィアへ
8/26 尾上、紺野、小泉、黒河、宮内、西尾が帰路につく
8/27 加藤、田島が帰路につく



8/6
 ・成田で荷物を預けようとしたら寝袋のマットが取れそうだということでルフトハンザ
  の巨大ビニール袋に入れてくれる。これは便利だ。フランクフルトでは以前にも使っ
  たことのある、ゲートにあるインターネットアクセスポートサービスでメール処理。
  プラハ空港からは共和国広場に直行する空港バスを利用。とりあえず広場に行くが時
  間があるのでうろうろしていたらコンサート案内の人に呼び止められてライトクラシ
  ックを聞くことにした。10時待ち合わせなのだがちょうど8時から9時半までやる
  らしいのだ。聞きなれた曲目を堪能して外へ出たら雨! リュックを背負って手荷物
  を転がしてタープを持ってそれに傘は大変だが、雨が強いので何とかあごにはさんで
  広場まで行く。うろうろしていたらやっと見つけてもらえた。さらに遅い到着の西尾
  を待って一緒に宿舎へ。1泊1400円で質素だが十分だ。


8/7
 ・前田、番場は南の方へ行ってしまう。宮内がしっかり夕食を食べたいということで、
  全員6時にカレル橋の5番目の肖像(フランシスコザビエル)の前で待ち合わせるこ
  とにした。宿から下町まで山を歩いて下りる。ケーブルカーの横をまっすぐ降りたら
  すぐだった。1年前の記憶をたどってインターネットカフェへ。同じ場所の同じター
  ミナルを使う。昼食は王の道からちょっと外れたところにあるピッツェリアに入った。
  30cmのサラミピザとピルスナービールの組み合わせが絶妙だったので、地球の歩き方
  の投稿原稿を考える。ついでに室内の写真も撮る。市内を適当に散策して待ち合わせ
  場所に。スープの飲めるレストランを探して入る。ワインも頼んで満足な食事を済ま
  せ、プラハ城の方からぐるっと回って宿舎に戻る。


8/8
 ・レンタカー会社に電話が通じて安心。ミニバンはないが7人乗りがあるということで
  それにする。朝8時に宿舎まで持って来てくれるということで気持ちが楽になった。
  今日の夕食はヒマラヤに6時ということだけ決めて自由行動。朝は宿舎の周りを6km
  くらい走った。競技場の周りを回った後、ケーブルカーの終着駅や展望台のある辺り
  のお花畑を見ながらのジョグ。また山を歩いて降りて市内を散策。帰りはケーブルに
  乗って帰る。あっと言う間だ。ヒマラヤではココナツカレーとビール。

   写真1



8/9
 ・頼んだ車は後ろの荷台部分に椅子を立てて7人乗りということで荷物スペースがない。
  前田、番場を迎えにいくまでは楽だが全員乗ると荷物スペースが問題だ。無事に待ち
  合わせ予定の駅にたどり着き2人を待つ。やっと電車が到着。2人の行った場所は洪
  水で大変だったらしい。隣の人が持っている新聞にも出ていた。荷物をぎちぎちに詰
  め込んで出発。番場のナビで何とか会場にたどり着く。トップスタートが3時なので
  いろいろ張り紙を読んで準備する。初日はコンピのようなショートなのでしっかり手
  続きをやって走ったらほぼミスなく終了できて4位だった。
  泊まる予定のジムに行ったらフロアの大半がすでに占拠されていたのとシャワーが無
  さそうなので、仕方なく隣町までホテル探しに行くことにした。部屋は一杯だったの
  だがハードフロアならということでだだっ広い部屋に案内された。なんとマットもあ
  ってハッピー! シャワールームもたくさんあってこれまた満足!

   写真2



8/10
 ・2日目はクラシックでちょっと長め。前半は慎重に進み中盤でちょっとミスをしたら
  次のコントロールで3分後の人に追いつかれた。コントロールでは先着するが次への
  手続きをしていたら脱出は先行される。また抜いてコントロールでは先着を繰り返し
  ラス前まで進行。ラスポへは途中まで道走りをしてからアタックというシンプルなプ
  ランを予定していたらその人はどうやらいきなりの直進で行くらしい。しめたと別れ
  て先行しゴールでは10秒勝った。とはいえ3分後なので2分50秒の負け。今日も
  4位で最終日のチェイシングは総合4位での出走となった。1位がダントツで6分開
  いて2位、3秒差で3位、その後3分後が自分、5位はそのまた4分後ろということ
  で前も後ろもまず関係なさそう。
  今日のH21Eはコントロール数がなんと31個もある。日本では30以上パンチできるCC
  はないだろう。デフもデフケースからはみ出るサイズだ。
  レース後、「オーストリア」に行くことになる。国境まで2kmくらいしかないのだ。
  全員パスポートを持って車で恐る恐る国境へ。ゲートはチェコ側とオーストリア側
  と2つあって止められる。パスポートを返してもらって見ると車のマークの通過証
  明が押してあってみな満足。見晴らしの良いところで記念写真。帰りは別のルート
  を試みるが、つながっていると思った道路が国境のところでぷっつり! やはり地
  図に印のあるところしか通れないみたいだ。同じゲートを通って戻る。帰りはパス
  ポートもちゃんと見てくれずがっかり。
  夕食は昨夜と同じ店を目指して行くがちょっと出遅れて満員。あちこち試みるが結
  局戻って粘って席を確保。なかなか満足な食事だった。

   H21Eのコース図   写真3



8/11
 ・2泊したハードフロアの宿を後にし会場へ。H55Bだけ9時からのスタートなので1人
  だけスタートに向かう。今日は近い場所ですぐに着く。チェイシング1位の人と握手
  をする。がっちりした体格だ。2位、3位の人は似た感じの人で3位の人は2日目に
  並走した人だ。3秒差なのでパックツボリをしてくれたらチャンスがあるのだがそう
  うまく行くか。前半は丁寧にやったら快調に進みもしかしたら先行者が見えないかな
  と欲を出したら中盤の植生界で2〜3分やってしまった。気を取り直して後半は守り
  のOLをやってゴール。後ろに2分余しての4位で終わった。
  チェコの女子コーチと話し込む。ブルガリアでまた会うので楽しみだ。日本語で話し
  かけて来た人がペテルカ氏だと分かりびっくり。帰りはブルガリアでの左ハンドルの
  運転の練習の意味も含めて西尾にウイーン組の乗る駅まで運転してもらう。そこで別
  れて一人旅でプラハに戻るが地図を片手に無事にWelcome Hostelに到着。チェックイ
  ンするとまたただビール券がもらえた。その券とピザで夕食。

   写真4



8/12
 ・5時45分起床。洗濯物は一部生乾きだが仕方ない。パッキングして早めに6時半に
  宿舎を後にする。予定通りに運転して空港近くまで来たのだが英語でない標識で飛行
  機のアイコンが二手に分かれる。その内の一つを選んで進んだが曲がりをミス。あっ
  と言う間に次から次へと違う道を進まざるを得ない状態になり、やっと道の脇に止ま
  れるところで臨時駐車。前に止まっていたトラックの運転手にガイドブックに書いて
  あるプラハ国際空港の文字を見せて身振り手振りで教えてもらう。とにかく分岐を右
  へ進んで戻れということらしい。再び標識のある道路に出てさっきとは別の分岐に降
  りる。ターミナルという文字の書いてあるビルの前に出たが閑散としていてどうやら
  これも違うらしい。降りて歩いてきた人に聞いたらもっと先だという。仕方がないの
  でもう一度さっきの道に戻ろうとするが要領を得ないでどんどん変な方向に行く。し
  ばらく試行錯誤をしていたら後ろ向きの標識に空港マークが書いてあることを発見。
  何とかループを組み合わせてUターンをし、最初思っていた分岐の方向に進むとしば
  らくしてやっと空港らしい感じになってくる。今度はターミナルや貨物やレンタカー
  の分岐をよくみなければいけない。それらしいところへ行くと違うレンタカーらしい
  ところのゲートに到着。そこにいた人に話をするがなかなか通じない。やっと英語の
  分かる女性が通りかかったので聞いてもらうと、ここは違うのでいったん空港の駐車
  場に停めて空港ビル内で聞いたらということになり、もう一度1周してパーキングに
  駐車。空港ビルに入って探すがオフィスはないのでレンタカーを借りる時にもらった
  携帯の番号に電話をする。空港の入り口のところのビルディングCだということが分
  かったので駐車場から車を出す前にそのビルらしきところまで走って行ってみる。間
  違いなさそうなのと入り口が確認できたので、駐車場に戻り車を出そうと出口のゲー
  トのところに行くが人が誰もいない。試しに入場のときのカードを差し込んでみるが
  Validateされていないということでゲートが開かない。どこかで駐車料金を支払って
  Validateする必要がありそうだということが直感的に分かって戻ろうとすると、もは
  やすでに後ろに2台出ようとする車が並んでいる。後ろにバックしてもらって何とか
  車を戻しそこに駐車したばかりの人にどこで駐車料金を支払うのかを聞く。空港内に
  そういう機械があるということでまた空港ビルへ。カードを差し込んでお金を入れる
  とおつりが戻ってきた。50コルナも取られた。無事に車を出してレンタカー戻しの
  ゲートを通過したら係員が出てきて止める場所を指示してくれる。さて書類を渡そう
  と探すが今度はあの書類が無い!確かここにあると思っていた座席の隙間を何度探し
  ても無いものは無い!係員に空港で電話したときに置き忘れたかもしれないと言って
  また空港ビルまで走って戻る。さっき電話した辺りを探すがこちらにも無い!ちょっ
  とパニックになりかけて再び戻りもう一度よく探したら助手席の反対側の隙間に落ち
  ていた。座席において運転したときに落ちたらしい。係員が所定のチェックをしてサ
  インをして無事終了!
  まずフランクフルトまで移動。すっかりお世話になっているゲートにあるインターネ
  ットコネクションにPCをつないでイーチンの全ラップをダウンロード。合わせて南ボ
  ヘミア大会2日目のコントロールが31個あるH21Eの地図をHPにアップして紹介した。
  CONDOR航空はもっと小さな航空会社かと思っていたら各国の主要都市でない都市への
  直通便を中心にかなりの路線を持っているようだ。横に6人がけの大きな飛行機も子
  供たちで満席。家族連れの海水浴客?のようだ。定刻に着くが手荷物が出てくるまで
  かなり待たされて人でごったがえす。結局合流する選手たちの来る時間に近くなった
  のでそのまま出口の辺りで待つことにする。オーガナイザとレンタカー会社の人たち
  が来るはずなので辺りを眺めるがそういう人はいない。しばらく経ってから自分が国
  際路線で来たことに気づく。もしかして国内線の到着ゲートは別? 係員に聞いてや
  っとそれらしき場所にたどり着く。と、オーガナイザの人が現れて一安心。ところが
  選手の飛行機は105分遅れということが分かる。レンタカー会社の人もそれを見てコ
  ーヒーを飲みに行ったらしくて戻ってきて契約の話をする。2台で$400のデポジット
  をおいたら手持ちのドルがゼロになる。やっと選手たちも元気に到着したので宿へ向
  かう。西尾、番場は直前まで一緒だったので様子が分かるが、小泉と黒河は1日前に
  ソフィアに着いたばかりなので様子を聞く。そうしたらHISで買ったソフィア→バルナ
  間の航空チケットが無効だと言われたということだ。予約は入っていたようなのでチ
  ケットを購入して何とかなったみたいだが帰りの便も早めにチェックする必要がある。
  オーガナイザの2人が運転してくれたので楽だった。すぐに夕食(たっぷりトマト付
  き)を食べて翌日の予定を決める。PODAに入りたいと言ったら地図を持って来てくれ
  た。コントロールも11個設置済みなので世話要らずだ。寝る前に番場とイーチンのラ
  ップ分析をする。1日目と5日目の違いを知りたかったようだ。


8/13
  7時に起きて海岸までジョグする。道なりに行ったら2キロ強あった。ビーチは3年
  前と同じでパラソルだらけだった。帰りはずっと登りで15分はたっぷりかかった。
  朝食は8時半からバイキング形式。予定通り9時半にPODAに出発。オーガナイザに1
  台を先導してもらって追走。小1時間かかってJWOC99の時のリレー会場に着く。見た
  覚えのある地形だ。各自地図を持って適当に30〜60分走ってくる。小径がほとんど分
  からないのは以前と同じだ。亀裂の深さを確認。地形が驚くほどよく分かり比較的簡
  単に思えた。選手たちも本格的には走っていないがまずまずの様子。
  加藤、田島を迎えに行く。今日は定刻到着で問題なし。空港のキャッシュマシンでレ
  バを補充。500度数のテレカも22.95レバで購入する。
  明日の予定をオーガナイザに相談する。午前はコントロールが付いているPOLIANAに
  して午後にSAMOTINOに入りたいということで交渉。地図も何とかかき集めてもらえそ
  うでまた案内人が1人付いてきてくれることになった。日本チームの費用がまだ払い
  込まれていないということなので羽鳥氏に確認することにした。インターネットが使
  えるということで行ってみたら個人のお宅でパスワードを教えてもらってダイアルア
  ップ。ところが日本語が入ってなくて化け化けで結局使えず。
  部屋に帰ってから簡単なミーティング。スケジュール及びみんなの希望を確認した。
  終わってからPOLIANAの全ポをつないで男女2つのコースを完成させ、丸描きをする。
  SAMOTINOの方は加藤にコースを組んでもらって完成。明日地図をもらったら全ポを作
  ろう。設置は自分だけ何とか先に行ってできないものかと足のやりくりを考える。明
  日になってからオーガナイザのドライバと交渉だ。

   写真5



8/14
  送金の確認で羽鳥氏に電話する。携帯電話相手のせいか1分くらいで33度数だった。
  8時朝食、ランチパックを積んで午前POLIANA、午後SAMOTINIの予定で出発。午前の
  集合地点で全ポに訂正があることが分かり、せっかく丸描きした地図を修正。みんな
  に走るコースを指示して自分はオーガナイザと一緒にSAMOTINIに移動。25kmというこ
  とだったが結構掛かった。オーガナイザにはまたみんなを連れに戻ってもらってこっ
  ちは一足先に設置に入る。微地形地帯も驚くほど正確に分かり順調に終了してランチ
  パックを食べ始めたところにみんなが到着。午前のテレインはいばらがあったり地図
  の精度もいまいちだったようだ。ここの地図は全員分もらったが後続メンバーには薦
  めるのは止そう。3.8km程度のコースを加藤が25分程度で帰ってきた。番場も32〜33
  分とJWOC99経験組は順調に帰ってきた。設置の時にも感じたがここの地図は精度が良
  く走った選手にも評判が良かった。今日到着するメンバーのためにフラグを残してお
  くことも考えたが予定が不確定なので撤収する。
  ここでもっと走りたい組、海水浴組、帰りたい組が出てきたのでオーガナイザに2人
  ホテルまで送ってもらう。走りたい組は加藤だけだったがショートの決勝のゴールが
  海岸なのでそこで集合することにして海水浴組とゴールの海岸へ移動。ちょっと海に
  入ると整理体操+足を冷やすこと+気分転換でとても良いみたいだ。加藤もゴールし
  て来て帰途につく。6:30に空港への出迎えに出発。オーガナイザがミニバスが使える
  ということなので頼む。夜の市内を車を連ねて走るのはできればやりたくない。追加
  レンタカーもホテルに持ってきてもらうことにした。お金も用意せねば。
  加賀谷組到着。高橋が風邪、塩田も風邪気味。レンタカーはレバを5回に分けておろ
  して借りる。パワーハンドルではなくて重たい。ホテルに戻ってスケジュールの打ち
  合わせ&CHERNOの4kmコースを作る。あとはコース描きをしていたら12時を過ぎた。


8/15
  昨日決めたスケジュールを書いて張り出す。いつもの朝食を済ませて9時前に出発。
  またオーガナイザのお兄さんが来てくれたので、テレイン間移動の運転をお願いする
  ことにする。3台でPODAにいったん行ってからCHERNOのみの人を乗せて移動。すぐに
  設置に入る。コンパスOをしっかりやって特徴物をつないで行ったらほとんど問題な
  くたどり着けた。3.8km、10コントロールを1時間で終了。5人とも12時過ぎには終了
  となった。西尾も番場もかなりミスをしたようだ。後続組の加藤も調子が悪かった。
  顔の周りを飛び回る小ハエと蚊に閉口。帰りに道端のトマト(1kg、20円)とビール
  (500ml、40円)などの買い物をする。紺野が到着して全員集合となった。


8/16
  JWOC99のショート予選コースの地図が朝来るはずだったが市内のある場所で待ち合わ
  せて渡すということでコース描きが事前にできなかった。待ち合わせもちょっと遅れ
  で押し気味になったが、案内人がゴールではなくスタート近くに案内してくれたので
  選手の3km移動はなくなった。その替わり設置者を再度スタート地点まで運転手に
  運んでもらう必要ができた。1〜3番の5つを設置してスタート地点に戻ると予定の
  3分前であやうくセーフ。2分おきに選手が出て行く。最終ランナーの5分後に撤収
  ランナーとして走る。途中で時々耳をすませて音がしている時は数分待ってから継続
  したのだが、結局1番で飛んでいた黒河を抜いて撤収してしまった。
  結局加藤が25位相当、番場が9位相当ということで貴重なデータが得られた。
  午後のテレインに移動して追加のメニューをやる。加賀屋君が上のほうをほとんど付
  けてくれるので下の3つだけ設置。やぶっぽいのと小径がなくなっていたが何とか設
  置。休んでいたら雨が降ってきた。気持ちが良いので数分間はそのまま雨に当たって
  濡れる。帰りにスーパーに寄って買い物。
  JWOC99の時のデータと一緒にしてラップ解析をする。なかなか興味深いデータが得ら
  れた。明日のBegunカップは3年前のブルガリアカップと同じ場所のようだ。レース
  を使うと世話要らずで楽勝だ。

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JWOC99 Short-Q (8/17)
Men Heat-B
 1.               31:38
 2.               31:48
 3.               31:50
10.               32:49
20.               35:33
    加賀屋(撤収) 37:27
    加藤          37:43
30.               38:30
    小泉          41:54
    西尾          44:17
40.               45:48
42. 加藤99      48:18
    新宅          49:32
    高橋            P
    紺野            P

Women Heat-C
 1.               29:30
 2.               30:56
 3.               30:59
    番場          32:22
10.               33:07
    田島          34:26
    尾上(撤収)  35:47
20.               36:03
    塩田          36:22
29. 番場99      41:01
30.               42:43
    宮内        1:03:37
40.             1:14:28
    黒河        1:27:56



8/17
  シュコルピロフチの村に到着するとゴールが設置されている。ここから北側の山がテ
  レインで最後は道走りのようだ。D21を走るということでスタート枠では問題なかっ
  たが、地図置き場でD21の地図を取ろうとしたら「そっちは女だ」という声が掛かり
  説明するのに10秒くらいロスする。丁寧にコンパスを振ったら正確に直進が当たり、
  快調に進む。怪しいところは横に移動して場所を確認してから進んだ。7番へ進んで
  いる時にいきなり左のももに虻か蜂かに刺されたような痛みを感じた。途端に歩測と
  方向を失い、アバウトなオリエンで進んだら完全にロスト。しばらく放浪して探し当
  てたものの気分も優れずゴールへ直行した。頭や足が痒いのでタイツを脱いでみたら
  全身に蕁麻疹が出ている。どうやら蜂によるもののようだ。主催者が病院に行けとい
  うことで同じく蜂に刺されたスイスの女子選手と一緒に病院へ。点滴を受けて蕁麻疹
  は程なく引いたものの病院で一泊しろということになった。退屈なのでそのスイスの
  選手(リビア)といろいろ話をして情報収集に努めた。

   写真6



8/18
  美味しくない、しかもごく少量の食事を夜朝と朝食に食べさせられて、もう出られる
  かと思ったら朝来たドクターはまだ駄目だもう1泊しろという。本人たちはすっかり
  元気なのに理由もいわずに駄目だの一点張り。ちょうどテレフォンカードがあったの
  でリビアにスイスのコーチに電話をしてもらったら午後3時頃にやっとオーガナイザ
  と来てくれた。交渉の結果やっと開放となった。何でもお金の支払いと日曜日なので
  手続き上の問題で駄目だということだったらしい。
  宿舎に帰って早速レースのラップ解析を行った。遅刻で参加した番場の正味タイムは
  4位相当だった。トップになったドイツのカリンはワールドカップにも参加するよう
  な選手らしいので番場は好調を維持していると言える。男子も加藤、紺野が好位置を
  キープ。本戦への期待がつながった。

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Begun Cup (8/17)

W21
 1. K.Schmalfeld  47:03
 2.               55:03
 3.               56:30
 4. 番場          56:51
13. 田島        1:07:07
16. 塩田        1:12:02
17. 宮内        1:12:35
23. 黒河        1:19:02
  尾上      P

M21
 1.             1:00:04
 2.             1:00:29
 3.             1:00:49
14. 加藤        1:08:48
17. 紺野        1:10:57
23. 西尾        1:16:18
24. 小泉        1:16:22
27. 高橋        1:20:06
    新宅          P
    加賀屋        P



8/19
  オフ日なので高橋、紺野、小泉、新宅と5人でバルナ市内へ行った。駐車場所が分か
  らず手間取ったが何とか停めて、大聖堂、ローマ浴場跡などを見た。銀行の両替や郵
  便局での切手購入が言葉が分からずに戸惑った。マックで0.49レバのソフトクリーム
  を食べてから帰還。

  ゴールデンサンズでシューズ購入
  宿舎移動
   部屋割り 紺野、加藤、西尾/高橋、小泉、新宅
        宮内、番場、田島/塩田、黒河
        加賀屋、加賀屋/尾上
  レンタカーバック
  オフィシャルミーティング

  クラシックのスタートグループ順
   黒河、塩田、田島、番場、宮内
   西尾、小泉、加藤、紺野、高橋

   写真7



8/20
  朝7時前から海岸まで降りてみる。600m程度で到着。行き方の地図を描いて張り出す。
  朝食はバイキングだが種類は少ない。牛乳が暖めてあったので変。新宅が胃が痛いと
  言うので胃痛薬を渡す。風邪のためかもしれないので一応経過観察。
  インターネットができる場所でPCを持参してLANにつなごうとするが苦戦。2時間掛か
  ってやっとIPアドレスの違うのをもらい一応開通。Hotmailをチェック。(しかしこの
  後、連日挑戦したが2度とつながらなかった)
  午後はモデルイベントへ。カメラを持って即テレインに入る。50枚くらい確認できた
  ものを片端から撮る。帰ってきて写真を見ながら黒河と復習。新宅が熱を出したので
  追加で風邪&解熱剤を渡す。BURUFENが底をついてきた。
  開会式が屋外で行われる。折角やってくれたのだが余興の演奏が単調で退屈だった。
  スタートリストが出ていよいよ明日から本番だ。

   モデルの地図と写真54枚  選手団の集合写真  写真9



8/21
  5時過ぎに目が覚めて6時過ぎに朝食。日本人選手はみな早い。ランチパケットを
  もらって1番バスで。スタートエリアは周りに山の感じられないところだ。早いス
  タートの選手を数人見送ってから新宅と一緒にゴールエリアへ移動。寿理さんが中
  間通過情報を教えてくれる。新宅と2人でタープを立てる。ハンマーが壊れていて
  石でたたく。周りにスペースの余裕があったのでしっかり立てられた。
  1:15000、2.5mコンターでアップが2%というハンガリータイプの山?だった。やぶ
  を切るか迂回するかの選択、やぶを切りながらいかに方向精度を維持するか、砂地
  や石地やオープンをいかに早く駆け抜けるか、などがポイントか。
  そうした中で男子では紺野、女子では番場がうまくまとめて、それぞれトップ3人
  平均との比では122〜123%を記録。今後の後輩たちへの目標となるべきタイムだ。
  西尾はラス前で隣接女子ポストに引っかかってペナ、高橋は遅いスタートで給水が
  受けられずに途中棄権と残念な結果になる。ラップ分析をした結果ではやはりミス
  率をせめて10%程度に抑えることが必要なようだ。
  夜は西尾の誕生祝い。

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ME  14000m  280m             巡航 ミス率
 1  Emil Wingstedt      SWE    1:26:59    98.7   5.7
 2  Ilkka leepavuori    FIN    1:27:37    98.6   6.6
 3  Oliver Johson       GBR    1:28:23   100.3   5.4
 4  Ingo Horst          GER    1:28:58    99.3   7.1
 5  Christian Ott       SUI    1:29:22    99.6   7.8
 6  Pavel Naumov        RUS    1:31:37   101.5   7.9
47  紺野                JPN    1:47:06   111.0  14.3
64  加藤                JPN    1:58:42   120.1  16.5
69  小泉                JPN    2:07:49   134.2  13.9
    西尾                JPN       P
    高橋                JPN       P
------------------------------------------------------
WE   9250m  185m             巡航 ミス率
 1  Martina Rakayova    SVK    1:04:34    95.7   8.2
 2  Bodil Holmstrom     FIN    1:09:12   101.7   9.4
 3  Marte Balchen       NOR    1:09:13   102.8   8.3
 4  Laura Scaravonati   ITA    1:10:21   100.7  11.8
 5  Zuzana Macuchova    CZE    1:11:05   103.8  10.3
 6  Nataliya Potopalska UKR    1:11:27   101.5  13.3
41  番場                JPN    1:23:20   119.7  11.6
57  塩田                JPN    1:31:33   118.2  20.6
63  宮内                JPN    1:36:15   132.0  16.7
69  田島                JPN    1:54:00   144.8  22.6
70  黒河                JPN    1:58:07   161.3  17.6

   写真10



8/22

いよいよショート予選の日だ。日本選手の誰もがこの予選を通過してAファイナルに
進出することを一つの目標にしている。各ヒートの16位以内までが通過ということで
25分のウイニングの120〜125%程度(30分台前半)がボーダーになりそうだ。
この日はスタートが短時間で終わってしまうのと競技時間も短いので、スタート地区
へ行かずにそのままゴール地区へ移動する。しかしゴール地区には木立が多かったの
でタープは立てずに済んだ。あとは応援だ。
まずは前日好タイムを出して好調の番場に期待が掛かる。トップスタートなのでトッ
プゴールも夢ではないと見守るがなかなか姿を見せない。と、加藤が先にゴールする。
33分なので通過はやや厳しいか。その後は小泉をはじめみな40分オーバーと討ち死に
してしまった。悔しそうな顔が並ぶ。田島、高橋も35分程度でこれまた厳しい状況。
あと可能性のあるのは遅いスタートの塩田と紺野だけだと見守る中、程なく塩田が姿
を見せる。時計を見るとまだ30分だ! やったぞと思いながら最後の声援を送る。そ
のままゴールレーン横を走ってリザルトボード前に。見るとどのヒートでも10位程度
なのでまず通過確定のようだ。早速塩田におめでとうの声を掛ける。喜びにわくみん
なの目に今度は紺野の姿が写った。早い! 30分を切りそうだ! 結局トップ比109%
という今までにない記録であった。そして最終的には田島も16位で下げ止まり嬉しい
通過となった。3人も通過者を出した日本チームにオーストリアの選手が驚きを持っ
ておめでとうを言いに来た。

男子ヒート1
   20   加藤 弘之  33:05
   25   西尾 信寛  41:07
男子ヒート2
   27   新宅 有太  45:50
   29   小泉 成行  48:07
男子ヒート3
   12   紺野 俊介  29:42 Aファイナル進出
   21   高橋 善徳  34:49
女子ヒート1
   11   塩田 美佐  30:25 Aファイナル進出
   20   番場 洋子  43:34
女子ヒート2
   16   田島 聖子  35:40 Aファイナル進出
   23   黒河 幸子  56:47
女子ヒート3
   23   宮内 佐季子 47:06

   写真11



8/23

ショートの予選通過を目標にして来た選手にとって、決勝は気持ちの持って行き方が
むずかしい。一方Bファイナル出場選手の方は、予選の失敗から気持ちを切り替えて
再度挑戦できるので比較的走りやすいはずだ。
決勝のゴールは海岸ということで3年前のJWOCが思い出される。前日のオフィシャル
ミーティングで最終コントロールはお楽しみということだったので、海の中にビーチ
パラソルでも立ててあるのかと思いきや、冴えない木切れが波打ち際に立ててあった。
それでも海の中に膝まで入ってカメラを構える人など、観客には面白いセッティング
になっていた。この日もゴールに直行してタープを特等席に立てた。トゲがある痛い
草をむしっていたらそれを見ていた地元のおばあさんが手伝ってくれた。
前日すばらしい走りをした紺野と塩田は共に崩れてしまい、結局40分を切ったのはB
ファイナルを走った加藤、番場だけという厳しい結果になってしまった。しかしこの
2人は前日の悔しさを払拭する良い走りで次の日のリレーに気持ちをつないだ。そし
てそれに次ぐタイムの41分で走った小泉が男子リレーの4人目に決まった。

男子Aファイナル
 紺野  55:04
男子Bファイナル
 加藤  36:00
 小泉  41:37
 高橋  47:05
 西尾  51:45
 新宅  76:40
女子Aファイナル
 塩田  47:33
 田島  57:51
女子Bファイナル
 番場  37:17
 黒河  56:39
 宮内  62:18

   写真12



8/24

リレーの走順は以下の通り。
    1走 2走 3走 4走
男子  紺野→加藤→高橋→小泉
女子  塩田→番場→田島→宮内
男子MIX 西尾→新宅→TUR →TUR
女子MIX CZE →FRA →HUN →黒河

会場はオープンで、チェンジオーバーエリアから50mの高さの正面の山の上までが観戦
エリアとして開放され、そこに上がると遥か遠くまで続く壮大なオープンエリアと林の
エリアが一望できるというものだ。
選手も一緒にその山に登ってコースの回し方を想像するが、やはり1走の走りを一通り
見てみないとはっきりしたことは分からない。やがて選手がビジュアルを通過して全容
が分かる。ビジュアル後に一度荒涼としたオープンを横切って遠くのオープンの山の裏
を回り、再度オープンを戻って最後の林に入るようだ。
紺野がなかなか戻ってこないと見る中、西尾が先に現れる。結局その西尾がゴールした
頃にやっと紺野がビジュアルに現れるという展開になってしまった。最初の10%が緑の
地域だという情報だったがどうやらそこで飛んでしまったらしい。女子の方は70分で塩
田から番場につないだが速報では塩田がペナになっている。計センに確認しに行ったら
ビジュアル直後のコントロールが違う番号になっているらしい。地図が無いので本人も
記憶が定かでないようだ。一応3走も4走も出走して良いとの許可をもらったので田島
と宮内に伝える。
西尾から1番、2番はとにかく慎重に行った方が良い、という情報を聞いて出て行った
加藤が好タイムで帰ってくる。新宅が帰って来たがトルコの3走がいない。どうやら出
走しないようだ。一方の女子MIXはすごいことになっている。1走、2走が快走してト
ップ集団から遅れることわずかで3走が出て行ったらしい。4走の黒河が待機枠で待つ
目の前をトップ集団の4走が出て行く。それを追いかけるというわくわくする展開とな
った。(実際は3走がちょっと遅れた)
結局男子は高橋、小泉と無難につなぎ(特に小泉は前3日間と比べれば良い走りだった)
終了した。女子は3走の田島も塩田と同じコントロールで同じペナをしてしまうという
残念な結果となってしまった。
女子の8位がゴールしないために表彰式が遅れ、その後に予定されたオフィシャルラン
は3時をかなり回ってから始まった。EMITのVer3を初めて使ってのレースだ。全員女子
コースということで加賀屋君には45分を切るというプレッシャーが掛けられた。難所と
言われていた前半も何とかうまくこなしたものの、後半のオープンの砂地ではまったく
足が進まずさすがに馬力の足りなさを痛感した。おまけに最後の簡単な林に入ったとこ
ろで2分のミスをしてしまい結局目標の60分を超える66分という結果となった。加賀屋
君はユニバー女子のトップを上回る42分という好タイムでゴールしたそうだ。
宿舎に帰ってからバンケット前にミーティングを開き各自に感想を述べてもらった。今
回の反省と今後の目標など、それぞれの立場で有意義な話し合いができたと思う。大事
なのはこの新鮮な気持ちを、如何にこれからの具体的な行動につなげていくかだろう。

バンケットでやっと少しましな食事が出た。最初は国ごとのテーブルだったものが次第
にお互いを訪問するようになり、ディスコが始まった頃には全体がごっちゃになって来
る。しばらく眺めた後、踊りの中に入ったがしばらくしたら足がつりはじめた。やはり
老体にこの動きは無理っぽい。黒河がイタリアの選手と浴衣とドレスを交換して着たり
して盛り上がっている。会期を通じて知り合った人たちとメールアドレスを交換した。
今後も情報交換を続けたいものだ。

   写真13  写真14



8/25

7時に加賀屋、寿理、高橋、番場、新宅を、9時に塩田の出発を見送り、残りの8人は
バルナ市内に移動する。宮内、西尾は夜行列車でソフィアまで移動(なんと800円程度)
ということで大聖堂横に泊まる6人と昼食、夕食を一緒にした。市内を歩き回っておみ
やげや買い食いをしたが驚くほどに物価が安い。長期滞在してオリエンテーリングを練
習したい向きには、北欧も良いけれどチェコやブルガリアなど物価の安い東欧の国々も
結構穴場かもしれない。長い遠征も明日で終わりだ。熱い戦いを終えて帰る日本はまだ
暑いのだろうか?