トピックス(2) 2001.1.1〜12.31



12月30日  リアリティ2005キックオフ合宿、盛況の内に終了

WOC2005を目指そうという選手に幅広く呼びかけ、スコードの今後の方針発表ミーティングをメインに据えた合宿を行った。同時開催のジュニア合宿の方が中高生中心に40名強、キックオフ合宿の方がトップエリートの大半を含む50名強、合わせて100名という集団が28〜30日にジャンボに集結した。天候に恵まれた中でクロスカントリーから始まり、勝ち抜きトーナメント戦で終るハードな3日間のメニューに全員汗を流した。初日の設置で村越氏が足の大腿に7針縫う怪我をして心配されたが夜のミーティングおよび2日以降のメニューでも元気な姿を見せた。
2日目の夜のミーテシングはシーツのスクリーンにパワーポイントのプロジェクター映像でプレゼンが行われ、2005年に向けての目標(個人戦で20位以内、リレーで6位)、それに向けての考え方や施策が紹介された。プレゼンターは宮川、落合、村越、藤井、鹿島田、尾上、加賀屋、羽鳥で、議論を含めて2時間半のミーテシングだった。現エリートだけでなく高校生や若手の大学生も多数参加して熱心に聞き入っていた。

最後の勝ち抜きトーナメントは本選トーナメントの他に、敗者復活トーナメント、さらに敗者トーナメント(勝つまで負け残る)まで用意された。ハンディがあったこともあって主力トップエリートが次々と緒戦で姿を消した中、山田と宮内がそれぞれ男女の決勝戦にコマを進めた。山田は1分半のハンディを生かすレースができずにミスをして準優勝に終ったが、宮内の方は決勝戦ではハンディを放棄して臨んだにもかかわらず、見事に最後まで元気なところを見せて優勝した。その他のトーナメントは以下のような結果だった。敗者トーナメントは決勝戦ではなく「決負戦」だったが、大栗がタッチの差で見事に?負けてMVPとなった。

本戦トーナメント 
  1.加賀屋博文     1.宮内佐季子
  2.山田高志      2.志村直子
敗者復活トーナメント
  1.大北陽平      1.田島利佳
  2.深川陽平      2.塩田美佐
敗者トーナメント
  1.大栗宗 (一度も勝利無し!)
  2.森脇崇



12月9日  西日本は篠原と志村(聡)が勝利!

寒冷高気圧が居座っているお陰で好天が続く中、広島から北東に1時間の向原町で本年度最後の公認大会の西日本大会が開催された。公認E権を求める人たちを中心に300名足らずの大会であった。地図の等高線の茶色が通常よりも赤っぽかったので「テレインが紅葉している」と言ったら各所で受けた。実際に多くの落葉を踏みしめて走るレースだった。

コースは距離、アップともたっぷりあってかなりハード、どのクラスも設定の110%というウイニングがそれを裏付けた。そうした中でM21Eは篠原岳夫、W21Eは志村聡子と最近好調の2人が制した。トピックスとしては男子2位の柳下は広江と、女子2位の中村は草野と、それぞれ最後にパックツボリをしたという噂である。また全日本E権最後のチャンスを狙っていた石井龍は20位以内、150%以内をクリアし、見事に最高齢全日本E権をゲットした。これからも益々頑張って欲しいものである。

注目のM21Aは、羽柴が12秒差で橋本を交わし全日本E権をゲットした。W21Aは番場が他をぶっちぎって貫禄勝ち。これで東西大会とも京都大学の現役女子が制したことになる。M35Aではトップスタートの城森が違う地図を渡されて1番で気付き、戻ってきてリスタートするというハプニングもあった。

M21E  10700m  695m     W21E    6900m  420m
1.篠原岳夫   1:41:26  1.志村聡子   1:22:02
2.柳下 大   1:49:05  2.中村正子   1:24:12
3.松澤俊行   1:53:29  3.加納尚子   1:25:34
3.新 隆徳   1:53:29

M21A     8300m  595m         W21A    5100m  295m
1.羽柴公貴   1:27:40  1.番場洋子   1:01:17
2.橋本裕志   1:27:52  2.河野真理   1:14:38
3.小林康浩   1:34:05  3.澤地未来   1:20:01
33.尾上秀雄   2:16:37

M35A    7100m   435m         M20A    6800m  370m
1.柳澤 貴   1:18:59  1.寺垣内航   1:07:06

M21Aコースを走った筆者のルート&アナリシスこちら

話はレースから外れるが、筆者考案の「歩測ゲージ」(知る人ぞ知る)が東日本では3枚しか売れなかったものが、西日本では16枚完売してしまった。そういえば関西以西の大会へは持って行ったことがなかったかと反省。また補充しておこう。

西日本のプレ大会として前日に広島城パークOが広島大学の主催で開催された。手軽な足慣らしとして前日到着のタコ面子が参加した。筆者も12時羽田発の飛行機+レンタカーで受付け終了の3時の5分前に到着し、第3ラウンドを走ることができた。このパークOは1〜3ラウンドあり、毎回違うコースということで奥村氏のように3ラウンドすべて走った人もいた(ちなみに3コースすべて走ると10kmになる)。この公園は交通量の多い車道に分断された島状の公園(広島城もその一つ)から成り、それらはすべて地下道でつながっているのだ。グレーの色で描かれたそれらの地下道をしっかり読み取らないと車道を目の前にして呆然と立ち尽くすことになるのだ。3.4kmのコースを、第1ラウンドは菅原琢が、第2第3ラウンドは松澤俊行がいずれも12分前後で走り、キロ3分半という高速レースだった。第1、第2ラウンドは堀の中のお城の廻りにもコントロールが置かれ、広島市民球場のそばでは衣笠選手の記念碑にコントロールが置かれるなど楽しめる大会だった。

筆者は前夜「お好み共和国」で広島名物のお好み焼きを賞味。早い時間で空いていたこともあって店員が質問して来たので、2005年のことも含めてオリエンテーリングのことを話したら、店長を始めみんな関心を持ってくれた(単にお客に話を合わせてくれただけかもしれないが・・)。

広島城パークOの地図はこちら



12月2日  関東学連、本セレ終了

初冬に入ったばかりだが穏やかな日差しの中、関東学連の本セレがIC93のテレインだった五町田で行われた。カラー分けの併設クラスや、セレと同じコースを走れるチャレンジクラスもあったため、トップエリートを含む人たちの参加もあり賑わった。主役の学生達はインカレのエリート権を掛けてのレースということで会場には緊張感の伴った雰囲気があった。しかし比較的難解なテレインとコースだったためか、不本意なミスを続発させる選手が相次いだ。終って見るとさすがにシード選手が上位を占める結果となった。

ME               WE
1.増田佑輔  筑波4  63:59  1.山本真美  東女4 52:25
2.加藤弘之  東京4  66:23  2.高橋ひろみ 慶応4 55:16
3.佐々木良宜 筑波3  72:06  3.田島聖子  東女3 55:23
4.榎本和弘  早稲田4 74:22  4.二俣みな子 筑波4 57:19
5.寺垣内航  早稲田2 75:38  5.黒河幸子  筑波3 57:38
6.森下隼人  慶應2  77:23  6.高野麻記子 筑波2 59:43

セレクションのボーダーは、男子が41位の93:57でトップ比146%、女子が23位の80:49でトップ比154%と低調だった。また事前申し込みのチャレンジクラスの結果は以下の通りであり、トップの比較では男子が114%、女子が128%ということで学生の方は遥かにミスの多いレースだったことが分かる。

ME−C             WE−C
1.松澤俊行       55:57  1.渡辺円香      40:46
2.稲津隆敏       58:56  2.小泉成行      41:59
3.柳下 大       59:42  3.田島利佳      42:16
4.安良和寿       61:37  4.中村正子      43:17
5.新 隆徳       62:41  5.塩田美佐      44:14
6.小河原成哲      64:08  6.赤石英美      46:20

筆者はME−Cに挑戦し、84:50で24位相当で無事通過と思いきや、P1であった。思い返してみると後半の1ヶ所でパンチがうまくはまらず、そのまま押し付けただけで済ませたところがあったが、そこがミスパンチだったのだろうか? いずれにしてもちょっと残念!

終了した後、片づけに入っていた計センに行ったら何と大学別の成績を提供してくれたので紹介する。リレーの人数の男子4名、女子3名が揃っているところだけである。こんなメンバーじゃないよと言いたくなる部分もあるが、それでもそれなりの結果になっていて大いに参考になるというものだ。

ME         
1.筑波   04:57:24 (増田、佐々木、小泉、時岡)
2.東京   05:05:57 (加藤、浜端、針谷、後藤)
3.早稲田  05:15:01 (榎本、寺垣内、知念、和泉)
4.千葉   05:44:22 (武田、芳賀、小林、熊田)
5.東京工業 05:46:11 (蔵田、菊沢、山根、斎藤)
6.慶應義塾 06:25:13 (森下、小磯、川上、樋口)

WE
1.筑波   02:54:40 (二俣、黒河、高野)
2.東京女子 02:55:21 (山本、田島、川島)
3.相模女子 03:47:34 (望月、鈴木、松永)
4.千葉   03:50:43 (原、高瀬、掛谷)
5.東京農工 04:15:52 (皆川、野村、土屋)
6.大東文化 04:16:08 (目黒、跡部、吉田)
7.茨城   04:21:24 (小泉、鳥羽田、田口)
8.実践女子 04:31:04 (伊是名、関根、柴田)
9.津田塾  04:53:37 (関戸、横井、山口)

また、本日のセレで選出された男子41名、女子23名の大学別内訳は以下の通りであった。これに推薦枠の男子5名、女子3名が後日追加されて最終的に決まる。

ME            WE
東京     10名    筑波      4名
筑波      7名    東京女子    4名
千葉      5名    千葉      4名
東京工業    5名    相模女子    3名
早稲田     4名    日本女子    2名
慶應義塾    3名    東京農工    1名
東京農工    1名    大東文化    1名
茨城      1名    茨城      1名
中央      1名    実践女子    1名
東京農業    1名    慶應義塾    1名
埼玉      1名    東京工業    1名
ICU     1名    
大東文化    1名



11月25日  東日本大会は、松澤(ME)と塩田(WE)

前日に引き続き好天に恵まれた東日本大会が、インカレショートと近接の芦原温泉近くで行われた。上位クラスは点在する山林を畑の間の長い道走りでつなぐレッグが多かったため、どちらかというと走力に優る選手に向いたコースだったようだ。W21Aでは走力に優る宮内がその武器を最大限に発揮し、復帰好調の伊藤恭子を破っての全日本E権獲得となったのが注目される。会場では手打ちそばの実演販売など地元の協力参加もあり賑わった。

以下、上位クラスの速報結果を。(速報ではWE1位は金子恵美となっていたが、未完走ということなので外した)

ME  10400m  550m     WE    6700m  315m
1.松澤俊行   1:09:58  1.塩田美佐   0:59:54
2.鹿島田浩二  1:10:48  2.中村正子   1:03:09
3.高橋善徳   1:11:26  3.三好暢子   1:03:40
4.紺野俊介   1:13:26  4.深沢博子   1:03:56
5.村越 真   1:15:36  5.宮本知江子  1:04:08
6.安井真人   1:16:32  6.志村聡子   1:05:01
7.新 隆徳   1:16:42  7.草野 望   1:06:01
8.山本英勝   1:18:00  8.金並由香   1:06:50
9.藤城公久   1:19:37  8.渡辺円香   1:08:14
10.小泉成行   1:19:52  10.寺嶋貴美江  1:09:27

MEは以下、小河原、篠原、柳下、稲葉、富田、羽鳥、前野、
山内、許田、土屋までが20位以内

M21A   9800m  410m     W21A   6300m  285m
1.円井基史   1:10:07  1.宮内佐季子  0:56:46
2.水嶋孝久   1:11:54  2.伊藤恭子   0:57:18
3.羽柴公貴   1:13:11  3.石川裕理   1:02:30

W21Aは以下、菅原裕実、安井千晶、小林啓恵、乗松裕子、
澤田留己と続く。

M20A   8100m  310m     W20A   4300m  210m
1.堀江守弘   0:53:59  1.浅井千穂   0:50:47
2.樋口佳和   0:56:40  2.皆川美紀子  0:55:24
3.寺垣内航   0:57:43  3.川島沙耶香  0:58:10



11月24日  ICS2001の栄冠は禅洲拓(東北3)と田島聖子(東京女子3)に

暖かな天候に恵まれたインカレショート2001は、石川県加賀市の日本海に面した防風林で行われた。平らな中に独特の微地形と松の横枝に遮られる部分のあるテレインで、頭では分かっていても苦戦した人が多かったようだ。

男子は昨年2位の東大の加藤がまさかの予選落ちになるなど波乱の幕開けとなった。その余波を受けたわけではないだろうが東大勢は元気がなく、東北と筑波が上位を占め尽くした。わずかに京都の新鋭の新宅が一矢を報いた形だ。新宅は秋田のWGでも良い結果を出しており、この種のテレインは得意のようだ。若手だけに今後が期待される。禅洲は東北の身近な人たちには最近の好調さを知られていたようだが、先輩格の金澤を含む12名の強豪シード連を破ってのノンシードからのチャンプであり立派なものである。また「一番準備してきたので勝って当然」と言ってのける大物振りも見せておりこれまた今後に期待しよう。あとはシード勢が順当に入った。

女子は春のチャンプになった番場と他の選手のレベル差が顕著で、番場の連覇を予想する人がほとんどであった。現に予選では他を2分近く引き離すタイムをたたき出していた。しかし決勝では「しっかり走った」というノンシードの田島が4番、7番でペースが落ちたもののミスなくレースをまとめ栄冠に輝いた。番場は5番で田島に1分半の差を付けられたのが最後まで響き、春秋制覇はならなかった。今回は足の故障などで満足な準備が出来なかったということなのでまた次回に期待しよう。ちなみに筆者の戦前予想は1位:番場、2位田島であった。

ME               WE
1.禅州 拓  東北3 21:57  1.田島聖子  東女3 22:16
2.増田佑輔  筑波4 22:41  2.番場洋子  京都4 23:28
3.金澤拓哉  東北4 22:48  3.黒河幸子  筑波3 23:43
4.小泉成行  筑波4 23:23  4.姫野祐子  東北2 25:53
5.新宅有太  京都2 23:53  5.高橋ひろみ 慶応4 26:43
6.佐々木良宜 筑波3 24:34  6.新宅未笛  筑波4 28:08
7.堀江守弘  東北2 24:42  7.櫻井優子  MG2 28:27
8.大島真謙  北海4 25:24  8.二俣みな子 筑波4 28:35
9.許田重治  京都4 25:50  8.蓬莱真子  千葉4 28:35
10.蔵田真彦  東工3 26:18  10.石川裕理  京都3 28:50



11月11日  埼玉・秩父横瀬大会は、村越(ME)と金並(WE)

前日のショートはどしゃぶりだったがこの日は打って変わって絶好の秋晴れ、のはずだったが正丸峠を越えた辺りから青空の見えない空になってしまった。気温も期待したほど上がらなかったがまずまずのOL日和だった。タフで難度の高いかつてのインカレのテレインということで、上位クラスではかなり苦労した人が多かったようだ。

会場ではフリーマーケットが行われ、オリエンティアならではの秘蔵の品も売買されていた。

速報がぱったり止まってしまい表彰式も中止された。後日発表された暫定速報による上位は以下の通り。

 ME 7490m 630m     WE 4790m 380m
 1 村越 真  1:25:05  1 金並由香 1:16:50
 2 高橋善徳  1:26:51  2 塩田美佐 1:22:22
  3 篠原岳夫  1:31:22  3 三好暢子 1:23:19
  4 鹿島田浩二 1:31:46  4 志村聡子 1:24:52
  5 松澤俊行  1:31:47  5 中村正子 1:27:18
  6 菅原 琢  1:38:04  6 高野由紀 1:28:37

M35-40Aコース(WEと同じ)を走った筆者のルート&アナリシスこちら



11月4日  筑波大大会は、松澤(ME)と塩田(WE)

前夜に降った雨も朝方には上がり、若干濡れた感じは残ったが好天の中、宇都宮市でのニューテレインで大会は行われた。上位コース以外はコース設定が単純過ぎるとの感想もあったがそれなりに楽しめたと思う。このテレインは大会後はクローズされるとのことで残念である。
上位は以下の通り。

ME  9600m  545m        WE   7000m  410m
 1 松澤 俊行   1:16:11  1 塩田 美佐 1:19:54
 2 鹿島田 浩二  1:18:24  2 志村 聡子 1:20:43 
 3 安井 真人   1:21:10  3 田島 利佳 1:21:20
 4 加賀屋 博文  1:21:41  4 金並 由香 1:22:43
 5 紺野 俊介   1:21:55  5 伊藤 恭子 1:22:45
 6 高橋 善徳   1:24:44  6 渡辺 円香 1:23:16

M40-50Aコースを走った筆者のルート&アナリシスこちら



10月28日  全日本リレー、東京都が完全優勝!

降雨確率80%の中、みんなの熱気が雨を遠ざけたのか表彰式の直前まで雨が落ちてこなかった。今年は選手権クラスに2チーム以上エントリーできるようになった最初の大会であったが、その分一般クラスが減少してしまったようだ。2チームのメリットを出したところはなかったようで、むしろMSの埼玉県のように勢力が分散して優勝を逸したのが目に付いた程度であった。
今年は東京33点、神奈川32点、埼玉31点の接戦を予想していたが、神奈川、埼玉とも勝負クラスを落として東京に完全優勝を許してしまった。東京は昨年骨折のアクシデントで悔しい思いをしたWE1走の深沢博子が、見事にトップでゴールして雪辱を果たしたことがその他のクラスにも元気を与えたらしい。神奈川は出場全クラスで2位と3位という珍しい結果となった。
以下、得点集計を示す。

                ME  WE  MS  WS  MJ  WJ  MV
  1  東京   36  12  12   6   6   6   3
  2 神奈川  30  10  10   4       5   5   5
  3  埼玉   27   7  11   5   4   3   4
  4  京都   24   6   8           4   6
  5  愛知   21  11   4       3   1       3
  6  茨城   19   9   5   1               4
  7  千葉   16   5   9               2
  8  静岡   12   8   2           2
  9  長野   11   4   7
  9  兵庫   11   3       3   5           2
 11  大阪   10       6   2   2
 12  三重    6                           6
 13  広島    3   2                       1
 13  新潟    3       3
 15  岐阜    1   1
 15  石川    1       1
 15  奈良    1                       1

※クラス別・走順別の全データ(非公式)はこちら
MV3走を走った筆者のルートこちら



10月8日  早東戦レポート

台風の余波で午後からの雨が予想されていたが、10時半頃から雨が降り始めてしまった。男女ともアップが3%ということで「菜の花台」にしては相当アップが抑えてある。たぶん鉄塔のある辺りから尾根周りをして下りてくるだけだろうと予想する(果たしてその通りだった)。体育館での応援合戦ではOLKの応援歌の音程の高さが揃ってなかったのに対し、OCの方は伴奏を流しての斉唱で差を付けていた。スタートが1時間遅れたため,後半はOB達とかぶってしまって同コースに2人ずつ出るイレギュラーなスタートになってしまった。

対抗戦の結果は詳細は分からないが、OCの纓坂君が伸ばして来た髪の毛を切るはめになったようだ。上位の結果は以下のとおり。

MAは好調の久野が安定した走りでトップ。NT選手に対して106%のタイムは立派! 故障の加藤を欠くOLKだったが降旗、宇田川辺りがしっかり上位に入った。OCではプレセレ同様に寺垣内が一人気をはいた。WAは田島、丸山らが欠場だったが、水野が一矢を報いた。そのあとは川島、伊是名、矢口らの常連が上位を占めた。MF、WFも層の厚いOLKがトップを死守した模様。

MA  3900m 120m
1 久野雄介   OLK  33:42
2 降旗芳典   OLK  35:26
3 寺垣内航   OC   36:09
4 宇田川雅令  OLK  38:48
5 青島健太   OC   39:43
6 深沢佑介   OLK  39:45

OMA  3900m 120m
1 紺野俊介        31:40
2 鹿島田浩二       31:48
3 安井真人        32:04

WE  3200m 120m
1 水野真理   OC   53:37
2 川島沙耶香  OLK  54:13
3 伊是名奈津子 OLK  56:39
4 矢口恭子   OC  1:00:29
5 関根亜希子  OLK 1:01:07
6 ???

MF  3000m 90m
1 野口和範   OLK  35:32
2 西川徹    OLK  36:46
3 栗林大輔   OC   37:05

WF  2000m 60m
1 金城千晶   OLK  34:34
2 中野真希   OC   35:24
3 拓植春奈   OC   38:52

OMAコースを走った筆者のルート&アナリシスこちら



9月30日  関東プレセレ&併設大会終了

雨が降り出す前のどんよりした天気で暑くも寒くもないOL日和。プレセレと併設の七国峠大会が多摩OLとのジョイントで開催された。筆者も併設大会に出ながらプレセレの様子を観戦したので報告する。

<プレセレ>
筆者が11:30頃にゴールした時の男子のベストタイムは60分程度。コースは違うが同じ6kmを自分が50分だったことからこれはもっと早いタイムが出るな思ったら、直後に早稲田の寺垣内が54分で飛び込んで来た。キロ9分ですばらしいタイムだ。
一方の女子は皆川美紀子と山本真美が60分を出した後が続かない。田島聖子が55分くらいを出すのではと予想していたが、途中1ヶ所で7分近くロスしたらしく、1分後の高野麻記子に先行されてやはり60分台でゴール。その高野が58:36でトップとなった。
男子はその後何人もシード選手がゴールするが60分は切るものの54分までは届かない。あとは久野雄介だと思って時間を測りはじめたら、すぐに現れて50:39というぶっちぎりのタイムをたたき出してトップが決定した。
セレクションは男子がコースごとに各36名が通過。女子は54名が通過ということだったが、女子はDNSを除くと定員割れしてしまったようだ。

ME1    6000m 280m
1 久野 雄介  東京大学    2   50:39
2 寺垣内 航  早稲田大学   2   53:56
3 芳賀 俊哉  千葉大学    4   54:50
4 川上 崇史  慶應義塾大学  1   56:21
5 時岡 優   筑波大学    3   57:10
6 小林 武史  千葉大学    4   58:20

ME2    5900m 290m
1 福澤 昌俊  筑波大学    4   56:20
2 鈴木 未生  筑波大学    4   58:44
3 内田 拓馬  千葉大学    3 1:00:07
4 桜田 隆之  筑波大学    2 1:00:24
5 藤野 友祐  東京工業大学  3 1:00:27
6 菊澤 恵三  東京工業大学  3 1:01:14

WE     4800m 200m
1 高野 麻記子 筑波大学    2   58:36
2 皆川 美紀子 東京農業大学  2 1:00:10
3 山本 真美  東京女子大学  4 1:00:14
4 田島 聖子  東京女子大学  3 1:00:28
5 望月 純子  相模女子大学  3 1:10:59
6 竹内 麻理  実践女子大学  4 1:01:47

<新人戦>
新人戦は男子は農工大の山下智之がキロ7分を切る快走で2位以下を5分以上ぶっちぎって優勝。コースがMEほど難しくはないとはいえこれはすばらしいタイムだ。女子は早稲田の中谷瑞木が秒差で津田塾の大井川真里を破って栄冠に輝いた。

MF     4700m 145m
1 山下 智之  東京農工大学  1   32:26
2 尾崎 高志  早稲田大学   1   37:35
3 益本 宇一郎 東京大学    1   40:10
4 土井 慶紀  早稲田大学   1   41:01
5 福田 大輔  東京大学    1   41:15
6 加登屋 毅  早稲田大学   1   43:32

WF     3400m 120m
1 中谷 瑞木  早稲田大学   1  35:14
2 大井川 真里 津田塾大学   1   35:32
3 花木 睦子  千葉大学    1   37:11
4 金城 千晶  東京女子大学  1   37:37
5 杉崎 真由子 筑波大学    1   37:44
6 安元 由美  立教大学    1   38:16

<併設大会>
最長コースのBLACKは松澤が貫禄の好タイムで1位。稲津が悪くないタイムで続く。女子トップの塩田は全体で11位、トップ比124%のタイムは評価できるだろう。

BLACK  7000m 300m
 1 松澤 俊行    48:45
 2 稲津 隆敏    51:43
 3 澤田 晴雄    56:27
11 塩田 美佐    60:44  (124%)

BROWN  6000m 230m
 1 尾上 秀雄    49:58
 2 三好 暢子    52:27
 3 大塚 校市    53:47

BLUE   5000m 210m
 1 大西 淳一    42:39
 2 柳澤 貴      45:03
 3 奥田 健史    45:26

BROWNコースを走った筆者のルート&アナリシスこちら



9月23日  東大OLK杯(秋合宿)は久野(2)と田島(3)

秋晴れに恵まれた23日、「村山口登山道」で恒例のOLK杯。エースの加藤が不出場ということでカップの行方は混沌としていたが、タイトル通り今年のJWOCでも活躍した久野雄介と田島聖子が制した。今回はNTの松澤、鹿島田らの参加もあったおかげでレースの反省会も熱の入ったものとなった。久野は翌日の東静戦でもトップとなり好調を維持している。女子は田島以外は100分オーバーで、比較的難度の高いコースにみんな苦戦したようだ。新人MFは福田大輔が勝利。

WEコースを走った筆者のルート&アナリシスこちら



9月22日  マティアス&シモーネのWG参戦記(翻訳)

1ヶ月前のことになるが、ワールドゲームズに参加したスイスチームの2人の参戦記が彼らのHPに載っていたので紹介する。
原文: http://www.simattu.ch/

<マティアス・ニグリ  Matthias Niggli>
2001年8月21日
 1週間前のことだった。我々は地球をぐるっと回って今また家にいて、すべてが同じに見える。しかしやはりそれは同じではない。私の頭は新しい印象で一杯で身体は時差ぼけ状態である。
 先週秋田に着いた時は暑さと湿度が我々にとって大きな問題であった。しかし幸いにも宿舎にはエアコンが付いていて走る前に汗をかかずに寝ることができた。テレインでの2回のトレーニングで、私はすっかり準備ができ時差ぼけも解消していた。土曜日にはすっかりその気になってスタートすることができた。コースは思ったより少し緑がちで、コントロールを探さざるを得なかった。最初のいくつかのレッグは少し遠回りをしたがうまくまとめることができた。タイムは良くなかったが15位ということで、他の人たちもテレインに悩んだようだ。午後には少し飲んで楽しんだが、次の朝にはミックスリレーが待っていた。
 私は1走だった。前半は好調で私は先頭集団だった。その後私のルートは2度分かれ、とりわけ2回目に私のパックは少し迂回ルートを取った。その後前方にずっと先頭が見えてはいたのだが追いつくのはほとんど無理だった。先頭からの遅れは小さく私は先頭から34秒遅れでゴールした。残念なことにブリギッテが2走で大きなミスをしてしまった。高速テレインと短いコースのため、マティアス・ギルギエンとシモーネが挽回するのは不可能だった。結局我々は7位に終った。もちろんもう少し良くしたかった。
 日曜のWGパーティ後、月曜には我々は帰らなければならなかった。印象もよくいい大会だったけれど、この国と人々と完全に親しむことはできなかった。日本人はみんなとても友好的だったが、それは大変特別なものでもあった。
 今は再び静かな状態になっている。しばらくの間、遠征の計画もない。EOMのために再び始動するまでトレーニングも穏やかなフェーズに入っている。

<シモーネ・ルーダ  Simone Luder>
2001年8月21日
 日本での短い1週間はあっという間に過ぎ去った。我々は多くの印象深いできごとを経験した。開会式のゴージャスな印象、興味深くて良くオーガナイズされた大会、そして最後のパーティ(そこでボディビルダーと上腕部の太さを比較することができた)。
 日本へのフライトは問題なかった。私は5時間くらい寝られたのでかなり短く感じた。快適でなかったのは我々を出迎えた秋田の暑さだった。それは湿度を伴うものでそれが大きな問題だった。走り始めると途端に汗がしたたり落ちた。飲んだ水と頭からかぶった水の量は測り知れない。
 空港で出迎えてくれた多くのWGのボランティアが我々を正しいバスに誘導してくれたが、宿舎に付くまでしばらく時間が掛かった。すぐに寝付けて全く問題なく、翌朝は既にかなり良い感じだった。暑くなりそうだったので我々はできるだけ早めにトレーニングを始めた。最初の森とのコンタクトは心地よいものであった。地面にはほとんど植生がなく、とても早く走れる森であった(ボルドーやポルトガルと同様に)。しかし非常に高い技術レベルが要求される緑の部分も含まれていた。それは竹の一種とリアネンから成り、ポストはしっかり隠れていた。午後に開会式が行われた。それは本当にすばらしいイベントで、太鼓の音楽やカントープレーヤやその他の多くのショウがあった。
 金曜日に最初のテストランがあったので私は感触を掴むために幾つかのポストをスピードをあげて試してみた。すべてが非常に速いスピードで通り過ぎるので(地図は1:10000、等高線間隔は2.5m)微地形エリアを走り抜けるためには大変高い集中力を必要とした。午後は他のスポーツを経験しようとロールホッケーを見に行った。日本チームがポルトガルに早々と24対3で負けてしまったけどそれは大変興味深く面白かった。
 土曜日の唯一のレースは2つの部分から成っていた。いつも2人の選手が同時にスタートした。私のスタートタイムは最後だった。スタジアムのスタートのそばに、"I love Simone" というプラカードを見付けて少なからず驚いた。あとで知ったことだが、日本にも私のファンがいるらしい。ワォー!
 第1ラウンドは完璧ではないけど大変うまく行った。ボードの表示で自分がうまくやっていることが分かった。自分と同時スタートのリータ・コルッカラは、まだ自分より後ろだった。第2ラウンドは違うものだった。緑の中で私は方向を間違える大きなミスをした。このミスで約3分を失い、次のポストでもさらに小さなミスをした。2回目の集合ポストに戻って来たとき、私はハンネが勝者としてフィニッシュしようとしていることを知った。私にはまだ小さなファイナル・ラウンドが残っていた。最終的に私は5位で悪くはなかったが、もう少し何とかなったかもしれない。午後は海に飛び込んだ。温度は25度でちょうど心地よかった。
 ミックスリレーは個々の走る時間が約25分と大変短いので非常に緊張したものにならざるを得なかった。1走のゴールはとても接近したものだった。マチアスは好調でフィールドの真ん中をトップのすぐ後ろに続いて戻って来た。ブリギッテは1番までに多くのランナーに追いつき追い抜いていたが、残念ながら3番ポストでミスをしてしまった。マティアス・ギルギエンは良い走りをしたがトップ集団に追いつくのは困難だった。私も良い走りをすることができて最後はリータ・コルッカラとの一騎打ちとなったが、運よく私たちの方が勝つことができた。
 夜は最後のパーティで、再び日本食を楽しむことができた。他の人たちがどんなスポーツ選手なのかを当てるのはとても面白かった。いくつかは明らかだった(ボディビルとパワーリフターは我々とはまったく違って見えた)。しかしフライングディスクの選手は当てることができなかった。その後我々はオランダの2人のライフセービングの選手と話をした。彼らはそのスポーツの詳細を説明してくれた。もちろん我々もオリエンテーリングを紹介したが、既に聞いたことがあるということで知っていた。
 翌朝、我々は5時起きで22時間かかってTaegertschiに疲れて到着した。概して日本人は親切で友好的である。彼らはいつも笑顔で「ハイ、ハイ(yes、yes)」と応えてくれる。秋田の小学生のことを書いておこう。彼らは全部の森の清掃をしてくれた。そして小さなプレゼントをたくさん我々にくれた。オリエンテーリングがそんなにポピュラーでないこの国で、このように一生懸命に取り組んでいる人たちに出会えたことはとてもすばらしいことだった。



9月11日  クラブカップは多摩OL、ベテランカップはOLP兵庫が

台風の影響で雨を覚悟の大会参加にもかかわらず、前日の水篶刈大会もクラブカップも日差しの暑い2日間となった。今年も制限選手のルールや地図持ち込み可などいくつかの違いはあったものの、各クラブとも手慣れた雰囲気で大会は進行した。地図持ち込みではあったが前走者の話を聞いても「結局自分で走らないと駄目だよな」ということで、それほど違和感はなかった。
スタートフラグまでのだらだら登りの道路や西側の山の斜面の見える場所、ビジュアルで給水場所に指定された通路、誘導の終りから東側の斜面を降りていく場所、ラスポから駐車場へ戻って来る場所、などなど多くの観戦場所が用意されており、待っている選手にも終った選手にも楽しめるレイアウトになっている。
レースは前半の西側斜面を11分前後でトップ集団が戻って来た。1走は97同期会の紺野が設定ウイニング通り(29分台で)戻って来た。JWOC帰りの東北大の堀江らの元気な顔も見える。レースはA制限選手をまとめて使った多摩OLの1走が女子3名を含めて次々とゴールし有利な展開となる。中盤から渋谷で走る会との一騎打ちの様相となってきた。2走に菅原、3走に東工大OBの円井を使ってつないだ多摩の4走はヨルク。羽鳥(渋谷)と同時に出て行ったと思ったらビジュアルでも併走状態は続き結局そのまま同時ゴール。興味は5走対決に移った。
5走はJWOCで活躍した高校生の山田(多摩)と全日本チャンプの金並(渋谷)だ。これは山田優位だが見過ごすわけには行かない対決。スタートまでの坂道から山田が先行して少しずつ差を付ける。5分程度の差が付くかなと見守る中を予想通り4分ちょっとの差を付けて山田が帰って来る。これで6走の鹿島田(渋谷)がどれだけ追い上げるかに興味が移る。しかし鹿島田は前半で2分縮めたものの後半はむしろ10秒程度差が広がる展開となり、多田(多摩)の踏ん張りで結局ここまでの差で勝負が付いたようだ。最後は上坂(多摩)が篠原(渋谷)を相手にこの差を大事に守り逃げ切った。これで多摩の3連覇となった。

クラブカップ7人リレー
   1.多摩OL     4:24:00
   2.渋谷で走る会  4:26:47
   3.京葉OLクラブ  4:35:55
   4.横浜OLクラブ  4:44:54
   5.三河OLC     4:51:37
   6.つくばROC    4:55:23

一方、ベテランクラスは昨年最後の逆転で苦汁をなめたOLP兵庫が河の活躍で独走状態になり、最後は上野山がきっちり締めくくって昨年の汚名を晴らした。2位は愛知OLCが終始安定した走りでOLPに続いたが3位以下は混沌。オープンのチームが多かったのと、ワンダラーズが京都OLCの地図を取ったとかの情報が飛び込んできて最後まで様子が分からなかった。結局着実につないだサン・スーシが何とか3位に滑り込んだ。

ベテランカップ
   1.OLP兵庫    3:09:30
   2.愛知OLC    3:19:55
   3.サン・スーシ  3:34:19

6走Mを走った筆者のルート&アナリシスこちら



8月12日   北東インカレは禅洲と本多が栄冠を!

前日の雨空とはうって替わって暑くなった天候の中で北東インカレが開催された。場所は裾野。ICSセレとIC01の第1戦を兼ねた大会だけに学生達の思い入れは大きい。外部からは関東の各大学の他、遠くは京都大学からも複数の参加があり賑わいを見せた。学生の成績は以下の通り。男子の1、2位、女子の1位は来春のインカレエリート権も決定した模様。

ME               WE
1.禅洲 拓(東北) 1:30:03  1.本多祐子(東北)  1:38:01
2.大嶋真謙(北海道)1:36:06  2.半澤美咲(東北)  1:45:57
3.堀江守弘(東北) 1:42:44  3.高橋 舞(MG)  1:51:09
4.奥山有功(東北) 1:44:07  4.藤谷弘美(東北)  1:56:12
5.梶谷拓志(東北) 1:45:10  5.高橋 睦(MG)  2:34:18
6.金澤拓哉(東北) 1:48:39  6.中塚美幸(MG)  2:36:13

OWEを走った筆者のルート&アナリシスこちら



8月4日   京大杯は許田と番場が順当に!

「村山口登山道」で京大杯が開催された。全員がスタート時間に合わせて西の家からバスの送迎でテレインに向かう。男女とも2人ずつの選手がシードされていたが、結果もその2人が1、2位を占めるという順当な結果に終った。男子では1、3位を当てるトトカルチョが行われていたが3位には前田が入った。女子は期待の新人宮内が3位に入ったが男女とも3位以降はタイム的には差が大きい。

ME  7100m  210m        WE   4600m  75m
1.許田重治(4)   0:58:17     1.番場洋子(4)     0:30:23
2.西尾信寛(3)   1:00:51     2.石川裕理(3)     0:38:37
3.前田哲史(4)   1:09:36     3.宮内佐季子(9)   0:44:14
4.岡野健太郎(4) 1:16:13     4.足立悠紀子(京女3) 0:56:37
5.牧野雅臣(3)   1:16:33     5.若木まりも(2)   1:04:33
6.玉祖秀人(4)   1:17:19     6.岸川紀子(京女4)   1:06:50

MEを走った筆者のルート&アナリシスこちら



7月1日   東工大OLT杯は蔵田が獲得。

梅雨の合間の猛暑の中を「日光口磐裂の霊水」で行われたOLT杯のレースには、東関東各地からのオリエンティアで賑わった。主たる結果は以下の通り。

MA
 1.蔵田  0:58:56
 2.山根  1:07:35
 3.岡部  1:10:26
 4.藤野  1:13:12
 5.氏原  1:17:51
 6.菊澤  1:20:54
 7.金田  1:21:13
 8.斎藤  1:23:37

OA
 1.松澤   46:33
 2.高橋善  46:33
 3.鹿島田  47:58
 4.小泉    48:24
 5.安井    48:28
 6.佐々木  51:13
 7.篠原    51:34
 8.安良    52:40
 9.菅原    53:13
10.増田    54:07
11.柿並    54:35
12.村上    55:36
13.藤咲    55:58
14.多田宗  54:56
15.山田高  56:20
16.石井龍  56:39
17.金澤    57:04
18.宇田川  57:24
19.後藤    58:25
20.梶谷    58:57

OB
 1.加藤弘  41:53

OLT杯対象のMAと同コースのOAには、WOCやJWOCを目前に控えた選手達の参加も見られた。そうした中で、小泉、佐々木、増田らの筑波大現役が大健闘し、東大、東北大に差を付けた形となった。今年の高校生JWOC選手の山田も快調なレース運びで同行コーチ柿並に2分差と迫る結果だった。
OBクラス(Bではなく、OASと言った感じ)では、東大の加藤が復調を印象づける走りでトップ。まだ本調子にはほど遠い感じではあるが明るい材料だ。



6月3日   第23回東大OLK大会は加賀屋と金子が制す。

もうすぐ梅雨入りという時期だったが、快晴の日和で青空会場がすばらしく気持ちの良い大会であった。コンピュータのダウンで結局表彰式はエリートクラスだけとなったが、競技自体は問題なく推移し参加者には満足な大会であった。

ME                     WE
1 加賀屋博文  1:09:55   1 金子恵美  1:07:49
2 松澤俊行    1:10:48   2 中村正子  1:10:10
3 鹿島田浩二  1:13:29   3 三好暢子  1:11:58

M50Aを走った筆者のルート&アナリシスこちら

4月15日   第15回新大大会は遠征勢が大会あらし?

第15回新大大会が新潟県三島郡和島村・与板町で、前夜の雨も上がった快晴のOL日和の中で開催された。地図は「塩入峠」の拡大リメイクだが、1:15000でA3という大きなものだった。作図も手書きということで調査、作図とも部員の意欲が感じられた。テレインも畑こそ入り込んでいるが概ね白く、微地形もあって楽しめるものだった。

結果は以下の通り(速報より、Aクラスのみ)

ME    9700m  495m
1.小泉成行  1:34:40
2.八巻徳郎  1:43:50
3.西山裕己  1:48:22

M21A  7700m  450m
1.許田重治  1:11:42
2.小野田雄介 1:13:00
3.石井泰郎  1:13:08

MAS  6500m  300m         WA
1.真貝    1:09:01  1.番場洋子  1:17:02
2.中野悦   1:13:14  2.岩谷ひろみ 1:23:18
3.猪又    1:25:15  3.志村直子  1:23:29

M40A  4800m  250m        WAS
1.尾上秀雄   48:41  1.丸山由美子 1:35:58
2.浦野 弘  1:15:46  2.若松リツ子 1:45:32
3.土屋晴彦  1:19:10  3.秋山裕子  2:06:10

MEはインカレシードだった筑波大学の小泉が制した。スタートまでのテープ誘導を間違えてゴールまで行ってしまったOBの中○篤という人もいた。
M21Aは小野田と石井が8秒差ということで、かつてのインカレの7秒差を思い起こさせたが、遠征組の京都大学の許田があっさり2人を交わして勝ってしまった。
W21Aは同じく京都大学の番場がインカレチャンプの貫禄を見せて賞品をかっさらって行った。

M40Aを走った筆者のルート&アナリシスこちら



4月7日   IC2000個人戦WEの入賞者6名のレース推移

高島氏がSplitsBrowserというソフトを使用してインカレWEの様子をグラフ化してくれたので入賞6名の部分を紹介する。
                                                                                                                  by Kazuhiro TAKASHIMA

レースの様子も、グラフを見れば一目瞭然である。横江、上松が淡々とミスのないレースを続けたのに対し、優勝候補に挙げられていた番場、小林、塩田の3人はいずれも速いペースでのナビゲーションに失敗して大きくタイムをロスしている部分が見られる。ロスを5番のみに抑えた番場、6番、7番とミスの止まらなかった小林、3番のミスがいかにも大きかった塩田と三者三様だが、それが結果にそのまま現れた。



4月5日   IC2000個人戦、表彰式インタビュー
     「完全プレイバック」 
     <インタビューア:山本英勝>

女子                                男子
(1)番場洋子 (京都3) 57'01      (1)安井真人 (早稲田4)70'55
(2)小林啓恵 (東北4) 60'56      (2)金沢拓哉 (東北3) 71'05
(3)横江君香 (京都橘4)62'20      (3)紺野俊介 (早稲田4)71'17
(4)上松佐知子(筑波4) 63'38      (4)加藤弘之 (東京3) 76'44
(5)塩田美佐 (筑波4) 64'25      (4)許田重治 (京都3) 76'44
(6)池田和香子(東北4) 65'13      (6)猪飼 雅 (金沢4) 79'53

<女子>
山本「優勝おめでとうございます。レースの出来としてはいかがでしたか?」
番場「えーと、さっきも言ったんですけど、予想していたコースとだいたい似ていたので安心して回れた感じがあります。」
山本「今回が実は京都大学の男女初の優勝ということですがそこらへんについては?」
番場「さっき聞いたので嬉しいです。はい。」
山本「これで偉大なる先輩達を越えたと言う感じですかね。」
番場「え、さすがにちょっとそこまでは。ですけど、後輩にもそういう人たちが引き継がれていったらいいなと思います。」
山本「今回愛知でのインカレということなんですけれども、実は番場さん名古屋の血が流れていると聞いたんですけど。」
番場「はい、母親が名古屋の人なので。はい。今回もおばあちゃんちから来ました。」
山本「こういう地元で優勝できたということは嬉しいですか?」
番場「は、はい、そうですね。」
山本「最後になりますけれども、今回について伝えたいことは誰かにありますか?」
番場「えっ、今回についてですか? あ、そうですね。応援してくれた皆さんや、今までアドバイス下さったいろんな方たちにお礼を言いたいと思います。ありがとうございました。」
山本「どうもありがとうございました。おめでとうございます。」
山本「では2位の小林啓恵選手に伺いたいと思います。え、今回のレースですけども、どういうところを注意しましたか?」
小林「はい、やっぱりいつものレースをするということで、え、何だろ。変に気負って何かいつもと違うことをしないように、それだけは注意しました。」
山本「優勝された前回も含めて何度も同じような相手と戦っていると思うんですけど、その中で今回の結果はどういう風に見ますか?」
小林「いや今回は自分でレースをしてみた結果、もうちょっと回りの方が上に行くかなと思っていたので、予想外と言えば予想外でした。」
山本「今後この愛知では世界選手権等もありますけど、そこら辺に向けて目標があれば?」
小林「ちょっと今そこまでは。まず明日のレースがあるのでそれに向けて気持ちは向いています。」
山本「明日のレース、頑張って下さい。どうもありがとうございました。」
山本「3位の横江さんにお伺いしたいと思います。今回シード選手を決める際に、まあ横江さんをシードにするかどうかでもめたらしいんですけども、まあそのところでこの結果を残してすばらしいと思うのですが、そこら辺どう思います?」
横江「シードになれなくてとても悔しかったので、できるだけたくさんのシードを食べちゃおうかなと思って頑張りました。」
山本「その結果としてのこの順位に関しては?」
横江「気が付いたらとても気持ち良く走れてて、あっというまにゴールだったのでとても満足しています。」
山本「結構言いレースができたということですね?」
横江「自分のレースは良かったんですけど、安井千晶先輩に、君香ちゃんのために2位で上1つ空けといたからねといわれて悔しかったんで、できれば2位以上を目指してたんですけど、レースは満足です。」
山本「どうもありがとうございました。おめでとうございます。4位以下の方に一言ずつ伺いたいと思います。」
山本(上松に対して)「じゃあ、一言お願いします!」「??」(会場:笑)
山本「今回のレースについて、ご感想を!」
上松「え、あ〜、ぁ〜。あ・し・た・は・頑張ります。」
山本「じゃあ、頑張って下さい。」
山本「塩田選手、今回結構優勝候補と言われていましたがそこら辺については?」
塩田「優勝候補とかっていうのは全然考えてなかったんですけど、優勝はできるだろうとかちょっと思ってて、でもちょっと一ヶ所で大きくつぼってしまって、たぶんそれが響いてこの結果になったと思います。で、その一ヶ所を除いては、まあまあのできだったので、明日はそのいい調子で明日は頑張って臨みたいと思います。」
山本「明日は頑張って下さい。おめでとうございます。」
山本「最後に東北大の池田さんにお伺いしたいと思います。今回東北大は結構いい結果だったと思うんですが、そこら辺を踏まえて明日の予想は?」
池田「え、東北大が優勝します。」(歓声)
山本「じゃあ、そういうふうになることを考えまして、頑張って下さい。」

<男子>
山本「安井選手、優勝おめでとうございます。え〜本日は地元での優勝ということなんですけど、それに対して特別な思いとか何かはありましたか?」
安井「そうですね、あの2年生の頃から4年になったら愛知でインカレがあると聞いていたんで、一つ狙ってやろうと思っていました。」
山本「済みません、安井選手は愛知の出身、ここら辺の近くになるんですかね?」
安井「ええと知多半島の田舎の方なんですけども、ここからはちょっと遠いですね。」
山本「本日のレースなんですけれども、1番でミスしたと言うことで、まあゴールした時のインタビューでおっしゃってましたけど、そこら辺で何か気持ちの切り替えをしたとかそういうのは?」
安井「そうですね1番でミスしてかなり焦ってしまったんですけど、今までやってきたことを無駄にしたくなかったんで、あの、何とか自分を制して立て直しました。」
山本「その後のレースの展開としてはうまくいったという感じですか?」
安井「そうですね、ちょっとミスした所もあるんですけども、あとは淡々にずっとできました。」
山本「安井さんと紺野選手というと早稲田の2人のエースということだったんですけども、そこら辺でやっぱりライバルを意識したということは?」
安井「ライバルとは思ってなくてずっと目標に思っていたんで 特にライバルというわけではなくて、あの〜まあ俊介のお陰でここまで自分はやってこれたなというのもあったんで。あの〜、俊介のお陰だと思っています。」
山本「では明日に向けて何か抱負を一つ。」
安井「そうですね。最終的に目指してきたレースは明日なんで、必ず優勝したいと思います。」
山本「どうもありがとうございました。」
山本「それでは2位の金澤選手にインタビューさせていただきたいと思います。今回の結果についてどう思いますか?」
金澤「そうですね、ゴールした時点では結構いけるかなと思っていたんで、紺野さんが、・・・勝ってたんで、あ、行けると思ったら、最後に安井さんに飛び込まれてちょっと悔しいですね。」
山本「まあ、あの〜今回安井選手には負けてしまったんですけど、結構優秀なJWOC99年に行った組ではトップということですよね。そこら辺でどう、あの〜同期に勝ったということは?」
金澤「あ〜、うん、でも今までも勝って来ているので・・(爆笑) まあ当然勝つものだとは思ってました。」
山本「結構あの今回早稲田は1位と3位に入賞しているんですけれども、明日に向けては、東北大としては?」
金澤「えーっと、うちは今年は完全に挑戦者の立場なので、まあ深く考えないでもう思い切って走るだけです。」
山本「どうもありがとうございました。明日は頑張って下さい。」
山本「3位の紺野選手に、え〜、インタビューさせていただきますが、そのままの格好でよろしいんですかね? 皆さんに披露したいとか、そういうのは?」
紺野「よろしいんです。」(笑)
山本「早稲田の他のメンバーからは紺野選手は、やる時はやる、やってしまう時はやってしまう、って言うことを聞いてたんですが、今日はやってしまったという感じですかね?」
紺野「やっちゃいました!」(笑)
山本「どこら辺が、まあミスったとか、そういうのは何かあります?」
紺野「そうですね、2番でちょっと違う尾根を降りて、登り直して、後半11番でも、登り過ぎて、まあ自分のミスなんですけどまあ2番くらいのミスならまあ、何とかなるかと思っていたんで、まあ11番のミスが一番痛かったです、はい。」
山本「昨年も不本意な結果だったと思うんですけど、まあリレーで挽回したと思いますが、そこら辺明日に向けて。」
紺野「いや明日は、この鬱憤をはらします。はい!」
山本「では明日は頑張って下さい。どうもありがとうございます。」
山本「では4位の許田選手、でいいかな先に? 両方とも4位なんですけども。今回京都大学は良い順位で来てると思うので、他の男子のメンバーもそれなりに、また調子もあげて来ていると思うんですが、そこら辺明日に向けて抱負を。」
許田「まあみんなをまとめて早稲田とトータルでどれだけ争えるかというのを目標にやって来たんですけど。そうですね5人すごい早かったんですね、団体戦は。だから4人刺激しあえて良いチームができたんで団体戦はすごい楽しみですし、今日も、結構目標にしていた順位が取れたので。ぼくJWOCのその同期の・・ ぼくJWOCには行ってないんで、同期の人とは仲がいいんですけど、ちょっと異質なんで、まあでも彼らのお陰で凄い頑張れてて凄い幸せです。」
山本「どうもおめでとうございます、明日も頑張って下さい。」
山本「同順位の4位の加藤選手になりますけど、まあこれもまた先ほどのJWOCの中では、今回の3年生で早い選手がおりまして、そこら辺で今回2位ということですね。そこら辺どうですか?」
加藤「えーと、クラシックは僕は苦手なので、今上にいる3人には勝てそうな気がしなかったんでこの順位で満足しています。金澤君には僕はずっと負けていないんですけど、去年のインカレ以来負けてないんですけど、またインカレで負けてしまったので、来年は・・勝ちます。」
山本「頑張って下さい。」
山本「最後になりますけど、金沢大学の猪飼選手。実は北信越では初めての男子入賞といういうことだそうなんですけど、そこら辺について一言。」
猪飼「ええ、まあここ数年チャンスはあったんですけど、はい、取れなかったので、今年は絶対取ろうと思ってました。」
山本「どうもおめでとうございます。ありがとうございました。」



4月3日  インカレで活躍したJWOC選手達(個人戦20位以内)

表彰台に乗ったメンバーの内の2/3がJWOC経験者でした。

                                      98    99    00
  2 ME  金澤  拓哉     東北大学             ○
  3 ME  紺野  俊介     早稲田大学    ○
  4 ME  加藤  弘之     東京大学              ○    ○
  6 ME  猪飼  雅       金沢大学        ○
  8 ME  増田  佑輔     筑波大学              ○
 10 ME  田崎  友康     東京農業大学          ○
 11 ME  大嶋  真謙     北海道大学            ○
 12 ME  西尾  信寛     京都大学                    ○
 13 ME  宇田川雅令     東京大学                    ○
 16 ME  禅洲  拓       東北大学                    ○
 

  1 WE  番場 洋子     京都大学              ○    ○
  3 WE  横江  君香     京都橘女子大学  ○    ○
  4 WE  上松  佐知子   筑波大学        ○
  6 WE  池田  和香子   東北大学        ○
  8 WE  古澤  裕子     広島大学                    ○
 12 WE  高橋  ひろみ   慶應義塾大学          ○
 13 WE  井手  千寛     相模女子大学                ○
 20 WE  増山  歩       新潟大学              ○



4月3日   IC2000団体戦、表彰式インタビュー
     「完全プレイバック」 
     <インタビューア: 落合志保子>

<女子>
落合「花束に埋もれていますが筑波大学の皆さん優勝おめでとうございます。では1走の塩田選手の方から少しずつお話を聞いて行きたいと思います。塩田選手、学生の中では圧倒的な走力を持ち、さらに実績も十分ということで筑波の1走を任されたわけですけど、筑波大学1走の役割とはどんなものだと感じてましたか?」
塩田「今回に関しては筑波は先行逃げ切りで行こうと決めていたので、1走の役割としては無難に帰って来ることはもちろん、差を付けて2走につなげ3走まで、ということです、はい。」
落合「差が3分弱ということですが、それはまずまずでしょうか?」
塩田「3分というのはまあまあかなという感じで、私はすごい楽しくいいレースができたし、東北の方もいいレースができたと思うので、3分は満足です。」
落合「ありがとうございます。2走を任されました上松選手、上松選手は山口インカレの時から既にもう優勝を経験していまして、3年連続金メダルということですが、そのあたりメンバーは毎年替わっていると思うんですけど、今年のメンバーではどのような思いで走りましたか?」
上松「えぇ特に去年が、もう何か最強のメンバーだったんですけど、それとは違って今年のチームは違う意味で一番楽しいメンバーで走れたと思います。」
落合「それからシード選手2人、入賞者2人と一緒に走った二俣選手、2人がトップ独走で帰って来て7分の差があったわけですけども、スタートの時点ではその差は分からなかったと思います。かなりプレッシャーがあったと思いますがいかがでしたか?」
二俣「ええとプレッシャーはあまりなくて頼り甲斐のある先輩なんで、自分のオリエンテーリングをやってこようと思っていて、いつも通りミスもして、いつも通りうまく行くこともあって、という感じで楽しくできました。」
落合「3人がそれぞれに信頼し合って、自分の役割を十分果たせたということですね、おめでとうございます。」
落合「続きまして2位の東北大学です。東北大学1走から3走までちょっと一言ずつお話を伺いたいと思います。まず1走の池田和香子選手、塩田選手とは競り合って走っていたわけですか?」
池田「前にちらっと見たりはしたんですけど、一緒になったことはほとんどなかったです。塩田さんはもう早いので先に行くものと思って、自分は関係ないと思って走りました。」
落合「筑波大学と3分ちょっとで受け取ったわけですけど、後ろに小林啓恵選手が控えているというわけで、井上アヤ乃選手、どのような気持ちで走りましたか?」
井上「とにかく前との差は気にせずに自分のレースをして、あとは3走の小林さんにつなげば・・と、それが自分の役割だと思って走りました。」
落合「いいレースができましたか?」
井上「ちょっと悔しかったところもありますが、楽しく走れたので良かったと思います。」
落合「7分の差で受け取った小林啓恵選手ですが、筑波の方の背中は見えてましたか?」
小林「いや、一度も見ることはなかったんですが〜、まあ、あの〜、自分の中では入っていたかなとは思ったんですけど、結果的にはあとちょっとだったなって思いました、はい。」
落合「全員4年生だったので後輩に向けて一言お願いします」
小林「来年は私たちが取れなかった分を、後輩が引き継いで取ってくれると信じているので1年間頑張って欲しいと思います。」
落合「ありがとうございました。それでは京都大学、昨日インカレチャンピオンになりました番場洋子選手にちょっとお話を伺いたいと思います。まず、番場洋子選手おめでとうございます。」
番場「ありがとうございます。」
落合「チームづくり、去年と同じメンバーだったわけですが何か苦労した点等ありますか?」
番場「去年と1人メンバーは変わってるんですけど、去年はちょっとみんなで信頼できていなくて失敗してしまったので、今年は本音でぶつかり合って、今ここに立っていないもう一人のメンバーと(1走の杉山選手が思わず涙ぐむ)、4人で分かり合えるように本気でぶつかっていったのが良かったなと思います。」
落合「4年生、まだ一人もいませんので来年に向けての意気込みをお願いします。」
番場「また今回のことを生かして、来年も同じ、1年生も入れていいチームが作れたらいいなと思います。」
落合「おめでとうございます。続きまして、第4位になりました静岡大学です。静岡大学、久しぶり第17回インカレ、私が走った第17回インカレ以来(会場:爆笑)の入賞ということで、私も後輩たちにいろいろ思っていたことはあったんですけど一言お願いします。」
森田「そうですね、本当に嬉しい気持ちで一杯なんですけど、ここにいるのは3人。でも本当に走ったのは目指してきた女子5人とオフィシャル、で、みんなで力を出し切ってこの結果が出せたと思います。本当にありがとうございました。」
落合「続きまして第5位、京都橘女子大学です。京都橘女子大学は3年連続入賞ということですがこの結果はいかがですか?」
横江「一応4年ですが・・」(会場:笑)
落合「ごめんなさい。」
横江「途中、部がいろいろもめた時期もありましたけど、話し合いを乗り越えてみんなでまとまって走ることができて、とても良かったと思います。」
落合「おめでとうございます。続きまして第6位、千葉大学おめでとうございます。千葉大学、佐藤さんにお話を伺いたいと思います。佐藤選手、3走で入賞圏内に上がって来たわけですけど、抜いて来たのは分かりましたか?」(??実は2走時点で4位)「あ、ごめんなさい、ごめんなさい。でもあの入賞ということですが、走ってみて如何ですか?」
佐藤「シード選手とか、凄い人と走るのが分かっていたので、2走までの人が稼いでくれた分を普通につなごうと思って頑張りました。」
落合「おめでとうございます。大変失礼しました。」
 

<男子>
落合「早稲田大学の皆さん2連覇おめでとうございます。」
安井「ありがとうございます。」
落合「まず1走2走3走は、3位3位3位と行くわけですけども、そして最後4走紺野選手で2分の差をひっくり返して6分差を付けての優勝です。まず1走の方から聞いて行きたいと思います。」
落合「1走は西村選手。先程と同じような質問なんですけども、この優勝メンバー2人残ってますね。その中で今年はどのように戦おうと思ってましたか?」
西村「そうですね、もう今年は最後のインカレだったので本当はもっとトレーニングしてやりたかったんですけど、関東インカレ個人戦で捻挫してから全然トレーニングできなくて、それが悔しくて悔しくてしようがなくて、でもメンバーに選ばれたからには確実につないで、残りの3人を信頼して、ずっとそれでレースしてました。」
落合「そして昨日チャンピオンになりました安井選手、西村選手からトップとの差4分ほどでタッチを受けました。自分の役割はどのように3走につなげることだと思いました?」
安井「そうですね、後ろに大塚選手と俊介がいるので、私はつなぐだけでいいと思っていました。」
落合「レースの方は少し遅れたような感じを受けましたがいかがでしたか?」
安井「そうですね、あの〜、現在地ロストとかをしていました。でもレースが盛り上がったので、満足しています。」(会場:爆笑)
落合「王者の貫禄ですね。はい、そして3走です。3走は大塚選手、大塚選手も4年生です。優勝して今の気持ちをお願いします。
大塚「いや、とても嬉しいです、はい。(笑) え、そんなもんで・・」
落合「そうしましたら紺野俊介選手、お願いします。ちょっと髪の毛の色、昨日からびっくりしたんですがその色、金メダルの色でしょうか?」
紺野「もちろんです。」
落合「個人戦の方は取り残してしまったのですけれども、45分くらい、タイムの方もぶっちぎりのかなりいいタイムを出していたんですけども、走っている最中どのようなことを考えていたんですか?」
紺野「そうですね。3走まででトップと5分差だったら絶対抜いてくると言ってたので、まあ大塚君が頑張ってくれたお陰で2分くらいだったので結構楽に走れました。」
落合「トップを走っていた京都大学の西村選手の姿を見て追い抜いたのですか?」
紺野「ええと、一度追い抜いて、また抜かれて、もう一回追い抜いて、また抜かれて(会場:笑)、もう一回やっと抜いて、そこのビジュアルに帰って来ました。」
落合「では、かなり2人ともいいレースだったのか、ちょっと接戦だったのか・・」
紺野「接戦でした!」(会場:爆笑)
落合「早稲田大学、おめでとうございます。続きまして第2位になりました京都大学です。京都大学は1走2位で、そして2走3走でトップに躍り出ました。西村選手は紺野選手が追いかけてくる中をトップで出て行ったわけですけれども・・、ではまず西村選手の方から、追い抜き追い抜かれいろいろデッドヒートだったわけですけど・・」
西村「いや、もう負けると思っていたので気楽にやって来ました。」
落合「ではかなり大健闘だということですかね?」
西村「いやまあ個人的にはあまり納得は行かなかったのですが、チーム全体としてはもうベストのレースができたので、これで負けたら僕個人としてはまったく悔いはないです。」
落合「京都大学、筑波大学とラス前コントロールでほぼ同時のタッチだったんですけども、かなり差が開きました。あれは同時ではなかったのですか、それともかなり差が付いたんですか?」
西村「いや、差がもともとあって、ちょっと足怪我してたんで、もうここから歩こうかなと思って後ろちょっと振り返ったら増田君がいて、あ、これはやばいと思ってかなり全力で走りました。」
落合「そうですか、おめでとうございます。ちょっと一言ずつ大北選手からお願いします。喜びの気持ちをお願いします。」
大北「ああ、まあ4年間やってきたことに悔いはないので本当に嬉しいです。」
落合「許田選手、いい走りだったと思うんですがいかがですか?」
許田「個人個人じゃなく、4人でつないで優勝を狙おうと言う、それは実行できたので充実感はあるけど、やはりちょっと残念なので来年は優勝を狙いたいです。」
落合「西尾選手、まだ2年生です。許田選手とまた一緒に走れるかもしれないんですけれども、いかがですか?」
西尾「ええと、今年はメダルの色がちょっとあまり輝いていないんですけど(笑)、いや、まあ、すごく満足しています。4人でまとめられたのですごく良かったと思っています。で、来年は女子と共にアベック優勝を狙いたいと思います。皆さん期待して下さい。」(会場:拍手)
落合「おめでとうございます。続きまして第3位の筑波大学です。筑波大学、まず1走トップで帰ってきた佐々木選手にレース内容をお聞きしたいと思います。どんなレースでした?」
佐々木「はい。ええ、もう1ポからどんどん先へ行ってみんなを引っ張るようなレースでした。」
落合「では、シード選手2人。小泉選手、今日のレースはいかがでした?」
小泉「はい、佐々木がもう予定通りの戦い方をしてくれて、後ろ京都、早稲田が通ってるなと分かってたんで、まあ他の2人とも早い人たちなので追いつかれてもいいかなというぐらいで走っていたので、まあそれなりに帰って来れて良かったと思います。」
落合「はい、ちょっと野口選手お待ち下さい。では、2位の背中が見えていたわけですけど、如何でした?」
増田「ええと、西村さんを見たのは、ラス前取って顔を上げたらトンネルの中にいるのが見えたので、もうちょっときついかなと思ったのですけど、まあレース中は一回たりとも優勝をあきらめることはなかったので、まあ、本当は今年来年と連覇する積もりだったんで、まあちょっと残念でしたけど、来年必ず勝つので応援よろしくお願いします。」
落合「最後に筑波OL愛好会の会長でチームを引っ張って来ました野口さん、4年生で卒業されるということですので、来年に向けて愛好会励ましの言葉をお願いします。」
野口「まあこの3人がきっと新しい時代を来年作ると思うのでまあ是非筑波大学の皆さんは見ていて欲しいし、来年インカレに来る皆さんも筑波大学の活躍を見て下さい。」
落合「おめでとうございました。続きまして第4位になります、東北大学の選手、45分、ぶっちぎりのタイムで帰って来ました金澤選手にインタビューしたいと思います。1走の時点で19位ということだったんですが、どんなレースでしたか、自分自身としては?」
金澤「まあ、1走がどんな順位で帰ってきても、自分は・・・頑張りました。」
落合「いいレースができたんですか?」
金澤「みんなそれぞれが・・・ので・・・」
落合「東北大学も2年と3年という若いチームですので、また来年度同じようなメンバーで走ることもあると思うんですけど、来年に向けて若い禅洲選手に一言お願いします。」
禅洲「今年のチームは2年と3年で組まれていて若いので、来年もっと上に行けるように、そして、みんな・・はリレーメンバーで一緒に走って・・・頑張って下さい。」
落合「ありがとうございます。第5位です、東京大学。東京大学は前年卒業された代がすごく層が厚く、かなりメンバーが若返ったんですけどもチーム作りとしてちょっと大変だったことなど、4年生の方にお話を伺いたいと思います。メンバー変わって如何でした?」
石原「そうですね。今年は若いチームだったので、1年生なんかもすごい元気だったので、若い力に助けられてチームをまとめることができました。」
落合「この結果、5位という結果にはいかがですか?」
石原「ええと目標にはまあちょっと達しなかったんですけども、若いチームなので、こちらの3人はまあ来年もあるわけだし、向こうにいるメンバーの中にも早い人がいっぱいいるので、来年はやってくれるものと期待しています。」
落合「来年も頑張って下さい。おめでとうございます。最後に北海道大学です。北海道大学の皆さん、おめでとうございます。北海道大学の皆さん、何かアピールをしていただきたいと思いますが・・」
大嶋「今日の入賞は、狙ってきた目標なので入賞できて本当に嬉しいです。ありがとうございました。」



3月11日   IC2000団体戦、男子は早稲田、女子は筑波

 団体戦も前日と同じ鬼久保ふれあい広場の会場。夜中に一旦凍った地面が溶け出して泥沼と化す前に、早朝からゴールライン沿いに各校の場所取りが行われる。随所で応援合戦が繰り広げられる中、男子選手権クラス1走スタートの9時半が近づいて来る。
 男子の大方の予想は、早稲田vsその他という早稲田優位の様相が強かったが、早稲田1走を任された西村は大して緊張した様子も見せずに最前列に並ぶ。やがて号砲と共に朝日に向ってスタートして行った。昨年の入賞校の走順は以下の通り。
      1  2  3  4
 早稲田  西村 安井 大塚 紺野
 東京  宇田川 降旗 加藤 石原
 筑波  佐々木 小泉 野口 増田
 京都   大北 許田 西尾 西村
 東北   梶谷 金澤 船津 禅洲
 千葉   芳賀 武田 熊田 梅木

 一方女子は10分後のスタートであるが、こちらはいずれも緊張の色が隠せずオフィシャルが最後の最後まで活躍している。戦前予想は、筑波vs東北の2強対決という様相が強かった。これに関西勢を中心とした中堅校がどこまで肉薄できるかという点に興味が絞られている。昨年の入賞校の走順は以下の通り。
     1   2   3
 筑波  塩田  上松  二俣
 東北  池田  井上  小林
 日本女 長田  岡田  水野
 京都橘 上田  塩田  横江
 図情  横室  前田  山田
 慶應  高橋  岡田  葛西

 やがて男子1走が戻って来る。筑波の佐々木だ。タイムは51:19。1分ちょっと遅れて京都の大北がゴール。シーズン後半調子を上げてメンバー入りした大北が立派に1走の役割を果たしたので、京都が大いに盛り上がる。エースの許田が筑波の小泉を追い駆ける形で出て行く。京都からさらに3分遅れて早稲田の西村がゴール。前日にインカレチャンプに輝いた安井で追い上げを図る。その後ろは東京の宇田川、慶應の森下が続いた。東北は18位と大きく出遅れてしまい2走の金澤に望みをつなぐ。

 女子は先行逃げ切り作戦の走順を敷いた筑波が、1走の塩田でどこまでリードできるかに興味が絞られた。前日のクラシックでは優勝候補と言われた中で失敗をしてしまったのだが、この日はさすがに気持ちを切り替えたのか期待通りにトップでビジュアルに現れる。そして42:40というすばらしいタイムでゴールしてしまった。筑波は2走が上松という豪華リレーだ。続いて2分半遅れで広島の古澤が好タイムでゴール。さらに秒差で東北の池田もゴールした。アンカーにエース小林を持って来た東北としては2走まで何とか大きく離されずにつなぎたいところだが、1走で塩田に3分以内ということは射程距離範囲だろう。上松対井上の勝負に興味は移る。この後は数分あいて東女、静岡が続く。上位入賞が期待されていた京都、京都橘は、それぞれ14位、15位と出遅れてしまった。

 2走は上松がダントツで帰って来た。しかしタイムは49分掛かっている。対する井上は53分半でクリアし、合計7分26秒差で二俣を小林が追う形となった。前日のクラシックでの2人の時間差は16分。リレーはウイニングが2/3程度なので微妙な時間差である。以下12分以上あいて、東女、千葉、本女が続く。京都、京都橘はそれぞれ2走の石川、塩田の頑張りで8位、9位まで順位を上げ、前日1位の番場と3位の横江にそれぞれバトンタッチ。

 男子2走は京都の許田が50分というすばらしいタイムで筑波を抜いてトップに躍り出る。一方期待の掛かった早稲田の安井は同じく50分に終り3位のまま。一方東北は、2走の金澤が45分という驚異的タイムで14人抜きを演じ、一挙に4位に浮上してしまった。

 3走になっても京都の西尾が筑波の野口、早稲田の大塚らと拮抗したタイムでトップを譲らず、ついにアンカー勝負になった。トップの京都と3位の早稲田の差はわずかに2分13秒。早稲田のエース紺野の走りと2位の筑波の増田の走り如何では何が起こるかわからない状況になって来た。逃げる京都は足を痛めている西村だ。期待された東大の加藤も今一歩伸びず6位のまま。3走では金沢の猪飼が46分台の好タイムで7位から4位に浮上したのが目を引いた。

 ついにビジュアルに女子3走が現れた。二俣だ。後ろからのプレッシャーがあるはずだが無難に前半をこなしている。しかし3分もしない内に小林が現れる。前半だけで4分半を縮めて来た。さすがだ。ビジュアルを男子並のスピードで駆け抜けて後半への期待をつなぐ。

 やがて最後の時がやって来た。ラス前ラジコンで二俣がアナウンスされると筑波の陣からどっと歓声が上がり、ウイニングランのために旗を持った塩田と上松が嬉しそうに出迎えに行く。3連覇の瞬間だ。2人のエースの活躍はもちろんだが、3人目がカギだと言われ続けて来た中で二俣が見せた冷静なレース運びが勝因の一つだろう。小林が1分37秒差でゴールした。驚異的な追い上げを見せたが、あと一歩で届かなかった。3位には京都の番場が5人抜きで、4位には静岡の森田が3人抜きで、5位には京都橘の横江が4人抜きで飛び込んだ。最後の入賞枠は千葉が粘り強く逃げ切り獲得した。

 一方の男子はやはり早稲田の紺野だった。前半こそ西村と競り合ったようだが終ってみれば6分の差を付けての圧勝だった。興味は2位争いに移った。ラス前ラジコンで京都と筑波が立て続けに呼ばれたので観衆の目は最後に駆け下りてくる道路に釘付けとなった。1分ほど追い上げた増田も最後に西村の後ろ姿を見るところまでが精一杯で、あと16秒及ばなかった。以下、東北の禅洲、東京の石原が快走して4位、5位に入った。最後の入賞枠は北海道の大嶋が大逆転で8位から滑り込み、慶應は残念ながら涙を飲んだ。

 ところがである。女子の結果を後で調べたところ最後の最後まで逆転のチャンスがあったのだ。ビジュアル直後のレッグのルートチョイスでちょっとした波乱のネタがあったのだ。ビジュアル後のコントロールは自動車専用道路をトンネルでくぐった後、50m級の小山の反対側に配置されていた。トンネルはくぐれる場所が3ヶ所。実はレッグ線上に重なっている真ん中のトンネルを越えて山越えするルートが誘導ルートのように見えるのだが、実は南のトンネルへ舗装道路を250m迂回するアップのないルートの方が明らかに早いのだ(北回りは遅いので論外)。

北:塩田純子ほか2〜3人
中:小林啓恵(6:54)、横江君香(7:38)、二俣みな子(8:06)ほか
南:古澤裕子(5:06)、塩田美佐(5:07)、森田有希子(5:16)、水野真理(5:20)、池田和香子(5:48)、長野めぐみ(5:49)、葛西弥生(6:01)

真ん中のルートは、必死で頑張った小林ですら7分近く掛かっており、南ルートのみんなが一様に5分前半でこなしていること(アタックも容易で迷う要素がない)と比較して2分以上の差があると言って良いだろう。山越えの体へのダメージも考えればこの差はかなり大きい。

余談であるがその場に居合わせた役員は、トップ争いで逃げていた筑波の二俣が真ん中のルートを採ったのを見て、「あ、これで逆転だ!」と思ったそうだ。ところが追走する小林も真ん中のルートを進んでしまい思わず「あーっ!!」。結局奇跡の大逆転はならなかった。同様に横江も南のルートを発見していたら静岡の森田を抜いていたことになる。

いずれにせよ、筑波の1走(塩田)も東北の1走(池田)も自分では南のルートを取っているのに、2人ともその情報を3走に伝えていないというのは何故だ? 一般的にこのようなルートチョイスで明らかに差がある話は伝達するはずだが・・ 謎だ!! 

以上

★★追加情報★ 2001.4.4 原田山人氏より以下の関連情報をいただきました。

「団体戦の勝負の分かれ目となった高速道路の横断ですが、女子だけで無く男子も実はここで勝負がついていました。男子は、西尾、許田の2名が山を切った京都より早稲田の方が6分程度速いというような話を聞いています。早稲田の1走の西村は確かに少し出遅れましたが、2走の安井にまでもこの情報を伝えたことは自分が出遅れた時間以上の価値があったと言えるのではないでしょうか。」
 

あらためて地図を見ると、レッグ線が真ん中のトンネルのすぐ近くまで引っ張ってあることが分かる。これがもう少し手前から切れていれば、もっと目が両側に行ったかもしれない。むずかしいところだ。



3月10日   IC2000個人戦、男子は安井、女子は番場

クラシックの様子は早々と村越レポートが流されているのでそれを転載しておこう。

インカレ個人戦レポート  (by 村越真 from Orienteeri ML)

 エリートスタートへの待機所となった作手の野外教育センターには前夜降った雪がうっすら積もっている。あたりの山には水墨画のようなモノトーンの静寂がおおっている。ここが、インカレ個人戦の熱い舞台となるのだ。
 7時53分、第一便のバスが到着。10分とおかずに第二便のバスも到着した。降った雪もバスの運行には影響を与えていないようだ。到着限界時刻である8:32分よりも30分以上も前の到着だ。バスからは、次々と選手が下りてくる。まだ名のある選手はいない。むしろオフィシャル陣たちの動きが目だっている。松沢、鈴木、小河原、日本を代表する選手が選手をサポートしている。むろん、今日の主役は彼らではない。学生たちだ。
 8時30過ぎ、まだ準備すら始めていない選手のいる体育館を出発して、前走をすることになっている私は、スタートに向かう30分の道のりをジョグし始めた。急な登りを歩いていると、前方から時折走ってくる人がいる。選手が来るにはまだ早すぎる。各大学のオフィシャルである。こうやって選手がスタートに向かう前に道のりとテレインの状況を確認して選手に伝えるためであろう。適切な情報が事前に与えられるほど、選手は安心してスタートすることができる。
 巴山山頂に祭られた祠から50m下りたところ、それがプレスタートだ。テレイン内の最高地点、そして三河地方の名前の由来となった男川、矢作川、巴川、この三川の分水嶺から、男子9.9km、女子6.0kmのレースがスタートする。
 男子コースは、テレインの北を走る尾根をひたすら東にたどるロングレッグから入る。予想どおりのコース展開である。その後コースはテレイン東部から山越えで南の斜面へ。高い技術を要求する微地形にショートレッグが組むまれている。8番の第一ラジコン後、尾根を大胆にあがるロングレッグだ。こういうタフな区間をいかにスピードを落とさずにクリアできるかが勝負のカギだ。その後斜面を斜めに切ってのアタックが要求されるレッグが2つ続く。技術的にはここまでが山場である。会場に向かう主要道路を越えると技術的な課題はほとんどないが、ゴールに向けて大小二つの丘を越えてゆかなければならない。体力的には最後まで楽をさせてくれないコースなのである。
 一方女子は***
 11時ごろから、男子エリートがゴールしはじめる。11時25分、京都の西尾がゴールする。タイムは83分。10位が狙えるタイムだ。11:45分には女子トップの下村(東北)が73分でゴール。「巡行スピードが遅かったので、つぼるってことはなかった」。しかし、このタイムはすぐに京都の石川に更新される。
 12時台にレースは佳境に入る。東北3年シードトップの金沢は中間ラジコンを34分という好タイムで通過していたが、12:23、71分05秒でゴール。永らくトップにたっていた西尾のタイムを11分更新する。「思い描いたようなレースができた。コース距離と登りからしてタフなコース、80分近くはかかるかと覚悟していたが、簡単だった。タフなレースに備えたことで身体の調子は今までで最高。紺野さんがベストで来たら抜かれるかもしれないけれど、他の人には負けないでしょう。なんていって、抜かれちゃったりして・・・」と最後は金沢らしくおちゃらけてみせたが、中間でのタイムといい、ゴールのタイムといい間違いなく優勝と思わせるタイムだ。この日は5人のナショナルチームのメンバーが前走していたが、金沢のタイムはそのトップタイムに1分20秒と迫るタイムである。「間違いない、これで決まりだよ。おめでとう」実際僕も金沢にそう祝福の言葉を贈った。「体調は完璧でした。登りに負けないように、かなり走りこみましたから。前半の尾根走りは、不得意なところなんですけれど、そこは我慢して丁寧にいきました」と、金沢はレースを振り返る。
 男子エリートクラスは、この金沢のお化けタイムで、ほぼ決まったように思われた。まだレースは半分の選手がゴールしたにすぎないが、一部の観客の間には「もう決まった」という終了ムードが実際に流れていた。名指しでライバル視された紺野も中間で35分台と、1分半近い差がついている。紺野は2番の尾根たどりに失敗し、ほぼ沢底まで落ちているらしい。金沢の後半も悪くないタイムだ。優勝候補筆頭である紺野は、後半11でも下り過ぎ、結局71’17と、金沢に秒差で及ばなかった。金沢の優勝は確定、そう思われた。
 残る可能性の安井(早稲田)も第一中間では紺野を上回ったものの、金沢にはやはり1分以上の差がついている。しかし安井はその後ふんばりを見せる。第二ラジコンを59分53秒で通過すると、金沢を10秒上回る70’54秒でゴールしてしまった。
 安井は1番でコントロールのある枝尾根に乗れずミス。やばいと思って2番まではふらふらレースをしていたが、その後は気を取り直して淡々とレースを続けた。登りに負けそうになると、「ここできっと紺野は走っているんだろう」と考えながらがんばり続けたという。年間をとおしてコンスタントに200kmを走り、今年に入ってからは愛知の地図を中心に毎日1時間くらいの地図読みトレーニングを欠かさなかった。地元愛知の出身でもあり、地元で勝ちたかったという執念が実っての優勝であった。
 2位が決まった金沢のところにいくなり、「うそつき」と言われた。2位にはなったものの、金沢が「絶対優勝だ。間違い」そう言わせるだけのレースをしたことも確かだ。ここ3年、ナショナルチームはインカレで前走をしている。雪の中あきらかに前走の条件が悪い常磐ですら7分差、山口でも日光でも10分近い大差が学生優勝者との間についている。今回の金沢のタイムはたったの1分半。3位の紺野までは文句なく素晴らしいタイムである。
 一方の女子は、ノンシードの横江君香(京都橘)がそれまでの最高ラップである塩田純子(京都橘)のタイムを2分以上上回る29分でラジコンを通過するが、その直後に小林啓恵が26分という素晴らしいタイムでそれを上回る。後半のタイムは前半+2−3分程度。このままいけば55分が出るかもしれない。この二人のスタートタイム差は4分、このまま二人がつるんで後半のレースを展開した時のタイムに期待がかかる。
 実はすでにこの時、小林は一度横江に追いついている。中盤の緩斜面の難度の高いコントロールで小林は直進、横江は下に迂回し、横江が小林を振り切ったらしい。小林はその後も斜面のコントロールでミス。一度は追いついた横江に差を広げられた。横江が62分でゴールしトップにたった直後、小林は60’56でゴール。かろうじてトップとなる。
 その後、シード選手が続々で好タイムでゴールする。第二シードの森田(静岡)が69’35で5位相当でゴール。しかし、ノンシードの池田(東北)が、それを上回る4位相当のタイム。しかもまだ上松、番場、塩田が残っており、森田念願のメダルはすでに厳しい。続くシード、親子オリエンティアの古澤(広島)は66’44と上位入りに期待がかかる。
 女子のレースもいよいよ最終局面に入る。難度の高いコースだけに好成績が予想される上松は前半出遅れる。その後もタイムが伸びなかったが、3位の63’38秒でゴールした。「ミスはなかったんですけど、リズムに乗り切れないままに終わってしまいました。どうしちゃったんでしょうね。いつもは止まらないところで止まったりして。いつもはチェックポイントでも止まらずに通過するんですけど、今日はばっと走って、とまって、って感じでした。心理的な面ですか?開会式で疲れちゃったのかな。」上松のようにひょうひょうとレースに臨んでいるように見える選手にとっても、インカレとは特別な大会なのであろう。
 上松がゴールしたころ、京都の番場はすでに最終ラジコンを通過していた。前半を26分で走った番場にも好タイムの期待がかかる。彼女は後半もペースを落とすことなく快走する。それまでトップにいた小林のタイムを3分以上上回る57’01でトップを決めた。足首の故障や一週間前の風邪に悩まされた番場だが、大きなミスもなくレースをまとめ、栄冠に輝いた。「男女共通のラジコンへの直進では、ペースが落ちちゃいましたけど、コンパスを見て何度も止まって走りました。」インカレという大舞台で冷静にレースを進められたことが、勝利につながったのであろう。
 東大や東日本の21Eで優勝に輝いた塩田(筑波)は前半3番でミスをし、64’25のタイムで5位に終わった。またしてもインカレでは同僚上松に勝てなかった。

 上位の結果は以下のとおりである。横江はシードである筑波の二人を抑えての3位。立派な結果である。12月には太腿骨疲労骨折で、2週間の安静。体力的に追い込んで準備できなかった反面、地図読みのトレーニングは十分行ったという。地図メモリーの練習を徹底したことで、地図の先読みによって走れるスタイルとなった。また副産物としてメモリーできないのはプランが悪いからだということに気づけたことが大きい、とコーチである尾上秀雄は、準備の成功を強調した。
 今回の入賞者のうち番場、小林、上松、塩田の4人は昨年に続いての入賞である。この結果にも、今年の上位陣の充実ぶりがうかがえるが、その中で入賞したノンシードの横江、池田も評価できるだろう。
 一方男子は、またしても安井が同僚紺野を抑えて、優勝した。早稲田大学の男子個人戦優勝はなんと第2回の小山格以来21年ぶりである。まだ紺野の名前しか知らなかった2年前、僕は早稲田の合宿に呼ばれて紺野、安井、西村などのランオブをしている。その時、紺野以外にも切れ味のある選手がいるじゃないか、そう思ったのが安井だった。しかし、公認大会等で上位に入りジュニア世界選手権に遠征して目だってきた紺野に比べると、安井は目立たない存在だった。しかし、紺野自身常々、「近くに刺激を与えてくれる存在がいるので(がんばれる)」と語っていた。「紺野ならここで走っていると思うとがんばれた」そういう安井のコメントに、紺野なしには安井の成功もなかったことが分かる。
 4位の加藤と許田は同タイム。同タイム入賞者は、第8回駒ケ根インカレの石原(千葉)と滝川(神戸)以来である。
 6位には、猪飼雅(金沢)が入った。紺野とともに2年生の時ジュニア世界選手権に参加しながらも春のインカレでは初入賞である。北信越学連としても初の男子入賞者となった。
 今回は男女とも、「インカレ新記録」。もちろんコースの長さや登距離の違うオリエンテーリングでは、「新記録」には意味はないが、上位選手が素晴らしいレースをしたことは確かだ。コースプランナーの水島(静岡OB)も、男子は73分くらい、女子は60分は切れないとみていた。が実際にはそれぞれ予想よりも3分よいタイムであった。
 忘れてならないのは地図の質である。地図の精度が低いとどうしてもうまい選手とそうでない選手の差がつきやすい。男子上位が緊迫した競り合いを演じ、ナショナルチーム上位選手と同等のレースができたことは、高い精度の地図のうえに十分にコントロールされたコースが組まれた結果であろう。このような競技性の高いレースが行われることで、競技者の持つ潜在的な力が引き出されるのである。
 「最後の2、3日の結果だよ」と、地図作製者の山川は言う。現在人工透析を受ける彼は、今年に入ってから透析中のミスで、血管に傷をつけた状態の身体で地図調査を続けた。「静脈だと思ってたから地図調査したんだよ。動脈と分かってからは、医者にも絶対安静を申し渡された」。今回の地図も、RMOサービスの地図作製の歴史に1ページを付け加える一枚となった。

  なお、男子新人クラスでは、寺垣内航、立花聡(ともに早稲田)、また女子新人では、スキーOではすでに国際大会で活躍している植野由香(北海道教育大学)が優勝している。

女子                                男子
(1)番場洋子 (京都3) 57'01      (1)安井真人 (早稲田4)70'55
(2)小林啓恵 (東北4) 60'56      (2)金沢拓哉 (東北3) 71'05
(3)横江君香 (京都橘4)62'20      (3)紺野俊介 (早稲田4)71'17
(4)上松佐知子(筑波4) 63'38      (4)加藤弘之 (東京3) 76'44
(5)塩田美佐 (筑波4) 64'25      (4)許田重治 (京都3) 76'44
(6)池田和香子(東北4) 65'13      (6)猪飼 雅 (金沢4) 79'53

併設コース(M40A)を走った筆者のルート&アナリシスこちら