JWOC2001 現地レポート(7月15日)

◆7月15日

○リレー
 6時過ぎに朝食を済ませGaborさんの車で柿並君が先に帰国の途につく。1走の4人と残りのオフィシャル3人が第1バスに乗る。到着するなりゴールレーンを隔てて速報ボードの真ん中に陣取る。手早くタープを立てて日の丸を掲げる。今日は今年最高の気温になると言われているのでタープは必須だ! スタートとゴールのレーンを確認し、スペクテーターズコントロールを見に行く。オープンドリーネの縁にあるやぶの裏側にフラグが見える。

いよいよ男子1走の集合時刻が近づいて来たので全員で集まり円陣を組んで後藤の発声で掛け声を出す。山田と堀江がSIをクリアしてレーンに並ぶ。いよいよだ。スタートレーンが曲がる辺りにビデオカメラを持って待ち構える。男子は好調なレースをしている山田がどんなレースをするか、走力のある堀江がリレーの特質を生かしてどれだけ食い下がれるかに期待が掛かる。やがて9時になり一斉スタート! 山田は集団に混ざって、堀江は最後尾に付けて駆け抜けて行った。

次は女子だ。本人は失敗もあって不安だらけだと言うが最も安定した成績を残している田島に掛かる期待は大きい。2走以降に元気を与える先導役を果たしてもらいたいものだ。川島もしっかり走れているのでBチームの1走として信頼できる存在だ。期待しよう。

そろそろ男子の中間かとスペクテーターズコントロールを見に行くがなかなか選手が来ない。やっとトップ選手が通過してそこが60%の中間ではなく5分前のコントロールだと分かる。この時点で中間を確認してからと思っていた北島のテーピングのことをすっかり忘れていた。10分後に日本人トップで現れた堀江を見てあかねさんから指摘されて気付くがもう間に合わない。捻挫気味の北島がテーピングなしで出て行った。申し訳ない! しばらくして田島がやって来る。ドリーネの縁をやぶの裏に回り込めば良いのに地図を見て立ち止まってしまった。ゴール側から確認した筈なのだが、向こうから走って来ると景色が違うのだろうか。すぐに後ろから来た山田に教えられるように一緒にコントロールへ。

田島のタイムは予想以上に早い! このままゴールして欲しいと願う。堀江は外国選手をうまく活用してうまく走れたようで会心のレース! ミスはなかったが走り負けたという山田に3分以上の差を付けた。このレースは堀江にとって大きな自信となったことだろう。山田も来年に向けての課題が見えたということなので今後に期待したい。

川島が76分と順当に帰ってきて2走の櫻井にタッチ。櫻井は力強い走りでスタートレーンを走り抜ける。セレ以降最も走り込み、毎週のように山に入って準備をしてきた選手の1人だ。ショート、クラシックとも立派に完走し、その成果が現れて来ている。今日はウムに間に合うように帰ってくるのが役割だ。スペクテーターズコントロールで次は石川かと見守る中を、先にスウェーデンチームの3走が通過。すぐに石川がやって来てすんなりコントロールへ。しかし脱出でさらに2チームの3走に抜かれる。今年も女子ウイニングラン前の2走ゴールはならなかった。石川から澤田にタッチ。澤田もクラシックで本来の走りの片鱗を見せただけに今日のリレーでのパフォーマンスに期待が掛かる。彼女にとっても2回目のJWOC総決算のレースだ。

4分後に北島が元気に帰って来る。2走としてうまくまとめた走りは立派! 男子はウイニングラン前に間に合って後藤が出て行く。本番に入ってから不本意なレースが続いていた後藤にとっても後が無い。最後の正念場だ。後藤が出て行って2〜3分でチェコがゴールし優勝を決める。チームメートと肩を叩き合って嬉しそうだ。1分ちょっとでゴールした2位のポーランド選手と計時線のすぐ後ろで地図を見ながらルートチョイスか何かの話を初めてしまった。何ともはや・・

纓坂がなかなか帰って来ない! やきもきする中を北島から20分遅れでやっとゴール。ゴール後、その場で倒れてしまった。水を飲んでも意識が朦朧としている。中盤からどこをどう走ったか全く記憶がないらしく、地図もロストしている。SIのプリントアウトを受け取り完走していることを確認したら安堵したのかまた倒れてしまった。本当にお疲れ様! 3走は期待の久野だがもうこの時間は1人旅かもしれない。来年に向けて納得の行くレースをして来て欲しいと思いながら見送る。

浅井がいつでもスタートできるように準備をして櫻井を待つ。中継コールのボード表示が少し前から機能していないのでいつ来るか分からない状態なのだ。12時になり表彰式が始まった。ウムにならないことを祈っている中を櫻井、澤田が立て続けに現れる。間に合った! 最後のランナー浅井が出て行く。レースを重ねるごとに安定した走りを見せていた浅井なので1人でも安心して見送れる。櫻井、澤田の2人にお疲れ様の声を掛ける。2人とも冴えない顔をしていたが、精一杯走って来たのだから立派なものだ。堂々と胸を張って欲しい。

後藤が帰ってきてBチームが日本の成績になることが確定した。後藤も最後に記録に顔を残せて良かった。Bチームのみんな、おめでとう! オフィシャルランの準備をしつつ久野と浅井を待つ。

オフィシャルランは3人とも女子コースを走ることにした。周りを見ると結構な男子も女子コースを走るようだ。かつての女子チャンピオンのような顔(よく知らないが)も見える。スタート後は何とか集団の1/3くらいのところをキープ。途中からスウェーデンの女子コーチと並走になった。途中1ヶ所外したがなんとかこなして進んでいたら、ラス前々で武藤&外人パックと一緒になった。うまく脱出してラスポは先着。悠々とゴールレーンを走っていたらすごい歓声になって2人に肉薄されていることを知る。最後はダッシュして逃げ切り、しっかり楽しんでしまった。

浅井、久野も期待通りの好タイムで帰って来てJWOC2001は終った。この経験をどう生かすかはこれから各自に託されるることになる。目標を持って挑戦しつづければ必ず進歩がある。それを信じて続けて欲しい。秋以降に見違えるように活躍する選手達を見るのがオフィシャルの願いでもあり楽しみでもあるのだ。

以上